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韓国の家計負債構造の問題点

2015年12月31日 09時21分21秒 | Weblog

韓国の家計負債構造の問題点

青空のブログ

2015-12-31

韓国の家計負債は制御できず遂に1100兆円を突破し増加傾向に歯止めはかかっていません。

 

年間10%近く増加を続け深刻です。

 

この問題は韓国経済の存続性をも揺るがす可能性が高い。

 

負債増加が景気動向、財政、為替よりも深刻なのは根本的には借主が適正水準まで負債圧縮しないと解決できない為です。

 

しかし借主が個人、法人の場合破産や高齢化により返済不能リスクがついて回ります。

 

その場合金融機関が不良債権処理のため莫大な損失が発生すること、借主は破綻者として以後経済活動が長期間不可能になり、産業規模、生産可能労働力の大幅低下を併発させます。

 

金融機関が不良債権処理を利益や積み上げた自己資本で吸収できなければ金融機関は破綻します。

 

その場合、預金者の預金消滅と株価消滅もしくは同規模の公的資金導入(増税)を国民は甘受しなければならなくなります。

 

預金株式蒸発も税金による公的支援も実質同じです。

 

金融危機以前でも徐々に元金返済圧力が高まります。

 

可処分所得の返済充当割合が上昇し消費、投資が抑制され経済規模が縮小、つまりデフレになります。

 

危機時と危機後も金融再建の為長期間消費、投資が縮小するわけです。

 

日本を含めた金融危機事例が証明してます。

 

韓国は14年8月に住宅ローンのLTV(必要資金総額に占める借入比率)と

 

DTI(返済負担率:年収に占めるローンの元利金返済が年収に占める割合)

 

の規制緩和し住宅賃貸保証金(チョンセ)の高騰も相まり住宅担保ローンの利用が急増しました。

 

第1四半期の銀行の住宅担保ローン残高は10兆ウォン増え、過去最大の拡大。

 

しかし新規住宅担保ローンは70-80%は利息のみを返済する形態です。

つまり残高が減りません。

 

利払いのみの住宅ローン選択者の70%以上は変動金利で金利上昇時、影響が直撃します。

 

住宅担保ローンの利用者の資金目的は住宅購入費用だけでなく、教育費、生活費など様々な用途のようで実質赤字資金です。

 

韓国では元金据置き期間が満了し元利返済が開始されると、他の銀行の住宅担保ローンに乗り換え元金返済を先延ばしするケースが大多数のようです。

 

個人のローン残高は拡大し史上最多の1100兆ウォンを超えたということがわかる。

 

韓国で住宅ローン利用者が恐怖感なく借入を増加させる背景は、

 

借主は借入で必要資金を賄い、住宅価格上昇段階で売却し差益を得て返すという成長時代の思考を持っているためです。

 

しかし住宅価格の暴落や失業などの危機が訪れた場合、対処策がまったくない。

 

韓国の地価が既に東京に匹敵する点、不景気で大規模なリストラが増加している点から考えても結果は、不良債権の急増により最悪のものになることは予見できる状態です。

 

この危機的な状況は未来ではなく今まさにです。

 

更に既に住宅ローン担保融資を最大まで使ってしまい身動きができなくなっている個人債務者は急増しています。

 

韓国で住宅担保ローン利用世帯のうち約190万世帯は元利返済が困難な状態にあると推定されてます。

 

金融委員会は「安心転換融資」の実績を発表しています。

 

安心転換融資とは利払いのみで元金を返済していない住宅担保ローンを元利返済に切り替えれば金利を1%軽減する商品です。

 

しかし対象112万世帯のうち乗り換えたのは32万世帯のみでした。

 

残る80万世帯は2%台の低金利でもローン返済が所得が乏しく困難であるため、乗り換えをあきらめたようです。

 

今回の統計で安心転換融資への転換を申し込まなかった世帯は、事実上元利返済を行える状況にはないと推測できます。

 

銀行の住宅担保ローン残高294兆3千億ウォン(約32兆円)のうち元本と利息を同時に返済しているのは74兆ウォン(約8兆円)で全体の25%で75%は利払いのみです。

 

利息のみを支払うローンは08年のサブプライムローン問題の主犯でした。

 

韓国はサブプライムローンの割合が世界最高水準にあります。

 

ノンバンク住宅担保ローン利用顧客110万世帯の大半も元利返済能力がない。

 

住宅ローンの利用世帯のうち安心転換融資を申請しなかった80万世帯と合わせると約190万世帯のローンが不良債権予備軍と推定されます。

 

住宅ローンは借入額が平均で1億~1億2千万ウォン(約1100~1320万円)で危険債権は全体で200兆ウォン (約22兆円)前後と推定。

 

