ヘルにもこいのぼり

　薫風の季節とは、初夏のことですね。
風薫るとはよく考えた言葉で、青葉若葉の新緑が
風に乗って爽やかな香りを運んでくれている、
そんな清々（すがすが）しさを感じさせる季節でもあります。

最近、少なくなりましたこいのぼりのある家庭、
核家族の影響や若い世代がアパート、マンションなど
集合住宅で暮らす世帯が増えてきたからでしょうか。
それでも市内を車で走っていますと、庭先でカシャカシャ
忙しく滑車が回っているような音を聞くこともあります。
天を仰ぎますと、なるほど。大空になびいてますこいのぼりが。
悠然とそして爽やかに。



少ない数ではありますが当館玄関前にもお目見えしました。
毎年、施設係が３階の浴場ベランダからロープを下ろし、
玄関前の大きな柱にくくりつけ、なびかせてます。

厄介なのは、ロープに直接くくりつけていますので、
うまく風に乗りません。付近で風が舞ったりすれば、
のぼりが巻きついてしまうという欠点があります。
その度に施設のSさんは、ロープを外して絡まった
のぼりをぐるぐる回しながら巻きつけを取り、
真っ直ぐにのびたのぼりを確認してまた柱に。

新たな仕事が増え、この作業も大変ではありますが、
これも連休中に訪れる子どもたちや家族に、
季節感を味わっていただこうとする気持ち的なもの。
健やかな成長を願いつつ、夢を与えるような
日本の善き習慣は続けていきたいと思います。