日韓関係悪化の元凶は「韓国司法」の“非論理判決”…三権分立が機能しない非法治国家・韓国の“異質”と“異常”
産経
2013.7.26
戦時中に日本で徴用された韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に未払い賃金などを求めた訴訟で、ソウル高裁が同社に対し1億ウォン(約880万円)ずつの賠償を命じた。
韓国では同様の訴訟に加え、新たに日本企業を提訴する動きもあるというが、そもそも今回の賠償問題は50年近くも前に解決済みの話。
そのうえ、今回の判断に至るまでの「韓国司法」の論理は破綻気味だ。韓国司法は政治や世論、社会のムードに流されやすく、今回の判断も慰安婦問題が根底にあるとされる。
司法という理性を失った国家のありようこそが、日韓関係を悪化させている原因ではないか。
「完全かつ最終的に解決された」問題
今回の訴訟は戦前、日本製鉄(新日鉄の前身)での作業に応募し、日本に渡った男性(90)らが約束と異なった過酷な労働を強いられたとして訴えた。
ソウル高裁は判決で「日本製鉄による募集、強制労働は、日本政府の朝鮮半島の不法な植民地支配と侵略戦争遂行に直結した反人道的な不法行為」と認定した。
日本政府は、男性らのような戦時徴用で日本にいた韓国人の賠償請求権について、昭和40年の日韓基本条約の付属文書である日韓請求権・経済協力協定で消滅したとの立場だ。
確かに協定には、日本が無償供与3億ドルと政府借款2億ドルなどの経済協力を約束した上で、両国とその国民(法人を含む)の請求権に関する問題に関しては「サンフランシスコ講和条約に規定されたものも含め、完全かつ最終的に解決された」と明記されている。
約50年間、そのことに異議を唱えたわけではない。韓国政府も了解済み、解決済みの話なのだ。
その上、男性らは平成9年、新日鉄と国に対し、謝罪と未払い賃金、慰謝料などを求めて提訴したが、大阪地裁で1、2審とも請求を棄却されている。
「理性」はどこに行った
「完全かつ最終的に解決された」にもかかわらず、韓国最高裁は昨年5月、協定締結によって原告らの請求権が消滅していないとの判断を示した。
その理由について「協定はサンフランシスコ条約に基づき、日韓間の債権債務関係を政治的に合意したもので、植民地支配に対する賠償を請求したものではない」と指摘。
日本側が「植民地支配の違法性を認めていない」ことを問題視した。
簡単に言えば、韓国司法が「植民地支配は違法」という論理を振りかざして、国家間で解決済みの話を、反故(ほご)にしようとしているだけのことだ。
韓国の裁判所がこうした判断を示すようになったのは一昨年夏のこと。
憲法裁判所が元慰安婦の賠償請求に関し、韓国政府が具体的措置を講じてこなかったのは違憲だと判断したことが契機だ。
韓国政府に問題があるにもかかわらず、慰安婦問題という“世論”に押され、それが社会のムードと相まって、反日的な司法判断を連発する。日韓関係が冷却化していくのも当然だろう。
それは今回の判断に限ったことではない。
例えば、今年1月には、ソウル高裁が靖国神社の門に放火した中国籍の男を一方的に「政治犯」と認定し、日韓犯罪人引き渡し条約に基づく日本側への身柄引き渡しを拒否した。
2月には、韓国の地裁が長崎県対馬市の寺から盗まれ韓国に持ち込まれた仏像の日本への返還を差し止めた。
いずれの判断も、正常な理性が働いているとは到底思えない。
救いようのないチンピラ
「立法権」を国会が、法律に基づく「行政権」を内閣がそれぞれ持ち、そして法律に基づく「司法権」を裁判所が担う。
互いを監視し、権力の行き過ぎを改めるのが三権分立だ。それは民主主義国家の基本だろう。
50年近くも前に合意した協定の存在を今になって否定し、独り善がりな判断を示すのは、権力の行き過ぎと言わずして何と説明するのだろうか。
韓国司法が三権分立のひとつの脚として成り立っていないのは明らかだ。
韓国最高裁の判断後、菅義偉官房長官は冷静に、こう批判した。
「日韓間の財産請求権は完全、最終的に解決済みだ」
日本人の感情を逆撫(な)ですることだけを考えているとしか思えない韓国司法のありよう…。“理性”を失った国は、チンピラ同然。救う術もない。