北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】練習艦隊江田島出航二〇二四【5】近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊出航(2024-03-16)

2024-07-11 20:14:10 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■さわぎり・むらさめ
 江田島基地からの艦隊出航は続く。

 さわぎり出航、練習艦隊近海練習航海部隊として護衛艦あさぎり型の参加です。あさぎり型護衛艦は一番艦あさぎり、二番艦やまぎり、と一時期練習艦に転籍していた時代がありまして、あさぎり練習艦転用は2005年、やまぎり練習艦転用は2004年だ。

 あさぎり型を練習艦に転用できたのは周辺情勢が、中国の海洋進出は今ほどではなく日中関係も良好で台湾有事や南シナ海南沙諸島有事などは小説だけの世界と考えられた時代、でしたが2010年代に状況が変わり2011年と2012年、2隻は護衛艦に戻る。

 2010年代の懸念は見事に当たってしまいまして、南沙諸島周辺に続々と中国は人工島を造成し、中にはヴェトナムやフィリピンから一部は武力奪取した環礁もミサイルと滑走路を備えた自称は平和的観測施設、に変貌し日本周辺情勢は一挙に緊張しました。

 冷戦末期に建造された護衛艦あさぎり型は基準排水量で3550tとはなっていますが満載排水量で5900tと余裕があり、各種ミサイルを予備弾とともに搭載するなど相応に重武装、アメリカのLCS沿海域戦闘艦が苦戦する平時の警戒任務を十分こなしている。

 うらが、むらさめ。掃海母艦うらが型はそろそろ古くなっていますので後継艦を検討しなければならない時節なのですが、個人的にここにヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが型2隻が充てられ、護衛艦隊にF-35B運用を前提とした新型艦が来るのではないか、と。

 ひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦は、F-35Bの運用には過小であるとの防衛省の研究があり、いやそれほど小型ではないだろうと思いつつ、ヘリコプター搭載護衛艦の定数を4隻までとするならば、いずも型の大きさに統一した方がいい、と理解は成り立つ。

 もがみ型護衛艦が掃海隊群に配備される計画で、いや、掃海隊群直轄艦であった護衛艦もがみ、くまの、は護衛艦隊に移管されたのが先日でしたが、もがみ型拡大改良型のミサイルフリゲイトと共にもう一つの護衛艦隊を指揮するには、ひゅうが型は最適とも。

 うらが、掃海母艦の機能をヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが型に当て嵌める場合、水陸両用作戦の指揮機能は十分ですし、うらが型には搭載できないMCH-101掃海輸送ヘリコプターを搭載出来、機雷敷設についてはヘリコプターを使えば迅速に対応できる。

 むらさめ。海上自衛隊の今後の課題は第二世代型汎用護衛艦として、はつゆき型、あさぎり型を置き換える事となったこの護衛艦むらさめ型の後継20隻をどのような艦に仕上げるか、という事、海上自衛隊部内研究にはオールイージスという声さえ。

 あさぎり型護衛艦の練習艦転籍は前述しましたが、かつて海上自衛隊では護衛艦むらさめ型も練習艦に転籍しよう、という声がありまして、それほどあの頃は平和であったという事です。ただ、日本が平和の努力を怠っていたとは全く思えないもので。

 戦争と恋愛は相手があってのこと、日本だけが平和主義を使っていても、予防外交という戦争を防ぐ努力を怠って自分だけ平和と自己満足していただけでは戦争は防ぐことは出来ない、もしそうならば日中戦争は攻められた中国も悪いことになってしまうから。

 むらさめ型護衛艦の後継は、こんごう型の大きさ程度までは拡大して広域防空艦を兼ねる可能性がありますし、防衛装備庁はレールガンとレーザー砲の搭載をかなり真剣に考えている、凄い時代になったものだなあと時代の変化を見つめつつ感じるのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-チャシブヤール東端ロシア軍占領とウクライナ地下資源盗掘強化,ロシア軍破壊工作員部隊の脅威

2024-07-11 07:00:55 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こういう状況の火消部隊として自衛隊にも戦闘ヘリコプター部隊が必要なのです。

 チャシブヤール東端がロシア軍に占領された、ISWアメリカ戦争研究所は7月3日付ウクライナ戦況報告において第一線のウクライナ軍大隊長発言を紹介、チャシブヤール東端のカナールミクロライオンが2日までに完全に陥落したと発言し、またウクライナ軍事評論家のマショヴェッツ氏も同様の発言をしていますがISWは未確認という。

 カナールミクロライオンはチャシブヤールを通る運河沿いにあり、ISWはこの地域でのロシア軍の活動開始を完全に確認はしていないということですが、同時のカナールミクロライオンからのウクライナ軍撤退は確認しているとのことで、運河沿いの拠点を占領される事でロシア軍がチャシブヤール中心部に浸透される可能性が高い。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 悪の組織そのままという状況でこんな隣国がいるというのが日本のつらいところ。

 ロシアは占領地でのウクライナ地下資源盗掘を強化している、イギリス国防省7月4日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ政府筋の情報として地下資源盗掘が行われているとし、その資源は、金、鉄鉱石、石炭、チタン、ウラン、マンガン、リチウム、と多岐に及ぶとのこと。これはロシア経済の資金源とともに別の目的もあるという。

 ウクライナ地下資源の盗掘は、ウクライナ戦争遂行能力に対する経済的打撃も目的であるとし、一方、ロシア軍はウクライナ占領地において鉄道や道路などの交通インフラ復旧に注力しており、これは前線へのロシア軍兵站輸送を支えるとともに、盗掘した地下資源や、また穀物などウクライナ国内の農産物を持ち去る為であるとも解釈できます。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 海戦後ですからグレーも何もないのですけれどもいまさらのグレーゾーン事態という。

 ハリコフ州北部にロシア軍破壊工作部隊が浸透しウクライナ軍と戦闘中である、ISWアメリカ戦争研究所7月4日付ウクライナ戦況報告によれば、ハリコフ市から北方45kmの地域にあるソトニツキーコザリョク村にロシア破壊工作員集団が浸透し、ウクライナ軍と交戦中とのこと、戦闘規模や破壊工作員の具体的数字は明らかにされていない。

 ソトニツキーコザリョク村へのロシア軍破壊工作員部隊の浸透と戦闘についてはウクライナ軍ハリコフ地区報道官ポポフ大佐の発言によるもの。なお、ロシア軍はクレミンナ北西にあるマキイフカ近郊とアウディイフカ北西のロズナツケ及びノヴォレクサンドリフカ、そしてドネツク市南西のポビエダ地区において前進しているとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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