勝又壽良の経済時評
2014年9月9日
中低級品はコピー対象
一部抜粋
韓国紙『朝鮮日報』(9月9日付け)は、コラム「巨大な中国市場に隠された罠」を掲載した。
① 「中国市場に最初に参入する外国企業は、安易に考えるものだ。
13億人の巨大市場に対し、中国企業の規模や技術力はたいしたことがないと感じるからである。
そのため、容易に市場を掌握できるという錯覚に陥る。
しかし、参入後になって『罠』にはまったことを悟る。
いつの間にか技術をコピーした中国メーカーが、価格競争力と流通網での優位を生かし、猛追してくる。
多くの欧米、日本企業がそうした罠を経験し、韓国のサムスン電子、LG電子も例外ではなかった」。
中国が、「コピー文化」であることを警告した記事である。
本物以上のニセ物づくりという、驚くべき「精巧な技術」を持っている。
それが、偽らざる中国の姿である。
普通であれば、模倣技術をベースにしてオリジナル製品を作り上げるもの。
そのオリジナル製品が存在せずに、なぜコピー製品の製造に血眼になるのか。
海のものとも山のものともつかぬ研究開発に、資金を投入することが「あほらしい」と思う。
そういう経済倫理構造になっている。確実に採算が取れる。こうした保証がない限り資金を投入しないのだ。
日本の有名化粧品会社が、中国で日本の化粧品を販売している。
その中に、「ニセ物」が混ぜられているものの、余りにも「精巧」すぎて見た目には本物と偽物の区別がつかず、放置されているというのだ。
ここまで、ニセ物が精巧な作りになると、摘発はきわめて難しくなる。
前述の「後発国の優位性」とは、こうした「コピー文化」の存在を前提にしない限り、解釈不能な話しであろう。
GDP世界2位になった中国が、憶面もなく「後発国の優位性」を持ち出しているところに、この国家の限界を強く感じるのだ。
オリジナル製品指向が存在しない社会とは、先進国にとって仰天すべき事実に違いない。
② 「外国企業が、高い授業料を払って学んだ重要な事実の一つは、高級品市場で争うべきだという点だ。
それ以下のクラスでは、既にかなりの力を備えた中国メーカーと競合するのは容易ではない。
サムスン電子は第2四半期(4~6月)の営業利益が大幅減益となったのに続き、第3四半期(7~9月)にはさらに業績悪化が予想されている。
業績が悪化した理由は、中国市場の不振である。
2年前にノキアが没落し、中国の携帯電話市場で首位に立ったサムスン電子は、その座を守らなければならない。
そういう強迫観念から、それまでのプレミアム戦略を見直した。
シェア拡大に向け、10~20万ウォン(約1~2万円)の中低価格機種を大量に中国市場へと投入した。
昨年は好業績だった。今年は、反撃に出た中国メーカーとの激しい競争により、多額のマーケティング費用を投じざるを得なかった。
それで収益性が大幅に低下した。『中国市場で首位』という甘い誘惑の代価は大きかった」。
サムスンの主力製品であるスマホは、中低価格品が中国の現地メーカーに追撃されている。
これが、サムスンの経営戦略を狂わせており、今年7~9月期も連続4期の減益決算を余儀なくされる背景になっている。
このサムスンの思わざる「失敗」は、中国市場でシェアトップという甘い夢に酔った結果だとしている。
中低価格品では、簡単に中国メーカーに技術を模倣される。
中国市場では、技術を模倣されない高級品で勝負すべきだとしている。
確かに、技術模倣という形での「後発国の優位性」確保は限界がある。
高級品で中国市場へ乗り込めば、とても模倣はできない。中国企業の太刀打ちは不可能である。
掲載者コメント
朴槿恵は中韓自由貿易協定を締結、中国市場で日本より優位に立てると得意満面であったが、実際は価格の安い中国に自国の市場を荒らされ貿易収支でも黒字どころか赤字続きである。
経済音痴で国を危うくする。
問題は朴槿恵の思いつき外交をチエックする人物がいない事である。
優秀な人材がいても観念的外交(反日政策がいかに国益を損ねるかアドバイスできないことである。)が優先される。
外交は観念的なイデオローギするもでない。
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