
昨日午後4時半頃、当社利用の一人の中年男性が
団子を両手で包んでいるようにしながら
フロントの女性に近寄ってきました。
すると「これが玄関前に倒れててましたよ」と。
やさしく話しかけ、そっとフロントKさんに
包むようにして手渡しました。
まるで壊れ物が中に入っているかのように。
Kさんは少し引き気味でしたが、
男性の手からそのままそれを包むようにして受け取りました。
中には一羽の小鳥が。大きさはスズメ程度、薄いグレー系の鳥、
そういえばこの色ウグイスに似たような。
それで、鳥類図鑑にあるウグイスを調べてみました。
色といい大きさといい、似ている。
唯一違うかもしれないと思うのは
「ホ~ホケキョ」と鳴かないこと、この一点だけ。
どうしてまた小鳥が玄関前に、
その男性は「玄関先のガラスが透明で目に入らなかったのでは」と。
時々あります、当社でも鳥が“昇天”するケース。
飛んでいるそのままのスピードでくちばしからもろに激突。
くちばしから血を流し、目を閉じて。気絶程度なら安心しますが、
様子をしばらく見て息を吹き返すことがなければ、
残念ではありますが近くの花壇に埋めてあげます。
今回のケースは足は伸びてだらっとはしてましたが、
目は開き、体温もある、生ける、生けそう。
気絶しているだけかも。女性陣が衣類入れの大きめのかごを逆さにし、
その中にそっと入れてみました。
最初は微動だにしませんでした。やがてその鳥は息を吹き返し、
ぴょんぴょん、かごの中を飛び回るように。
「ちょっと来てください」ともう一人のフロントKさん、
行ってみると元気に飛び回っているではありませんか。

みんなが騒がしかったから気を取り直してからは
“死んだふり”をしていたのかも、
きっと気持ちが通じたんだとか、思い思いに考えながら
慌ててかごの中に水を入れ、ある者はみかんを何房か入れて
水分or栄養補給、その頃にはすっかり元気に。
預かってきたKさんにその様子を見てもらうと、
笑顔で戻ってきて満足気な様子。
かごから出して手に移そうとすると、そこは警戒心旺盛な鳥のこと、
人間が入れば逃げるが本能。遂にはかごからするりと逃げ出し、
フロント裏のリネン室で飛び回る始末、
素手で取ろうと掴みにかかるKさんに
「無理無理、相手は羽のついた動物」
「網を持ってきて」と指示、すると簡易的に口の狭いビニール袋を
旗の付いていたスティックの先に付け「これでどうですか」と。
「甘い、そんな口の狭いので入るわけない」とややあきれ気味の私。
次いで持ってきたのは、リネンバッグ。「これでどうですか」と。
「えっ、それで」内心無理無理と思っていた私、
「見てて」と自信があったのかもしれません。
棚の上に逃げていた“ぴょんチャン”を下からすいと
かぶせて見事捕らえました。
「才能あるヮ」と素早いテクニックにビックリ。
うまく手の中に包みなおし、そのまま外に出て、
手を開くと何も無かったかのように大空に飛び立っていってしまったとか。
「そんなもんじゃが、小鳥に期待はできないし」って私。

※この写真は鳥類図鑑のウグイス写真より引用、
棚の上にいる鳥と比べてみて下さい。
ウグイスと言われればウグイスのような
最近、落ち込んでいたKさん、
ちょうど気分転換になって良かったかも。
近々「ツルの恩返し」ならぬ「ウグイスの恩返し」あるかもよ。
期待せずに待ってていいかも、きっと幸運が舞い込んでくるかも・・・。