私にはわかった
みんなの作品の自由な感じ
好き勝手に咲き乱れる感じは
これは庭だな
みんなを教える先生のりえさんは庭を作ったんだ
それぞれの花をたわめず
かまいすぎず
一番らしく咲くようにして

そう言ったら
そうですよ、とりえさんは言った
だってほら、私の作品のタイトルは
「庭との対話」

新しく整えられて生まれ変わったお宅の庭のことかと思っていた
私たちのことだったとは!
私にはわかった
みんなの作品の自由な感じ
好き勝手に咲き乱れる感じは
これは庭だな
みんなを教える先生のりえさんは庭を作ったんだ
それぞれの花をたわめず
かまいすぎず
一番らしく咲くようにして
そう言ったら
そうですよ、とりえさんは言った
だってほら、私の作品のタイトルは
「庭との対話」
新しく整えられて生まれ変わったお宅の庭のことかと思っていた
私たちのことだったとは!
禅の師が少しずつお店をたたむ、と宣言した。
いや、そうは言ってないか。
厳密に言うと。
坐禅会は半分に減らす、合宿ももうやめる、残りの人生でやりたいことを優先的にやろうと思う。
「何をやるんですか?」
山を歩きながら聞いた。
「武術とパーリ語と」(あとなんだったかな)
「絵に描いたような文武両道じゃないですか」
私にはわかった。
あの人は(今までもだけど)さらに本気で遊ぼうとしている。
散歩に出かけたらいつも通るトンネルに言葉が書き連ねられていた。
いつもは自転車で走り抜けるから全然気がつかなかった。
全部は読まなかったけど、アイスのことを書いたところはいいなと思った。
字だってかなりいい。
精一杯生きる、と書いてあるところには応援の気持ちを込めて花丸をあげたい。
そんなふうに真剣に生きてる人を笑える人は誰もいないと思う。
(笑ったとしたら笑うやつがわかってない)
他の誰かもそう思ったのか「あなたの言葉が好きよ」と書いてあった。
交通インフラの研究をしてる人とこれからどうなっていくんですかねみたいな話になって、そしたら少し間が空いて。
あんまり先のことは‥
その頃道路があるかわかんないし。
‥なるほどね。
先住民族的マッシュルームカットの南の島の男の子はアキハバラに着くなり日本円を全額両替した。この後は成田から帰国するんだから異国での買い物は最後のチャンスそしてその年頃なのに物欲が全くないらしい。
女の子たちも少し店を見て回ったら満足したらしく、お昼もコンビニのサンドイッチを買ったからそれでいいとのことだった。
足元は見たことのないサンダル。強いて言えばスポーツサンダルの可愛い版。多分向こうは暑いから靴ははかないんだと思う。
きれいな水のように汚れがなく落ち着いていておっとりとしている。
その彼らがですね、唯一声をあげて喜んだものは、なんでしょう。
駅前の雑踏の道端で、のたのた歩く鳩。
目を輝かせた女の子が、これは島にはいないと教えてくれた。
触っていいかと聞かれたけど、なんて答えればよかったのか。触れれば?
飛び立つ鳩に驚いたような惜しむような声があがった。
そうなのよ、あれは飛ぶの。