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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】自衛隊トンガ救援隊派遣,輸送機C-130派遣準備進む小牧(2022-01-20)

2022-01-22 20:06:42 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■自衛隊トンガ救援隊派遣
 KC-767ではなくC-130が派遣されるという事で主役を交代しまして緊張感漂う派遣当日の小牧基地の様子です。

 トンガ救援隊、KC-767空中給油輸送機にて派遣されるものだと考えていたのですが20日の夜に出発したトンガ救援隊はC-130H輸送機2機にて小牧基地を進発しました。確かにC-130H輸送機は三機並んで準備していましたが、別の訓練の準備だと思っていました。

 8000km、日本とトンガの距離はC-130Hでは不可能な距離であり、26t搭載し6500kmと4tを搭載し10000kmの航続距離を有するC-2輸送機でなければ、太平洋横断と10000km以上の航続距離を誇るKC-767空中給油輸送機でなければ、この距離簡単ではありません。

 C-130Hなんて、と思った背景にはトンガに直接着陸できない場合を考えて一旦ニュージーランドのオークランドを経由すると発表された為で、オークランドはトンガの2300km先、C-130Hは遠回りとなります。そしてオークランドへも直行は出来ません。時間がかかる。

 KC-767とともに派遣してC-130Hに空中給油させるならば、直行は可能なのですが航空自衛隊のKC-767にそうした動きはありません、どう考えても経由地給油ならば二日要する。すると真剣にトンガを救助しようという気が日本政府に在るのか、心配してしまいます。

 時間を掛ければ充分飛べると思われるでしょう、しかし間に合わねば意味がありません。例えば2011年東日本大震災において福島第一原発が全電源喪失となりましたが、あれも電源車が間に合わなかった為に炉心溶融となった、炉心溶融後に電源車が来ても意味はない。

 C-2輸送機だったならば、20日夜に美保基地を進発したならば8000kmですと10時間で飛行可能です、つまり日本時間21日未明には到着している計算ですし、万一トンガに着陸できない場合は、オークランドへ転進しても搭載量を節約したならば航続距離は充分だ。

 自衛隊の輸送機計画、予算の制約と政治の指針があるとはいえ、阿呆ではないうかと呆れるのは、C-1輸送機をC-2輸送機に1:1で更新しなかった、結局一個飛行隊定数がC-1の頃の半分に抑えられている為に必要な機数が確保できていません。半分だけは飛ばせない。

 飛行隊定数を小牧の第401飛行隊はC-130H輸送機16機となっていますが、美保の第403飛行隊も入間の第402飛行隊も、同じくC-2輸送機16機としてはどうか、輸送力過剰と反論されるかもしれませんが、現状で派遣に飛べていない、増やさねば意味がありません。

 統合機動防衛力、多次元統合防衛力、御大層な名称で感じばかり覚えたての中学二年生のように並べていますが、これを実行する為の手段を合せて考えないのであれば意味がありません。要するに少ない防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという骨子です。

 防衛力を迅速に長距離機動させ防衛力を構成するという視点からは、民間にC-130のような貨物輸送機が多数ある訳でもないのですから寧ろ航空自衛隊の輸送機は必須の装備、一個飛行隊16機定数で48機、いや厚木基地か千歳基地へ、もう一個飛行隊増勢してもよい。

 U-4多用途機。入間基地から小牧基地へ飛来していまして、いっそこのU-4であれば航続距離が9600kmありますので、搭載能力は人員19名、それ程多くはないのですが座席上に救援物資を固定、運べる量は知れているとはいえ迅速にトンガへ運び込めたのではないか。

 危機管理という点を考えますと、もちろんトンガ政府からそれ程急がなくてよいという要請が在ったならば別なのですが、災害派遣は早さが必要だという事は云うまでも無い事でしょう。そうした上で、今回の敢えて時間のかかるC-130を派遣した点は、疑問なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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自衛隊トンガ救援隊派遣,輸送艦おおすみ出航準備とC-2輸送機追加派遣-先発C-130豪州到着

