遠い地で
友だちが
最終バトルのひとつ前(ふたつ前か)の戦いに取り組んでいる
戸につっかえ棒をして寝てるというのを切なく聞いて
本当はそんなことしなくていい
そんなところにいなくていいと言いたいけれど
(もちろんそんなこと言うわけもなく)
時折遠くから健闘を願ってる
多分最後の戦いが終わるまで
お昼の後の講義の半ば、眠くなってきたみんなの間を通って小瓶くらいの大きさの容器が回ってきた。
昨日話してたやつ、ナッツ、甘いよ。
十円玉くらいの直径でぺらぺらに薄くスライスしてある木切れのような。
その断面には見覚えがある。
ハンバーグ作る時に削るやつ。
ナツメグ?
いや、違うよ。
ビートル?ナッツ。
一枚口に入れた。
とても香りがよいけどいつまでも溶けもせず喉に落ちてもいかず。
食べ物?
物理的には限りなく木片、食べ物として認識されないので口の中でもはもはして大騒ぎ。
後から内緒で口をゆすいだ(やっぱりどうも食べないらしい)
その後も丁子だのカルダモンだの、よくわからない朝顔の種子みたいなのが回ってきた。
ガムやミントよりいいにおい。
これは石灰?と一緒だと真っ赤になるとか歯が溶けるとか。
はあ、そうなんだ。
それは、檳榔樹。
びんろうじゅ
久しぶりに会ったマユちゃんはくるくる働いてて忙しく、ゆっくり話したのは最後の方になってからだった。
スケジュールを回す係のマユちゃんは一瞬悩んでもぱっと決断して、何か聞くとそうですねあはははと笑っていい感じだった。
一年前は二人とも思うようにならない身体にジタバタと苦労して余裕がなく、ちゃんとお互いに向き合ったのは今回が初めてだったかもしれない。
別れる前に私の願いを聞いて、マユちゃんが去年オープンしたサロンに連れて行ってくれた。
大きな二階建て、一階はおしゃべりとお手当てのサロン、2階はまだ空っぽでこれから考える。
スペースがたっぷりで、これから何をしようかなという空間が一軒分。
いいなあ。
マユちゃんはいい感じで動いていた。