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続・東京週末周遊記③市民講座編

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 1時開始より、20分ほど余裕をもって会場へ。空いていたので最前列に座る。会場の入りは6割弱ってところかな。後で主催者が150人くらいの入りで、参加者に配る青いカーネーション↓(遺伝子組み換え技術で開発)を250本用意していたって言ってたからね。



 会場で市民講座のタイトルと同じ『救え!世界の食糧危機 ここまで来た遺伝子組換え作物』(化学同人)が1470円のところ、1200円で販売されてたので、さっそく買う。

 報告は全部で7本。遺伝子組み換え技術が食糧増産につながり、自給率を向上させる、ゴールデンライスなどビタミン強化という、サプリメントとしての効果を作物で実現させる試み、土壌細菌を使った生物農薬(いわゆるBT剤)の悪評(毒素入り)への反論、除草剤耐性作物の安全性の解説、不可能の代名詞・青いバラを開発したサントリーの報告など、とにかく各報告の密度が濃いbikkuri



 質問の応酬もかなり専門的なものが多く、参加者も大学教授、農水省などの官僚、企業の研究者ってところだろうか。女子学生の姿も目に付いたけど、理系の大学かな?などと思ったりする。

 バイテク情報普及会が後援してることからも、日本モンサントなどのバイテク企業の関係者も当然来ているはずだ。生協関係者はどうだろう?まぁ、日生協はともかく、単協の一職員で自費で来ているようなモノ好きは、僕以外、まずいないだろうなぁbe



 反対派の姿は見えない・・・いるのかもしれないけど、それらしい質問は一切出なかったし、講座そのものは時間は若干オーバーしたものの、整然と終了。

 感想を言わせてもらうとね、市民講座というものの、あまりに難しすぎる。理系の研究者だったら、理解は出来るんだろうけど、“花粉症治療を可能にする組み換え米”の報告なんて、最初から最後まで全然わからなかったhekomi

 遺伝子組み換えに対して、多少の予備知識を持っていても、あれは無理だよ。反対派は良くも悪くもわかりやすい(どこまで本当に理解しているかは別にしても)説明で、訴える。

 遺伝子組み換え技術の安全性の解説をもっと丁寧に、従来の品種改良の技術とどう違うのか、延長線なのか、そういった初歩的な“不安”について触れてほしかった・・・というのが正直なところだね。



 ただ、それを割り引いても、今の遺伝子組み換え技術の進歩の最前線をまとめて聴くことが出来たという点では、大満足niko

 特にハワイのパパイアの被害を救った組み換え技術の教訓は聞いてて正直感銘したよwink。「企業の種子支配」、「種の壁を超える神への冒涜」・・・というおぞましい組み換え技術反対論とは対極の真摯な研究者の取り組み。

 問題はある。でも、遺伝子組み換え技術は、科学の進歩の一つとして評価されるべきだ、って僕は思う。それを確信できただけでも、この市民講座に参加できて本当に良かった、と思ってるんだ。

 晩飯は日テレ地下の汐留らーめんで。うん、スープの味は独特で長野にない味。結構いけるね、これ。

 帰りの新幹線で晩酌beerしながら帰る。体重計の結果が心配だ・・・hi

関連サイト
地球環境・食料・資源のための植物バイオ第160委員会(主催者)
サントリー、政府許可を得て2009年に「青いバラ」発売へ(日経トレンディネット)
サントリー「青いバラ」のカルタヘナ法に基づく承認について(リリース)
シンジェンタCEOの、遺伝子組み換え小麦についての発言(松永和紀blog)

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コメント一覧

haikyotansaku
栄養学的なことは、また勉強してみます。ビタミンA欠乏云々は、確かに推進派の側だけから出てきている情報なんで、それ以外の細かい情報は検索しても出てこないんですね。

会場で質問したかったのは、特許を無償公開したとして、どうやって貧困層を具体的に支援(食べさせる)出来るのかってことですね。特許を公開しただけでは、米は行き渡りませんから。
報告者が学者先生なので、その辺の細かい事情はご存じないかもしれませんが・・・
「日本はたくさんの食料を捨てているにも関わらず」餓死者はいる。
確かにそうです。その処方箋の一つとしてフードバンクが機能していますが、それには以前の日記で疑問を呈しました。
確かに善意であり、救われる人もいるのですけどね。一部の生協が、この問題に関わっています。その点を含めて<格差社会と生協>をテーマに一度書きたいと思っています。

ちょうど今、湯浅誠氏の『反貧困』(岩波新書)を読んでいるところです。それでは。
もこみち
まあ、あまり突っ込みしすぎてもしんどいので・・・
ただし、栄養学的にはビタミンAのみ追求するのは危険だよって言いたいの。また貧困層はそのゴールデンライスでさえ食べられないと考えるのが自然ではないの?
日本でもおにぎりすら食べられなくて死んでいった人もいるよ。日本はたくさんの食料を捨てているにも関わらず。これが貧困っていうものですよ。
haikyotansaku
むろん、ビタミン剤などの援助というのもすぐにできる施策でしょう。要は様々な取り組みの組み合わせで人道的支援は成立するのではないかと。

「大手バイオ産業がこぞってゴールデンライスの「人道的」側面をアピールしています。そのアピールの裏に、遺伝子組み換えのイメージ向上のための道具として貧困や栄養不足が使われている気配があまりにも濃厚です」という批判があるにしてもです。

今、答えられるのはここまでです。回答になってますか?
haikyotansaku
鋭く突っ込んで来ましたね~。モンサントからゴールデンライスに視点が変わってきたので、正直、正面から答えられるだけの用意はないもので、不十分ながら書こうかと…

