先日見たTV番組 『所さんの日本の出番』 という番組で
とっても感動したことがあるので、ご紹介します
以前この番組で紹介された、アメリカ人の 『包丁鍛冶職人』 の方がいて
その方、『カーターさん』 という方なんですが
日本の包丁と、その鍛冶職人に惚れこんで、その方に弟子入りして
10何年もその方のところで修行して、ついにはその鍛冶屋さんの17代目(だったかな?)
を継いでくれと言われ、後継者になった方なんですよ。
(今はアメリカで鍛冶屋さんをやって、弟子も何人もいます。)
そのカーターさんが、お世話になった方にご挨拶や、材料の仕入れや
若い弟子に日本人の仕事を見せてやるために、来日した姿を撮影した様子を
今週放送していました。
前回放送した中で、いかに日本の鍛冶屋さんの仕事がすばらしいか
というのを力説していましたが、残念ながら今の日本の若者は
鍛冶屋なんていう仕事は 『3K』 で、ほぼ仕事の選択肢にない。
というようなことをおっしゃっていました
という放送を見て、なんと日本の若者が興味を持って
鍛冶屋の仕事をしてみたいという人たちが、テレビ局か、カーターさんのところへか
連絡が行ったそうで、カーターさんは 「来日最後の日に成田空港の喫茶店で会いましょう。」
と、連絡をくれた若者たちにメッセージを送ったのだそうです。
はたして誰か来てくれるのか?
と思っていたら、3人の若者がやってきました。
中学生と高校生と23歳の若者。
中学生と高校生はけっこう遠いところからだったと思います。
みんな熱い想いでやって来ただけあって、真剣にカーターさんの話に聞き入っていました。
なんだか見ているこちらもうれしくなってきました。
こんな熱い思いを持ってる若者達が日本にまだいるんだと思って。
そしてカーターさんが言うには
「もし本当にやる気があるならぜひ、アメリカの私の仕事場へ見に来てくれ。」と。
カーターさんの技術を学ぶのに確か1週間で60万円って言ってたと思うのですが。(それもびっくり!)
「その費用はただでいいです。 でも、交通費、宿泊費、食事代や諸々の費用は自分で出してください。
誰かが出してくれたお金で学ぶのと、自分で苦労して貯めたお金で学ぶのとでは、真剣さが違います。
これだけ苦労したお金をはたいて学びに来てるのだから、なにがなんでも、ものにして帰ろう。と思うはずです。」
いや~、すごい! カーターさん
あたりまえのことなんですが、その言葉に感動しました
そうなんですよね~。
私たちの仕事の講習会も、無料の講習会と有料の講習会があり
無料の講習会はなんか私語が多かったり、真剣に勉強しようと思ってるのかな?
なんていう態度の方も見受けられるので、本当に自分でお金出さないと真剣になれないっていうのはありますね。
もう本当にカーターさん、日本人より日本人らしい心を持ってらっしゃるんですよ
でも、こうも言ってました。
「苦しい修行を終えて、自分で仕事をするようになったら、いい暮らしをするようにしなければならない。
それを見て、また若者が憧れるようになり、自分もこの仕事をして成功したいと思うようなる。」
そうなんですよね。
そこが日本の職人の弱いところというか、一生懸命すばらしい仕事をしてもたいして豊かにならないというね・・・。
なんなんでしょうか? この違いは?
日本では職人がすごく低く見られてるというかね・・・。
このままじゃ、どんなにいい仕事をする職人さんがいても、後継者も現れないし
その仕事自体なくなってしまう。
世界中から大絶賛されている日本の 『ものづくり』 が廃れてしまう
国をあげてなんとかしないと、どんどんいい職人さんがいなくなってしまうし
そして、私たち消費者自身も、いいものを見る目を養っていかなきゃならないと思います。
ついつい安い品物に目が行ってしまい、まあこれでいいかって安物を買ってしまう。
もうそろそろ考え直さなきゃいけないですね。