平和党http://www.heiwatou.jp
これまで、板垣自由党から現在の自公政権まで延々と述べてきたのは、一つのつながりが戦前で終了し、戦後の第二期が現在まで繋がっているということである。したがって細川政権の誕生によって一時的に自民党が下野したが、細川・羽田内閣も自民党竹下派の中枢部であった新生党が中心となってとりしきっていたわけであるし、その後の連立政権も自民党とその他の小政党による補完で成立してきた資本主義政権である。戦前は「国家」が主要なテーマであり、戦後は「市場」が主要なテーマとして議論され、そのための政治闘争や離合集散が繰り返されてきたのである。
ここまでまとめると戦前の政治は
薩長藩閥民党派(板垣自由党・大隈改進党)
長州・伊藤博文+板垣自由党大隈改進党
薩摩・松方正義+大隈進歩党板垣自由党
薩長藩閥憲政党(板垣・大隈連合)
藩閥官僚・山県有朋憲政党(板垣)・憲政本党(大隈)
伊藤博文+板垣自由党=立憲政友会憲政本党
長州閥(山県有朋・桂太郎)vs立憲政友会(伊藤博文・西園寺公望)憲政本党
長州閥(山県有朋・桂太郎)vs立憲政友会(伊藤博文・西園寺公望)立憲国民党
元老山県有朋vs長州陸軍閥・桂太郎+国民党改革派(加藤高明)=立憲同志会薩摩海軍閥・山本権兵衛+立憲政友会vs立憲国民党(犬養毅)
立憲同志会・大隈重信立憲政友会
立憲政友会・寺内正毅憲政会(加藤高明)
立憲政友会(原敬、高橋是清)憲政会(加藤高明)
海軍(加藤友三郎・山本権兵衛)立憲政友会vs憲政会vs革新倶楽部
元老山県有朋(清浦奎吾)+政友本党憲政会(加藤高明)+立憲政友会(高橋是清)+革新倶楽部(犬養毅)
憲政会(加藤高明、若槻礼次郎)立憲政友会(高橋是清、田中義一)
立憲民政党(浜口雄幸、若槻礼次郎)立憲政友会(田中義一、犬養毅)
斎藤実+立憲政友会+立憲民政党
岡田啓介+立憲民政党立憲政友会
官僚・広田弘毅+立憲政友会+立憲民政党vs昭和会
軍部・林銑十郎+昭和会立憲政友会、立憲民政党
軍部(平沼騏一郎、近衛文麿、阿部信行、米内光政)民党派
軍部・官僚(近衛文麿、東条英機、小磯国昭、鈴木貫太郎)+大政翼賛会・大日本政治会翼賛非推薦
というのが、大まかな政治対立の図式であり、これは最終的には太平洋戦争での敗戦と貧困を生み出した。軍事力を奪われた我が国は、以後、市場経済に主眼をおき戦後では、
日本自由党(鳩山一郎)+日本進歩党(町田忠治)
日本自由党(吉田茂)日本社会党(片山哲)・民主党(芦田均)・国民協同党(三木武夫)
吉田茂鳩山一郎
自由民主党日本社会党
田中角栄・大平正芳・中曽根康弘福田赳夫・三木武夫
竹下登・金丸信・小沢一郎
新生党+公明党・日本新党・さきがけ・社会党vs自民党
新生党+公明党+日本新党(社会党+さきがけ)+自民党
自民党+社会党+さきがけ新進党
自民党+社民党+さきがけ新進党vs民主党
自民党民主党・自由党・公明党・社民党
自民党+自由党民主党・公明党・社民党
自民党+自由党+公明党民主党・社民党
自民党+公明党+保守党民主党・自由党・社民党
自民党+公明党民主党・社民党
となっていき、現代の政治は大きな政府と小さな政府の対立軸のほかに、軍事力を伴う国際貢献にどれだけ加担するかということに主題がおかれている。
われわれが第三期にはいる場合、国家でもなく、市場でもない、新たなメインテーマを掲げなければならない。国家は競争によって戦争を引き起こした。市場もまた競争によって環境破壊を引き起こした。だから「競争から脱却」することが重要である。そのメインテーマとは「生命」である。つまり「物質」に主眼を置く西洋思想政党と、「精神」や「生命」に主眼を置く東洋思想政党が必要となってくるのである。戦前・戦後を通じて言えるのは、一貫して西洋思想の政党であるということである。戦前は、右翼的な傾向から、精神性が高く論じられたのではないかという気もするが、国粋主義自体が西洋思想による舶来ものなのである。
戦前・戦中は鬼畜米英といって罵ってはいるものの、日本人の行動は所詮、いかにして西洋の科学技術を身につけるかということでしかなかった。大東亜共栄圏の実現といいながらも、武装した方法は西洋伝来のものであり、日露戦争は日本刀だけでロシアに勝ったわけでもない。
戦後は、明らかにアメリカに追随することが、幸福の手段であるという考えが、日米安全保障条約を堅持することは当然であるとか、アメリカ型の弱肉強食・自然淘汰の市場経済が正しいという考えに結びついている。
福沢諭吉は「脱亜入欧」と言ったが、現代においては「脱米入亜」をしなければならないときにきている。