■自衛隊トンガ救援隊派遣
KC-767ではなくC-130が派遣されるという事で主役を交代しまして緊張感漂う派遣当日の小牧基地の様子です。

トンガ救援隊、KC-767空中給油輸送機にて派遣されるものだと考えていたのですが20日の夜に出発したトンガ救援隊はC-130H輸送機2機にて小牧基地を進発しました。確かにC-130H輸送機は三機並んで準備していましたが、別の訓練の準備だと思っていました。

8000km、日本とトンガの距離はC-130Hでは不可能な距離であり、26t搭載し6500kmと4tを搭載し10000kmの航続距離を有するC-2輸送機でなければ、太平洋横断と10000km以上の航続距離を誇るKC-767空中給油輸送機でなければ、この距離簡単ではありません。

C-130Hなんて、と思った背景にはトンガに直接着陸できない場合を考えて一旦ニュージーランドのオークランドを経由すると発表された為で、オークランドはトンガの2300km先、C-130Hは遠回りとなります。そしてオークランドへも直行は出来ません。時間がかかる。

KC-767とともに派遣してC-130Hに空中給油させるならば、直行は可能なのですが航空自衛隊のKC-767にそうした動きはありません、どう考えても経由地給油ならば二日要する。すると真剣にトンガを救助しようという気が日本政府に在るのか、心配してしまいます。

時間を掛ければ充分飛べると思われるでしょう、しかし間に合わねば意味がありません。例えば2011年東日本大震災において福島第一原発が全電源喪失となりましたが、あれも電源車が間に合わなかった為に炉心溶融となった、炉心溶融後に電源車が来ても意味はない。

C-2輸送機だったならば、20日夜に美保基地を進発したならば8000kmですと10時間で飛行可能です、つまり日本時間21日未明には到着している計算ですし、万一トンガに着陸できない場合は、オークランドへ転進しても搭載量を節約したならば航続距離は充分だ。

自衛隊の輸送機計画、予算の制約と政治の指針があるとはいえ、阿呆ではないうかと呆れるのは、C-1輸送機をC-2輸送機に1:1で更新しなかった、結局一個飛行隊定数がC-1の頃の半分に抑えられている為に必要な機数が確保できていません。半分だけは飛ばせない。

飛行隊定数を小牧の第401飛行隊はC-130H輸送機16機となっていますが、美保の第403飛行隊も入間の第402飛行隊も、同じくC-2輸送機16機としてはどうか、輸送力過剰と反論されるかもしれませんが、現状で派遣に飛べていない、増やさねば意味がありません。

統合機動防衛力、多次元統合防衛力、御大層な名称で感じばかり覚えたての中学二年生のように並べていますが、これを実行する為の手段を合せて考えないのであれば意味がありません。要するに少ない防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという骨子です。

防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという視点からは、民間にC-130のような貨物輸送機が多数ある訳でもないのですから寧ろ航空自衛隊の輸送機は必須の装備、一個飛行隊16機定数で48機、いや厚木基地か千歳基地へ、もう一個飛行隊増勢してもよい。

U-4多用途機。入間基地から小牧基地へ飛来していまして、いっそこのU-4であれば航続距離が9600kmありますので、搭載能力は人員19名、それ程多くはないのですが座席上に救援物資を固定、運べる量は知れているとはいえ迅速にトンガへ運び込めたのではないか。

危機管理という点を考えますと、もちろんトンガ政府からそれ程急がなくてよいという要請が在ったならば別なのですが、災害派遣は早さが必要だという事は云うまでも無い事でしょう。そうした上で、今回の敢えて時間のかかるC-130を派遣した点は、疑問なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
KC-767ではなくC-130が派遣されるという事で主役を交代しまして緊張感漂う派遣当日の小牧基地の様子です。

トンガ救援隊、KC-767空中給油輸送機にて派遣されるものだと考えていたのですが20日の夜に出発したトンガ救援隊はC-130H輸送機2機にて小牧基地を進発しました。確かにC-130H輸送機は三機並んで準備していましたが、別の訓練の準備だと思っていました。

8000km、日本とトンガの距離はC-130Hでは不可能な距離であり、26t搭載し6500kmと4tを搭載し10000kmの航続距離を有するC-2輸送機でなければ、太平洋横断と10000km以上の航続距離を誇るKC-767空中給油輸送機でなければ、この距離簡単ではありません。

C-130Hなんて、と思った背景にはトンガに直接着陸できない場合を考えて一旦ニュージーランドのオークランドを経由すると発表された為で、オークランドはトンガの2300km先、C-130Hは遠回りとなります。そしてオークランドへも直行は出来ません。時間がかかる。

KC-767とともに派遣してC-130Hに空中給油させるならば、直行は可能なのですが航空自衛隊のKC-767にそうした動きはありません、どう考えても経由地給油ならば二日要する。すると真剣にトンガを救助しようという気が日本政府に在るのか、心配してしまいます。

時間を掛ければ充分飛べると思われるでしょう、しかし間に合わねば意味がありません。例えば2011年東日本大震災において福島第一原発が全電源喪失となりましたが、あれも電源車が間に合わなかった為に炉心溶融となった、炉心溶融後に電源車が来ても意味はない。

C-2輸送機だったならば、20日夜に美保基地を進発したならば8000kmですと10時間で飛行可能です、つまり日本時間21日未明には到着している計算ですし、万一トンガに着陸できない場合は、オークランドへ転進しても搭載量を節約したならば航続距離は充分だ。

自衛隊の輸送機計画、予算の制約と政治の指針があるとはいえ、阿呆ではないうかと呆れるのは、C-1輸送機をC-2輸送機に1:1で更新しなかった、結局一個飛行隊定数がC-1の頃の半分に抑えられている為に必要な機数が確保できていません。半分だけは飛ばせない。

飛行隊定数を小牧の第401飛行隊はC-130H輸送機16機となっていますが、美保の第403飛行隊も入間の第402飛行隊も、同じくC-2輸送機16機としてはどうか、輸送力過剰と反論されるかもしれませんが、現状で派遣に飛べていない、増やさねば意味がありません。

統合機動防衛力、多次元統合防衛力、御大層な名称で感じばかり覚えたての中学二年生のように並べていますが、これを実行する為の手段を合せて考えないのであれば意味がありません。要するに少ない防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという骨子です。

防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという視点からは、民間にC-130のような貨物輸送機が多数ある訳でもないのですから寧ろ航空自衛隊の輸送機は必須の装備、一個飛行隊16機定数で48機、いや厚木基地か千歳基地へ、もう一個飛行隊増勢してもよい。

U-4多用途機。入間基地から小牧基地へ飛来していまして、いっそこのU-4であれば航続距離が9600kmありますので、搭載能力は人員19名、それ程多くはないのですが座席上に救援物資を固定、運べる量は知れているとはいえ迅速にトンガへ運び込めたのではないか。

危機管理という点を考えますと、もちろんトンガ政府からそれ程急がなくてよいという要請が在ったならば別なのですが、災害派遣は早さが必要だという事は云うまでも無い事でしょう。そうした上で、今回の敢えて時間のかかるC-130を派遣した点は、疑問なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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