ただ、その前に長々とコメントして言いたかったのは、遺伝子組み換え技術が、バイオ企業の食糧支配の道具という面だけではない(企業が利益を追求することは当然であるとしても)、真摯な取り組みがある、ということを今回の講座で知ることができてとても有益だった。技術の進歩は肯定されるべきもので、日本が積極的に組み換え技術の開発に関わっていくことは賛成だ・・・ということであるわけです。

その良い例としてパパイアとゴールデンライスを取り上げました。

さて、ゴールデンライスについてです。まず、ビタミン欠乏で餓死してるわけではありません(その辺誤解される記述があれば、訂正します)。子どもたちの死亡原因は欠乏によって麻疹や下痢に対する抵抗力を弱め、失明、さらに欠乏症に関連する病気で死亡していると言われています。

東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど発展途上国の<貧困層>は副食によるビタミンA摂取が難しく、“必要なβーカロテンを主食とするお米からほとんど摂取しなければならない”という現実に照らせば、現在改良されているゴールデンライス2は、一日に必要なビタミンA摂取量のほぼ半分をまかなうことが可能になっている、と言います。

そういう点でゴールデンライスは人道的な観点から見ても、緊急課題として取り組むべきものではないでしょうか。

貧困層は副食によるバランスの良い栄養摂取が出来る人たちとは違うのです。

もちろん、ゴールデンライスは、緊急避難的なものであって、貧富の解消は、当然国家レベルで取り組むべきもので、もこみちさんの言うような取組みで「全体の所得をあげることで貧困の根本を脱することができ、栄養学的に基本である多くの種類の食べ物を食べることができるようになる」べきものでしょう。

繰り返します。ゴールデンライスは緊急避難的な措置で、人道的に取り組むべき価値のあるべきものであると思っています。(続く)
もこみち
それと、餓死者の死亡原因はビタミンA不足なのか?ちがうでしょ。
もこみち
何か勘違いしてるな~
ビタミンAの多いお米が食糧危機を防ぐのでしょうか?「失明を防ぐのは必要だ」と言うのかな?じゃあ、その貧困の食生活にゴールデンライスたっぷりで健康的でいられるというなら大間違い。
多くの栄養学者が賛同しているというよりは、最低限の最低限のレベルを維持するものといった感じでしょう。ビタミン、ミネラルはそれぞれ多くの種類があり、どれも生きていくために必要なもので、Aだけ取れたらという風潮になってもらっても困る。
それよりこの問題でなんで普及に時間のかかることをやっているのか?先進国が援助し現地でマルチビタミン剤をなぜ安価で作り配布しないのか?これならすぐにでもできること。
僕の期待する遺伝子組み換えは、現地の経済を潤す商品価値が高く、生産性の高いものを無償提供し、先進国が優先的に購入する。日本のMA米にお金あれだけドブに捨てるなら実現可能。全体の所得をあげることで貧困の根本を脱することができ、栄養学的に基本である多くの種類の食べ物を食べることができるようになる。
ゴールデンライスの発想も結局「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と変わんないな~。ゴールデンライスではいつまでたっても野菜や肉が食べれないね。
haikyotansaku
http://blackshadow.seesaa.net/article/113593203.html
まず、この「救え!世界の食糧危機」というタイトルは今回の市民講座の内容からすれば大袈裟だろう・・・というのが率直な感想ですね。
実際には「遺伝子組み換え作物開発の最前線」とでもすれば良い内容で、7本の報告のうち、食糧増産に関するものは最初の「もっと発揮できる植物生産力」だけですからね。

GM作物に対する批判には、企業の種子支配や生物多様性を脅かす、というものがあるわけですが、シェア拡大・独占への志向というのは営利企業というか、資本主義の原理という面では必然ですね。そういう企業が“食糧危機を救う”みたいなスローガンを掲げるのはちょっとな、という気持ちはあります。

市民講座では発表者が研究者ですから、モンサントの「モ」の字も出ませんでしたが。

ただ、遺伝子組換え技術が営利目的だけで開発されてるのでないのは、本文でも触れたハワイの遺伝子組換えパパイアのケースが良い例になります。

開発されたウイルス抵抗性パパイア「レインボウ」の種子は生産農家に無償で配布されました。

また、ビタミン欠乏症の子どもを救うとされるゴールデンライスの特許は無償公開されています(この点を会場で詳しく聞きたかったので質問しようと思ったのですが、会場の議論のレベルの高さに圧倒されて機会を逸してしまいました)。必ずしも企業によって技術が独占されたり、特許でがんじがらめになってるわけではないんですね。

遺伝子組み換えはモンサントだけの寡占状況でなく、多様な取り組みが、多くの研究者によってされているということを知っただけでも今回の講座は有益でした。

確かにモンサントだけに遺伝子組み換え技術が寡占化されていく状況は望ましくありません。そう考えれば、日本も遺伝子組み換え技術を積極的に開発していく。その必要性を世論に訴えていく必要があるんだろうな・・・と今回参加して思ったわけです。

モンサントが種子を無償か低価格で提供?それは無理でしょうね。もし、モンサントが同じような講座を開いてくれるなら、ぜひ参加して質問してみたいと思いますが(笑)。
もこみち
「救え!世界の食糧危機」というなら、種は無償か低価格、F1のものはNG(食糧供給の観点から不安定、モンサントが潰れたら、供給ルートが断たれたら種がないというのはリスクとして問題)だね。本当に食料を必要としている人々はお金もないからどんなに優秀な技術も高ければ意味がない。モンサントはこのような人々を救えるのであろうか?対価は払って頂くと言うのであればこのタイトルはいささかオーバーでは?
まあ、モンサントがそういう活動をするのであれば賞賛するね。
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