朝、階段をとんとん降りてくる足音と一緒に、調子のいい口笛が近づいてくる。
バタンとドアが開いて「寝坊したー!」と娘。
「じゃあ送ってあげるから早く支度しな」
「ありがと!」
口笛が聞こえるとうれしい。
昔この家には悪夢にうなされる悲鳴が聞こえていたから、口笛ならどんな馬鹿な歌でもうれしい。
しかもこの娘は「いってきます」と出かけていくのだ。
外になんて出られなかった娘なのに。
「いのちのきけん」があって会えないことも
ただの会話すらできないこともあったのに。
「普通の人が普通にすること」だったとしても
そんなこと全然関係ない。
こうやって育っていく子どもたち、みんな、私には勇者に見える。
今は苦しんでいる子どもたちもみんな、助けようとしている親もみんな、私には勇者に見える。
バタンとドアが開いて「寝坊したー!」と娘。
「じゃあ送ってあげるから早く支度しな」
「ありがと!」
口笛が聞こえるとうれしい。
昔この家には悪夢にうなされる悲鳴が聞こえていたから、口笛ならどんな馬鹿な歌でもうれしい。
しかもこの娘は「いってきます」と出かけていくのだ。
外になんて出られなかった娘なのに。
「いのちのきけん」があって会えないことも
ただの会話すらできないこともあったのに。
「普通の人が普通にすること」だったとしても
そんなこと全然関係ない。
こうやって育っていく子どもたち、みんな、私には勇者に見える。
今は苦しんでいる子どもたちもみんな、助けようとしている親もみんな、私には勇者に見える。