日没の時刻が遅くなり、夕方の時間が延びて、季節の移ろいが感じられる。だが山里では、ここのところ、昼間の気温が緩むいとまがなく、“心身ともにくつろぐ”時間を見出すことがなかなか出来ない。長年、朝の洗顔時と夜の入浴時に、今日の流れを思い浮かべる時間をとる習慣なのだが、最近は、“すっきり”という思いを抱くということがなく、かなりフラストレーションが溜まっている。春の暖かそうな光りと、凍える空気、のアンバランスな取り合わせは、身軽な小動物と違って、図体の大きい人間には、順応することがなかなか難しいようである。
ヒヨドリは毎朝顔を見せる。単独ということはなく、必ず連れ立ってやってくる。春をつかまえた、確信に満ちた顔であり、振る舞いである。