韓国4大財閥総崩れ サムスンと現代自は減益 ポスコ初赤字…
ZAKZAK夕刊フジ
2016.01.30
韓国のサムスン、現代(ヒュンダイ)自動車、SK、LGの4大財閥グループが通年または四半期ベースで大幅減益となっている。
ポスコは初の最終赤字に転落。電機、自動車、鉄鋼という主力産業が総崩れだ。
中国など新興国の景気失速が長期化する恐れもあり、今年も業績を改善させるのは困難な状況だ。
サムスン電子が28日に発表した15年通年の業績は、売上高が前年比2・7%減。
営業利益は5・5%増を維持したものの、最終利益は19・0%減だった。
同社は「(主力事業の)スマートフォンの競争激化により売上高と利益が減少した」と開示している。
スマホは中国市場でシェアを落としている。
深刻なのは直近の昨年10~12月期の業績だ。
ブルームバーグによると、
市場では5兆4000億ウォン(約5300億円)の最終利益を予想していたが、
ふたを開けると3兆2400億ウォン(約3200億円)と大きく下回り、
前年同期比38・7%と大幅減益に。
スマホの販売が不振のなか、利益の大半を稼いでいた半導体部門まで失速した。
市場の期待を裏切ったことで海外投資家のサムスン売りが加速しており、
外国人持ち株比率は昨年12月に50%を下回り、
直近では48%台まで下落。
28日もサムスンの株価が3%近く急落する場面があった。
現代自の減益基調も止まらない。
15年通年の営業利益は15・8%減。
営業減益は3年連続だ。
新興国市場に強かった現代自だが、
中国市場では、景気失速や現地メーカーとの競争激化で販売が落ち込んだ。
ロシアやブラジル市場でも景気悪化や現地通貨安の影響でウォン建ての収益が悪化している。
こちらも昨年10~12月期が19・2%減と落ち込んだ。
半導体大手のSKハイニックスは、
15年の売上高と営業利益が過去最高を更新したものの、
昨年10~12月期は半導体の需要減によって40・7%の営業減益となるなど先行きは不透明だ。
LG電子は15年通年の営業利益が34・8%減と大幅減益。
昨年10~12月期が増益基調なのは救いだが、主力のスマートフォンを含む携帯電話事業は営業赤字が続く。
グループで液晶パネルなどを手がけるLGディスプレイは、
中国メーカーの価格攻勢に押され、
昨年10~12月期に90%の営業減益に見舞われた。
そして鉄鋼大手のポスコは、初の通期最終赤字に転落した。
海外に投資した鉱山や外貨建て資産の評価損に加え、
技術盗用をめぐる新日鉄住金との訴訟に関連する和解金約300億円の支払いも業績を下押しした。
パクリの代償が高くついたわけだ。
今年に入っても業績改善の兆しは見えない。
聯合ニュースは、韓国の証券会社が主要企業の今年1~3月期の業績や株価見通しを相次いで引き下げていると報じた。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は警鐘を鳴らす。
「韓国の主力輸出産業は中国企業にしてやられる危険性が一段と高まっている。
新たな産業が出てこなければ、経済危機の再来は避けられない」