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トルコ南部地震-死者1万名超す,迫る"人命救助-72時間の壁"救助活動尽力の努力と届かぬ支援の現実

2023-02-09 07:01:44 | 防災・災害派遣
■臨時情報-トルコ南部地震
 小牧基地では地震の在った当日も日常訓練が続いているのですが、トルコは欧州NATO最大というかなりの規模の陸軍を有しているもののこういうときには不足する、支援できないものか。

 トルコ南部地震、死者数は時間と共に増大しており、直下型の振動周期が短く瞬間的な揺れが集中して建物に負荷をかける揺れが、現地の構造物、特にトルコの現在の耐震基準よりも前に建設された建物、中層建築物を崩壊に至らせたという、パンケーキクラッシュ、こう説明される、一つの階層が崩壊する事で将棋倒しのように潰れる破壊が多数あった。

 シリアとトルコの死者数は1万1200名と日本時間8日時点で大台を超えており、兎に角救助隊を現地に運び込むためのヘリコプターと機動車輛の不足が現地から伝わります。この点、思い切ってトルコの加盟するNATOと共に日本もUH-1多用途ヘリコプター位を災害派遣という事で輸送機により現地へ展開させられないものか、と考えるのですけれども。

 72時間、過去には瓦礫の下で一週間以上生存した事例もあるのですが、これは奇跡的な救助事例というものであり、一般論として瓦礫に閉じ込められ、飲食出来ない状態で体の一部が圧迫され続けている状況での人命生存時間は72時間を境に急激に生存性が下がるとされています、だからこそ急いている一方、現地では支援の届かない現場も多い現状がある。

 阪神大震災における災害派遣の自衛隊記録を当時の中部方面隊がまとめた資料があるのですが、鶴嘴や円ぴでの災害派遣、つまり専門工具の無い当時の災害派遣装備では、普通科部隊などは、倒壊したビルの生存者を探すにも、叩いても先ず穴をあける事が難しい、一つ穴をあけたとしても、中の生存者を探せる規模までは人力では無理、できなかった、と。

 人命救助システム、陸上自衛隊は全国の駐屯地へ阪神大震災の教訓を受け、災害派遣に際してまず必要であった装備品、一つ一つは専用装備でも、また高いものではなく可搬性が有るものの、しかし災害現場には在りそうでないものを一つのコンテナに収容した人命救助システムという装備品を阪神大震災以降、極めて短期間で全国の部隊へ配備しました。

 エンジンカッターにエアジャッキと油圧式ジャッキ、エンジン削岩機と手動式ウインチ、可燃性ガス検知装置に捜索用音響探知機や非破壊構造物探知装置、小型消防装備と携帯式消火装置、作業用照明装置に発動式発電機、移動式トイレなど。こうしたコンテナごと減りでも運べる装備品を被災地に運び込めないものか、災害報道を前に考えてしまいます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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