
さて、最近読んだ本や雑誌を走り書き風に。
震災問題では、各紙が一斉に増刊を発行。本屋に山積みになってるけど、とりあえず、経済誌の「週刊東洋経済」(3月26日号)と「週刊金曜日」(3月25日号)をセレクト。
反原発の立場をはっきりさせてる「金曜日」はともかく、経済誌が、原発をどう扱うのかにやはり目が行く。「東洋経済」ですら、原発政策の見直しは必至って書いてあるし、地震学者の東海地震への警告記事にはこうある。
「南海、東南海、東海地震という巨大地震の3連動は確実に起きる」
ここでは、地震だけに特定して原発に関しては言及がないけど、予測不能であった今回の地震と違って、(3連動の巨大地震は)“おおよその時期(著者は、40年までとしている)まで、予測できているほとんど唯一の地震”と書いている。

一方の「金曜日」は、最初の記事が、広瀬隆氏への取材。もちろん、「日本全国の原発を止めろ」って主張。つまり、日本全国が地震の活動期に入ってる中、そんな悠長なことは言ってられない。「計画停電」に惑わされるな、火力発電所が復旧すれば、日本の電力は、十分に余っている・・・って、四半世紀前の主張を繰り返してる。
その辺が僕にはわからないところで、現実の発電量と発電能力にどの程度の差があるのかってところが僕の本当に知りたいところ。火力でそれなりに余裕があれば、原子力に頼る必要はないんだし、穿った見方をすれば、計画停電自体が、原発容認論へ持っていくための世論誘導って見方にもなる。
とまぁ、書き始めればキリがないので次へ。
★廣宮孝信(解説・青木文鷹)『TPPが日本を壊す』(扶桑社新書 2011.3)は、基本的には、この問題の第一人者の中野剛志氏と論調は同じ。TPPは拙速、農業だけではなく、一部の大企業に恩恵は行くものの、国民の利益にならないってところを丁寧に解説していてわかりやすい。
メリットのある分野、デメリットを被る分野を項目ごとに取り上げ、TPP参加国それぞれの基本産業やデーターを紹介してくれてるのは実に有益。
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で、やっぱり関税ゼロを実現しても、そもそも加盟国の購買力がないこと、今後続くであろう円高によって、輸出産業を利益を得られず、労働の自由化で安い労働力が入って来ることで雇用情勢はより悪化。
自動車などは、現地生産したものを逆輸入することで利益を上げるだろうし、極端な話、非関税障壁の撤廃ということで、学校給食や教科書の副教材を外国企業が落札する・・・って可能性まで書かれてる。中野助教の『TPP亡国論』よりは初心者向けで読みやすい。
★篠原常一郎(監修・筆坂秀世)『いますぐ読みたい日本共産党の謎』(徳間書店 2009.9)も結構面白い。というか、この本を見つけたのは本当に偶然。筆坂秀世氏は、最後の対談に出てるだけなので、著者名より、大きく出てるのは、いささか引っかかるのだけど、知名度を考えればしょうがない。
乗りは、かつての『お笑い革命日本共産党』(テリー伊藤 著)をもう少し理論的にした中身だけど、共産党をウォッチしたい向きには、実に興味深い本。
何せ著者は筆坂氏の公設秘書を務めた上に、地方の党組織の経験も長い人物だから、いろいろなエピソードに事欠かない。
要は組織は官僚化してて、建て前と実態が違いすぎる。共産党員になっても何も良いことないよって、本である。身も蓋もない言い方しちゃうとね。ただ、良いところもちゃんと書いてあるんだけど。そうだねぇ、これは、本当に読者を選ぶ本だね、ホント。
