自分とは関係ないものを関係ないままに、欲しいとも思わずにずっといいなあと思っていた。
関係ないと思っていたからそこには混じり気が微塵もなく、意識の下できれいに流れる小川のように好きな気持ちだった。
通りかかるたび、なんてかわいらしいんだろうと思っていた。
緑の動物が眠っているような可愛い山々。
穏やかにきらきら光るだけの波が寄せる浜。
ゆるくカーブするメインストリート。
昔ながらの個人商店、新しくセンスのいい店、馴染みのローカルチェーンがうまく按配された商店街。
なつかしい夏休みみたいな町。
まさかそこで暮らせるようになるなんて。
とりあえず
「郷に入れば郷に従え」
これを言っていいのは郷の人以外ね
入っていく人、かつて入った人は言っていい。
郷の人はだめだよ、当たり前だけど。
ここまではいいかな？
今月も楽しい趣味の勉強会があった。
みんなで片付けてから暗い境内で「おやすみなさい」と声を掛け合って別れる。
いろいろ学んだ今日の一番は「やまももは美味しい」
やまももは、おいしかった。
よろこびでもあるものが
義務になってしまってはかなしいから
今の季節のこの体調の味付けを調整するのと同じように心を配って
どのくらい手をかけるかかけないか
作るか買うか食べに出るか作ってもらうか
レシピには書いてないけれど
ちょうどいい加減をみつけたいと思う
「“いいお母さんじゃない”呪い」ともだいぶ長いつき合いだしね
