山の頂から

やさしい風

≪福寿海無量≫

2009-01-12 23:43:11 | Weblog
 
 『観音経』の中に「福寿海無量」の一句がある。
これは観世音菩薩の功徳は、
「福を聚めた大きな海のように量に限りが無い」という意味である。

 唯、その功徳は計り知れず深く大きいだけに、
齎されるものは私たちにとって必ずしも好ましい結果ばかりではない。
愛するものとの別れや顔をあわせるのも嫌な人との巡り合いなど、
長い人生の中で起こるさまざまな苦悩や困難、
それらも全て観世音菩薩の功徳であると云える。

 何故ならそれは私という人間に人生の奥深さを知らしめ、
より人間的・精神的に成長させるための方便だと云えるからだ。
失敗を成功へのばねにし不幸や不遇を転じて、
幸福や勝利に結びつけようと努力する人にこそ観世音菩薩は微笑む。
人生は心がけや見方次第で「福でいっぱいの海」になりうるのだ。
と、ものの本に書いてある。

 「何だか一日中泣けちゃって・・・」
昨夕、母が言った言葉が気になった。
無理もない、昨年の今日は両親にとって9番目の孫娘の成人の祝いだった。
その数ヶ月後に父が逝ってしまったのだから。

 独りでいる時間が多くなった最近の母、
恐らく、色々と思い出が過るのだろう。
切なくて寂しくて泣いてしまうに違いない。

 人間は何て孤独な存在なのだろうと、最近つくづくそう思う。
そしてその孤独の中に、どっぷりと浸かる自分を見つめる自分がいる。
昨夜に続き、今夜の月の見事なこと!!
そしてこの、孤独でありながら喩ようのない幸福感は一体何?
これこそが、≪福寿海無量≫か。 
ああ、観世音菩薩様~~

 どうやら疲れはピークに達したのかも。
寒さが‹お脳とハート›に異常をきたしたのだ。