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速報 陸上自衛隊富士学校創立54周年記念 富士駐屯地祭2008年7月20日

2008-07-21 18:07:01 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■富士学校祭2008

 日曜日、静岡県御殿場市の富士駐屯地において行われた富士学校創立54周年記念行事へ撮影に展開した。本日は、その速報ということで掲載したい。

Img_9440  富士学校は、陸上自衛隊の普通科、機甲科、特科職種の専門教育や戦術研究、新装備の評価試験を行う教育機関である。その編成は総務部、普通科部、機甲科部、特科部、富士教導団、部隊訓練評価隊から成る。その中でも実任務を想定した部隊運用の指揮訓練を支援する富士教導団は陸上自衛隊有数の機甲部隊であり、機械化普通科連隊であり、多様な火砲を運用する特科部隊という性格を有している。

Img_9452  記念式典ののち、観閲行進準備の号令とともに一斉に車両に駆け寄る富士教導団の隊員。戦車教導隊は戦車連隊に匹敵する五個中隊編成。装備も90式戦車や74式戦車などとともに、極少数の試作に終わった74式戦車改が装備されている(写真中央の戦車が74式戦車改)。

Img_9531  写真の89式装甲戦闘車は第1中隊の車両で、熱戦暗視装置や対戦車ミサイル、35㍉機関砲を搭載し強力なエンジンとともに高い機動性を有する優秀な装備であるが高性能とともに高価格であり、装備はこの普通科教導連隊の他には東千歳の第11普通科連隊に装備されているだけである。このほか、96式装輪装甲車や軽装甲機動車など中隊ごとに異なる装甲車を装備している。重迫撃砲中隊や、96式多目的誘導弾を装備に数える対戦車中隊など、火力や機動力では日本最強の普通科連隊と言っていいかもしれない。

Img_9677  特科教導隊には、最新装備99式自走榴弾砲を筆頭にFH-70榴弾砲や203㍉自走榴弾砲、MLRS、88式地対艦誘導弾など多彩な装備を有している。良好な位置から観閲行進を撮影できたのは幸いであった。なお、隷下の第303観測隊には、非常に気になる装備らしき姿が観閲行進に参加しており、確認が取れ次第追ってお知らせしたい。

Img_9707  富士教導団は4100名の人員により構成されており、防衛出動の際には戦略予備部隊として投入される、とされている。必要に応じて高射学校高射教導隊や施設学校の施設教導隊、航空学校のヘリコプターとともに重要方面に投入されるのだろう。いっそのこと、教導集団として統合してみては、と思ったりもする。

Img_9928  戦車部隊の観閲行進、その殿を務めたのは第5中隊の90式戦車。砂塵を巻き上げつつ一糸乱れず高速で走り抜ける観閲行進は、まさに教導団、と唸らされるものがある、そしてこれだけの規模になると、足元の地面が小刻みに揺れる。いうまでもない、50トンの戦車が1500馬力のエンジンで進むとともに大地を揺るがしているのだ。この戦車教導隊には、遠からず第1中隊に新戦車が装備されるといわれる。

Img_0087  富士教導団に防衛出動命令が下った場合は如何に!?、そういった疑問に答えるのが訓練展示模擬戦である。各種火砲が速やかに陣地を構築し射撃準備に入る。写真は99式自走榴弾砲、自動装填により高い精度52口径という長い砲身(155㍉×52)が長射程を実現した。同時に偵察警戒車や偵察オートバイが敵情を探る。

Img_0113  火砲が林立しているというのはこういう状況を示すのだろう。こういった状況を実弾で再現したのが富士総合火力演習であるが、入場には応募で入手する入場券が必要である。空包射撃ではあるが、この富士駐屯地祭も大規模な機械化部隊による訓練展示をみることが出来、陸上自衛隊の現在を知ることが出来る行事といえる。

Img_0121  今回富士駐屯地祭にて撮影した写真は実に1500枚以上。速報では、その状況を手短に掲載した。観閲行進の機械化部隊による迫力、圧倒する機甲部隊、多種多様な特科部隊による訓練展示、自衛隊の歴史を伝える展示装備品などなど、詳しい富士学校祭の様子は詳報にてお伝えしたい。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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