2022-01-22 14:11:44 | 防災・災害派遣
■おおすみ出航準備すすむ
 本日は予定を変更してエンストロム社倒産とTH-480の話題を掲載予定でしたが再度変更し、大きな動きが在りましたトンガ救援隊の情報をお伝えしましょう。

 おおすみ出航。海上自衛隊はフンガトンガフアパイ火山噴火による火山性津波と火山灰被害に見舞われたトンガ救援へ、航空自衛隊のC-130輸送機、そして追加投入が決定されたC-2輸送機とともに、海上自衛隊の輸送艦おおすみ派遣を決定し、呉基地にて出航を準備中です。海上自衛隊では輸送艦は3隻のみとなっており、22日中に出航させたい構え。

 CH-47J/JA輸送ヘリコプター、今回輸送艦おおすみ甲板には陸上自衛隊のCH-47J/JA輸送ヘリコプター2機を搭載し、現地での空輸支援に充てる方針です。CH-47J/JA輸送ヘリコプターは、おおすみ母港呉基地隣県の美保分屯地に中部方面航空隊第三飛行隊が装備しており、また木更津駐屯地や高遊原分屯地、草摩が原駐屯地や那覇駐屯地に展開しています。

 トンガは170の島嶼部より成る人口10万の島嶼部国家で、おおすみ型輸送艦に搭載するLCACやCH-47輸送ヘリコプターは島嶼部間の物資輸送などにも寄与することでしょう。一方、現地では懸念されていたCOVID-19の市中感染が報告され始めており、厳格な国境封鎖により回避、今回の支援も非接触により進めていた中の新しい懸念材料となりました。

 C-130輸送機は小牧基地を出発し日本時間21日1700時、20時間を経てオーストラリアのアンブリー空軍基地に到着しました、アンブリー基地ではオーストラリア空軍の支援車輛により機内支援物資確認、オーストラリア空軍との調整を実施しているとのこと。これに先立ちオーストラリアのキャンベル国防軍司令官と山崎統幕長が電話会談を行いました。

 山崎統幕長と艦ベル国防軍司令官との電話会談は自衛隊のトンガ飛行に際してのオーストラリア軍支援の要請で、これにより後続部隊の支援も受けられるという。過去の自衛隊派遣を見ますと、1994年モザンビーク派遣では実に五日間の長期間を経て空輸しており、これはC-130H輸送機の航続距離の短さ所以といえるのですが、今回は短縮されるもよう。

 22日中にもC-130輸送機は現地へ到着する見通しですが、派遣は20日、現地で不足が報告されている飲料水など輸送していますが、オーストラリア軍は満載排水量27800tのキャンベラ級強襲揚陸艦を派遣、ニュージーランド海軍は哨戒艦ウェリントンが物資を搭載し現地へ到着、補給艦アオテアロアも準備中であり、後者は海水濾過装置を搭載しています。

 おおすみ艦内には救援物資のほか、高圧洗浄機と医療支援機材、現地での末端輸送に必要な輸送車両やリヤカーといった供与品を搭載しています。海上輸送は時間がかかる、オーストラリアの強襲揚陸艦アデレードもブリスベーンを出航後、現地までは5日間を見込んでいるとのこと。やはり、迅速な救援には空輸が要諦となりますが、ここに新しい知らせ。

 C-2輸送機、防衛省は21日夜にトンガ救援隊への増強部隊として、美保基地のC-2輸送機2機の追加投入を決定しました、22日中にも進発するとのこと。C-2輸送機は4tを搭載した場合で10000kmの飛行が可能、最大36tを搭載可能です。本来は初動で投入が望ましかったのですが、C-2を運用する第403飛行隊は輸送機が8機しかなく、これが響いたのか。

 C-2輸送機は巡航速度をボーイング777など旅客機と同程度として国際航空航路を利用できる利点があります。一方で、小牧基地の第401飛行隊は16機を装備しローテーションにより海外派遣など緊急時に備えていますが、C-2は当初12機で編成する飛行隊を8機に縮小し、いわば予算節約が肝心な際に役立てないという結果に繋がったのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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