平成太平記

日常の出来事を書く

韓国の金融悪化①

2015年04月09日 11時20分30秒 | Weblog

韓国の金融悪化①

青空のブログ

2014-11-19
 
先日触れた通り韓国経済は個別企業で相当な悪化を見せてます。

国民負債は1000兆ウォンを突破し、企業、国民とも過剰負債に苦戦中です。

はっきりいえば韓国は国民や企業の貯蓄を全て貸出や投資に投下してしまいました。
しかもほとんどが不動産や設備等利益で返済すべきものです。

先日記事の通り上場企業26%は破綻懸念先(実質不良債権)になり個人も相当比率で不良債権化してます。
投資した大半は紙屑になる中では経済に深刻な影響を及ぼすでしょう。
 

しかも解決には負債弁済か不良債権処理の他はなく下手をすれば国家がデフォルトします。

この動きを感じ取ってか外資はいち早く離脱済みです。


英HSBCは7月リテール新規顧客の受入れを停止。
韓国国内の店舗の大半を閉鎖。

 
韓国シティバンクは業績不振の為昨年末から店舗削減、今年9月末までに20店舗以上を閉鎖。

会社は希望退職、一部のサービスからの撤退などリストラを進めています。
英スタンダード・チャータード銀行は業績不振に陥った韓国現地法人が支店数を約100店舗削減、営業権の帳簿価格を大幅償却する方針を決めました。

朝鮮日報によると、03年以降、銀行13行、保険5社、証券6社、資産運用会社4社計31の外資系金融機関が韓国離脱しました。

撤退ラッシュについて、韓国金融研究院が公表した報告書には規制の予測可能性や一貫性の問題も外資系金融機関の韓国離れと関連が深いといった分析をしています。

つまり、韓国の金融規制がグローバルスタンダードとかけ離れ外資系営業に支障が出ているということです。

日本の金融関係は「金融研究院が分析している理由は大きい。
 
店舗閉鎖や事業縮小の要因となっている」と指摘していると記事にでています。
外資系はそもそも政財界や国民のやり玉に上げられやすい上、
 
韓国の司法は公平性に欠け信頼性が低い為、経済悪化下での残留はリスクになのです。
外資が本国に撤退するのは相当にコストと費用が必要です。

それでも撤退する程韓国の金融悪化は深刻なのでしょうか。

記事を探してみました。

14年3月の韓国の記事に金融監督庁の不良債権に対する開示情報についてのものがあったので見てみます。

記事の感想はやや悪化程度でした。
記事によれば金融監督院情報によると、13年末基準の国内都市銀行の不良債権の規模は計25兆5千億ウォンと12年末18兆5億千ウォンより37.8%増加したとあります。

