日々乃家日誌 まにまに・てい子の日々の発見

母まにまにが娘てい子と始めた、日々の発見を綴るブログです。

あまつぶに

2024年06月20日 | 感想文/創作物
すでにほころびぬ大輪の紫陽花みちていく水位警報





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なんのことなんだか

2024年02月19日 | 感想文/創作物

着ぐるみをそっと置いておく只管打坐宇宙メッシュの被をさらふわり







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顔相

2023年11月21日 | 感想文/創作物

何年か前の冬の夜のこと。


昔からある賑やかな商店通りに今ではもう珍しい占い師が座っていた。


ほら道端にあの四角い灯籠みたいな灯りを灯した小さな机に座っているやつ。

灯りには手相とか顔相とか書いてあって看板と宣伝を兼ねている。


通り過ぎながら見るともなく見ていて、ふうん顔相と目線を上げたらその占い師と目が合った。


若くはないけど年取ってもいない女の占い師だった。


ぼんやりとした意識にダウンロードされるように情報が入ってきた。


(とても情に厚いところがあるけれど

(神経質なところがあり苦労している

(そして頑固

(近くに近親の男性がいてよく言い争っている


え?そういうのが顔相なわけ?


微かな期待をこめてこちらを見る彼女から視線を外し足を緩めず通り過ぎた。


うーんと、結構です。







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「子育てのためのポリヴェーガル」小笠原和葉さん 感想文

2023年08月19日 | 感想文/創作物

子育て、思い出しました


あれは全く他に類を見ない腹側迷走神経の「お腹の時間」

哺乳類の時期

それまでの社会化を圧倒する肌の温度と感触と匂いの経験でした


そして私の子育ては(とりわけ苦労の多いものだったんですが)終わったんだなあと、清々しく思いました

あの大変なところを抜けて、とにかく大人ばかりの家族になった

生き延びた

充分よくやった

(まるで戦さを振り返る退役軍人)


そういうふりかえりの機会としてありがたかったです


お話を、実は私はお経を聞くように音楽を聞くように聞いていたかもしれません

和葉さんのうつくしく調整された発話発音

ひとつの誤魔化しも齟齬もなく星座のようにきれいに配置された思考

私たちの身体/水の領域から届くこれほど全存在的に調和されたメッセージをあまりしりません


内容は本や以前の講義で知ってはいたことですが、あらためて空気を振動させて耳に届く声として聴くことができてよかった


きっと今の私の奥の方を少し揺らして、私全体を豊かにして、何かを少し変えていくでしょう


少し賢くなるかな

知っていることが無意識に行動を変える、というように


あ、あともう一点


最後の質疑応答のところであったやりとり


「お風呂数分で回復できる和葉さんはすごい」


というコメントに対して


「本来はすごく揺れるしストライクゾーン狭いのに、和葉さんはすごいんです。常に自分の身体/神経の状態をモニターして調整しているから」


というところがとても面白く参考になりました


ちょっと自分を観察してみるかも(実は神経系は緊張/不安定/フリーズぎみだと思う)


ありがとうございました










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キル・ボクスンと温室(感想文)

2023年08月02日 | 感想文/創作物
ボクスンはAランクの殺し屋。

それを隠してティーンエイジャーを育てる母でもある。


母娘の暮らすゴージャスなマンションの中央には、彼女の趣味の温室がある。


ボクスンはそこで鉢の手入れをしたり、難しい年頃の娘と会話を試みたりする。


マンションは実は実在する場所ではなく「ボクスンと娘が暮らす」心象風景だから、決して外の景色は映し出されない。


太陽の光は射さず、どの季節の風も吹き込んでこない。


その平和を彼女は文字通り命がけで守っている。


彼女を愛した者からの最後の贈り物は、その温室を壊す凶器だったけれど、意図はどうあれ必要な一突きだった。


彼女のような者の娘が、ただ守られる花であるものか。


その先の物語がどうなっていったのかは知らないけれど、二人を隔てる壁が壊れた隙間からは風と光が(たまに嵐も)通り抜けているはずだと思っている。





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