更に生活費として借りているノンバンクからの借入を合わせると25兆円前後になると推測できます。

 

13年末国内18の銀行の総資産は2031兆ウォン、総貸出は1391兆ウォン。

14年3月で不良債権は1.77%です。

 

韓国金融監督院が発表した国内18銀行の6月末のBIS基準自己資本比率は13.83%。

普通株や内部留保の中核的自己資本比率は11.02%。

 

総資産2031兆ウォンで自己資本が13.83%なので自己資本が28兆円しかない。

 

個人の不良債権予備軍が25兆円だとすれば担保処分で50%回収しても自己資本は13兆円まで下落し自己資本比率は5%を切り法人破綻が増加すれば自己資本比率は3%を下回る。

 

国際銀行規制(BIS規制)では自己資本比率8%を下回ると国際金融業務が不可となり、4%を下回ると危険な銀行と指定されるルールになっています。

 

ただ韓国はBIS規制対象外ですが格付けは壊滅するでしょう。

 

貸倒引当金が十分なら大丈夫ですが韓国の14年公表不良債権は1.77%。

 

不良債権予備軍25兆円に対し2兆円前後の不良債権認識ですから引当金は極めて不十分です。

 

家計負債の不良債権化実現は韓国の金融機関の壊滅を意味します。

 

わかりやすくいえばギリシャの金融機関化が発生します。

 

韓国の大手金融は外資の傘下なので増資も絶望的です。

 

では韓国の個人破綻は足下どうなのか。

 

借入を3ヶ月以上返済できず信用回復委員会に個人ワークアウト(債務調整)申請した人数は100万人以上です。

 

02年に個人ワークアウト制度が施行され9年の累積値です。

 

申請者の大多数は低所得層と30~40代の壮年層。

 

信復委は14年第3四半期の個人ワークアウト申請者が1万9350人と発表しています。

 

景気悪化影響で昨年同期比10%ほど増加しました。

 

03年に6万3055人だった個人ワークアウト申請者は同年クレジットカード大乱が発生し爆発的に増加し翌年には35万人まで増加しました。

 

以後毎年6万~10万人継続的に増加し14年96万人に到達。

 

14年第3四半期までに6万8千人余りが個人ワークアウトし累計100万人を突破しました。

 

個人ワークアウト申請者の69.3%は30~40代。 29才以下も14万4680人14.5%で多い。

 

所得別では月間所得150万ウォン 以下の低所得層(84.9%)が圧倒的に多い。

 

信復委関係者は「両極化による低所得層の所得減少、物価上昇による生計費増加の他にも20代の就職難が債務不履行の構造的要因であることを察することができる」と説明してます。

 

信用回復制度は過重な借金の元金と利子の一部を減免し、個人ワークアウトは総債務額が5億ウォン以下で3ヶ月以上延滞者が申請できる制度です。

 

09年から3ヶ月未満延滞者などを対象にしたプレワークアウト申請者も増え続け計2万5500人余りに達してます。

 

プレワークアウト申請者も月間所得150万ウォン以下67%と30~40代68.6%が過半数を越えてます。

 

信復委側は

 

「裁判所の破産・個人回生要件は厳しくなった反面、事前債務調整基準は緩和したために信復委を訪ねる延滞者が増加している」と説明してます。

 

韓国の労働人口が2500万人でワークアウトした人が100万人ですから、

労働者の4%が信用破綻者です。

 

信用破綻をすると破綻するまでの3年、破綻後の10年は社会信用を回復できず、

就業、住居賃貸で極めて不利になり、就業活動も困難になります。

 

もちろん破綻し貸し倒れが発生した個人に資金を貸す金融機関はいません。

 

つまり就業人口の4%とその子供達は就業面、修学面で資金面、社会面からも極めて不利になり国家としても中産層(納税主力個人)が消滅することを意味してます。

 

また経済活動と蓄財が十数年できない個人(しかも30~40代)は老後の備えも不可能で結果的に貧困層となり将来的には国家財政の悪化や治安社会不安のマイナス要因となることを意味します。

 

しかし労働人口の4%が既に破綻している状態は既に致命的です。

 

上述の通り不良債権の予備軍は190万人に及び今後も個人破綻は加速度的に増加するでしょう。

 

結果的には韓国人の14%の国民が信用不安者になる可能性が相当程度ある。当然莫大な不良債権が発生し韓国金融を破綻させます。

 

複数金融危機を経験しながら個人、企業、政府も負債に対する危機意識が低すぎました。

自業自得ですが解決策は借主努力で負債圧縮していく他ない。

 

近道はなく超長期が必要です。

 

金融体力が政府、企業、金融、個人ともない韓国では途上で破綻する可能性が高いのです。

 



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