しかし融資全体の不良債権比率は1.77%(0.44%上昇)と不良債権比率は致命的とは言えません。

これでも10年末以来最も高い水準だそうです。

事由は造船や建設などの業績悪化でSTXグループ系列会社は2兆6千億ウォン、
 
双龍建設は6千億ウォン、京南企業は5千億ウォン、
 
東洋グループ系列会社5千億ウォンなどで不良債権化が進んだとあります。
いずれも資金繰悪化した大手がワークアウト、法廷管理になり不良債権が拡大したといえます。

特に不良企業への支援の多い国策銀行の不良債権が拡大。

次回は具体的に内容を検証します。

韓国の金融悪化②

2015年04月09日 11時08分15秒 | Weblog

韓国の金融悪化②

青空のブログ

2014-11-21
前回の続きです。

韓国輸出入銀行の不良債権割合は1.48 %と1年間で2倍以上拡大。

KDB産業銀行も3.07%と急増しています。

 
都市銀行最大手のウリ銀行(企業融資が多い)の不良債権比率は2.99%と高水準。
 
家計部門融資の不良債権比率は0.6%と低水準だったとあります。

日本の金融危機時は不良債権比率は6.5%なので半分以下です。
 
しかし関連情報からはもっと悪いのではと感じます。
 
韓国の経済分析をしている蟹さんのブログ記事によればムーディーズは韓国の銀行による貸倒実績率が13年で平均で0.8%に達したと発表しています。
 
オーストラリア・シンガポー ル0.25%、台湾0.2%、日本・香港0.1%に比較すると高水準と指摘しました。

貸倒実績率とは銀行の貸倒損失処理額を貸出残高全体に対する貸倒損失処理額の比率です。
 
金融監督院が発表した'国内銀行の貸し出し債権および延滞率現況'によると、
2月末の国内銀行の貸出延滞率は1.05%、新規延滞規模は2兆2000億ウォン。

部門別では企業延滞率が1.26%、家計延滞率は0.78%。
 
企業延滞率のうち大企業延滞率は1%、中小企業延滞率は1.36%とあります。

債権の1%前後の延滞率は異常値とは言えず致命傷とは言えない。

ちなみに韓国の貸出債権総額は14年2月末現在1177兆ウォンで1ヶ月で0.5%増加。

大企業貸出は173兆ウォンで9000億増加、中小企業貸出は496兆ウォン で2兆5千億増加。

いずれも増加基調で年率で6%の残高増加ペース。

家計向け貸出は481兆ウォンです。

韓国の銀行群での不良債権発生率は1.77%と低く貸倒実績も先進国の8倍ですが0.8%前後で致命的ではない。

しかし上場企業の26%は破綻懸念があり、

個人負債も1000兆ウォン(100兆円)を超え臨界点を突破している中では違和感を感じる水準です。

からくりはなにか。

韓国銀行の調査「13年12月期家計信用」によれば
 
家計信用残1021兆ウォンで58兆ウォン増加(5.7%)、04年末494兆ウォン以降9年で2倍。

内訳は銀行家計貸出は481兆ウォン、第2金融圏(非銀行圏)は482兆ウォンと第2金融圏貸出が銀行圏を上回ってます。

残額58兆ウォンはクレジットカードだと思われます。

増加率面でも昨対比で銀行圏は3%増、第2金融圏は9.9%急増。

特に相互金融7兆ウォンや保険会社7兆ウォン、貸付業者・証券会社等の金融仲介企業17兆ウォンの増加幅が大きい。

既に低所得層は返済能力が大きく減少。

低所得層の1世帯の貸出残は13年が3667万ウォン可処分所得は884万ウォンでした。
 
可処分所得の40%を返済に回しても利払いで消え負債が減らない状況。


全体では可処分所得対比の家計負債比率は増加しており12年末は163.8%だったとあり負債過剰は異常領域にある。

韓国は不良債権発生率は1.77%、貸倒実績も0.8%前後と高くはない。
 
韓国のBIS規制対象の銀行の中核自己資本も11%で最低水準8%より3%高い。

反面上場の26%は破綻懸念ありで、個人負債も1000兆ウォン(100兆円)を超え危機水準突破を感じさせる水準です。

色々データから推測した処からくりは債権の証券化です。

銀行の貸出総額は1177兆ウォンですがエンドユーザーの負債総額は2738兆ウォン(273兆円)。
差額1561兆ウォンは債権の証券化です。

中国の陰の銀行、米国のサブライムローンのスキームと同一です。

普通債権の証券化は銀行調達より直接調達が有利な大手が多用するスキームです。

しかし韓国の直接調達は(社債、CP等)は高利回り商品が主力。

つまり銀行で調達できなかった分を高利回りにし調達するスキームです。
しかも発行規模は銀行貸出の1.5倍で異常です。

韓国の当局と格付機関の検査力の低さと不正の横行はOECD中最悪水準です。

韓国格付機関の結果と国際格付機関とのギャップは平均6ランク以上。
 
つまりトリプルAがトリプルBというレベル。

最近の上場破綻した場合の社債格付けは破綻半年前はいずれもA格付でした。

当局と格付機関、発行する金融機関と企業はほぼ結託して実質不良債権化するリスクの高い債権を証券市場で放出し資金調達を行い、
企業群と個人は資金繰りを維持している構図です。

格付機関の甘い格付と当局検査の緩さがあれば不良債権は増加せずしてどんどん発行できます。
 
結果企業、個人、政府及び政府関連は無尽蔵に負債を拡大。

いくら無尽蔵に借入られるとは言え負債は返済しなければ消滅しません。

しかも国内預金以上に借入もできない。

資金循環図によれば家計の預金残高は1000兆ウォンで家計負債を下回りました。
これ以上は調達不能です。

当局と格付機関と企業、金融機関がいくら努力して粉飾決算を作っても(帳簿上の黒字化)実質赤字では借入を増やし続けなければ資金繰りが持たない。
 
会計操作にも限界はあります。


現在すでに上場26%が破綻懸念があると米国系コンサルに指摘された状況を見ると手遅れでしょう。
 
先述の通りBIS規制最低水準までは6兆円の余力がありこれを超えた場合公的資金が必要。
 
直感的には韓国金融機関の潜在不良債権は日本のバブル崩壊時の6.5%以上必要で差額は5%です。
 
貸出総額が1177兆ウォンですから5%の処分損増加で58兆ウォン(6兆円)。

更に銀行が所有する証券債権で発生する損失。
 
破綻するノンバンク系への貸付不良債権化。
 
下手をすれば債務超過になるレベルかも知れず。

韓国の貿易依存度は100%を超過しているのに国際貿易決済が自国金融でできなければ経済壊滅は回避不能となる可能性がある。

嵐の前夜ですね。