【社説】韓国、経済に続き外交もサンドイッチ状態
2013年10月07日
[中央日報/中央日報日本語版]
「日米蜜月、試される韓国外交」。先週末の本紙1面トップ記事の見出しだ。
今後軍事力縮小が避けられない米国が日本の軍事力強化を通じて中国をけん制するという立場なので韓国が日米と中国の間で困惑する境遇になったという内容だ。
同日付の他の新聞も似た内容の記事を掲載するなど最近になって韓国外交の危機にスポットを当てる内容が各種メディアにしばしば登場している。
何年か前から韓国経済が日本と中国の間に挟まれサンドイッチ状態になることを懸念する警告が相次いだが、
今度は韓国外交がサンドイッチ状態になっているという分析が集中的に提起されている。
こうした変化は、経済成長に後押しされ軍事・外交的にも急速に勢力を拡張する中国とこれを牽制しようとする米国の間で「冷戦的戦線」がますます鮮明になっていることにともなったものだ。
現在では米中間の競争と対立が前世紀の米ソ対立のように鋭く悪化はしないとみるのが多数意見だ。
しかし当面の見通しと分析が今後10年後、20年後も合っていると言い切れないことが問題だ。
領土紛争などで中国に対し強い警戒心を持つ日本が米国と中国の対立を促進するのもひとつの変数だ。
韓国はすでに米中対立の中で相当な外交・安保的ジレンマに陥っている。
代表的な例が米国のミサイル防衛(MD)への参加要請だ。
米国が北東アジアにMDを構築しようとする名分は北朝鮮の核の脅威を封じ込めるということだ。
しかし中国は米国が中国のミサイル能力を無力化しようとするものと強く疑う。
これにより中国は韓国の最大貿易国という点を武器に韓国のMD参加の動きを積極的に牽制する格好だ。
これと関連し韓国政界ではMD参加問題をめぐり韓国の安保利益より中国と米国の立場を重視するような議論まで広がったりもする。
あきれるばかりだが一方では仕方ない現実だ。
問題はこのように韓国の外交・安保的な立地がますます狭くなる状況に対し政府または国レベルで適切な対応策がまとめられないでいるという点だ。
朴槿恵大統領は昨年大統領選挙公約で提示した「信頼外交」を通じ政府の望んでいた中国との関係を復元するなど相当な成果を上げているとの評価を受けている。
対北朝鮮関係でも原則を守る立場を通じ開城(ケソン)工業団地を正常化することができた。
しかしこうした成果が今後どれだけ持続するのか懐疑的な見方は多い。また、対日関係はますます泥沼にはまっている。
韓国には米中修交を引き出した米国のキッシンジャーやドイツ統一の基盤を構築したゲンシャーのような大戦略家がすぐに必要だ。
盧泰愚(ノ・テウ)政権当時の「北方外交」は韓国が先進国陣営に上る踏み台を提供したという評価を受けている。
今日の情勢は朴大統領をはじめとする政治指導者に「北方外交」を超える創造力と果断性、未来に対する慧眼を要求している。
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