アラームはかれこれ2年以上鳴っている。
なんでだかわからないしどの医者に行けばいいのかもわからない症状。
調べたら原因も治療法も不明、とあった。
生死に関わるものでもないらしい。
まあ仕方ないかと放ってあったけれど、少しずつ位置や感覚は違っても、それは無くならず私と共にあった。
ナオコさんの静かなうつくしい部屋で、それが私にとってなんであるかという話になった。
本当なんだか思いつきなんだか関係なく、私から出てきたことば。
それは何かを告げようとしている。
水先案内人、パイロットがほらと指し示す。
風が強くて何を言っているかは聞こえないけれど。
違うな、と帰り道に気がついた。
聞こえないと言いながら私は聞こうとしていない。
何故聞こうとしていないか。
知っているから。
何を言っているのか、あるいは何も言っていないことを、知っているから。
なんでかと言うとね、それはアラーム、リマインダーだから。