■事態への実効的抑止及び対処
今回から来年度予算概算要求の重要施策を順次見てゆきましょう、まずは各種事態における実効的な抑止及び対処について。
武力紛争を抑止する手段として、先ず第一に緊張への徴候をいち早く察知し、周辺国が軍事的手段を制作決定の選択肢の延長線上に盛り込むことを抑制する事にあり、この為に警戒監視体制、特に仮に軍事行動が行われたとしても初動の段階で阻止できる体制を示しておくことが非常に重要です。
そのための周辺海空域における安全確保の具体的施策としまして“広域において常続監視を行い、各種兆候を早期に察知するため、周辺海空域の情報収集・警戒監視態勢を強化する”この為の施策が来年度も継続して実施されます。まず、海洋監視能力の強化として哨戒機と哨戒ヘリコプターの近代化とともに勢力維持が施策として盛り込まれました。
P-1哨戒機、海洋監視における重要器材はこの最新鋭国産哨戒機ですが、今年度予算により一括調達を行っている為、来年度予算においては固定翼哨戒機について既存のP-3C哨戒機を近代化改修する事を盛り込みました。探知識別能力を向上させるためのレーダーの性能向上に必要な器材の取得及び改修を実施予算が12億円分盛り込まれています。
最新型への近代化と共に勢力維持は重要な施策です、このため固定翼哨戒機P-3Cについてその機齢延伸措置予算に3機分12億円が盛り込まれ、固定翼哨戒機の体制を維持する施策を実施します、P-1哨戒機の生産が当初計画よりも遅れている為の措置ですが、機体の構造部分を補強乃至換装することで数年程度の延命が実現しましょう。
一方、哨戒ヘリコプターは一挙に近代化が図られます、哨戒ヘリコプターSH-60Kが17機取得され、特に航空自衛隊が新たに導入するUH-60J改良型の救難ヘリコプターと機体構造に共通部分が多いSH-60を一括取得する事で調達費用の圧縮を図ります。他方、P-3Cと同様に機数の維持が課題であるため、従来のSH-60Jについて2機分10億円の延命改修が行われるとのこと。
海上自衛隊は新しい機種体系を各種事態における実効的な抑止及び対処の具体化に盛り込みます、これは多用途ヘリコプター艦載型の取得で現在はまだ機種選定中ですが、護衛艦部隊が想定される長期の事態に応じた活動を持続的に行うため各種支援と輸送任務に従事する多用途ヘリコプター艦載型を新たに導入する、というもの。
多用途ヘリコプターと云いますと米海軍のHH-60のような空中機動による強襲任務や空対艦ミサイルを搭載しての哨戒任務にあたる航空機を一瞬連想しますが、ヘリコプターによる物資輸送、所謂バートレップ任務にあてる輸送用の航空機を想定していると考えられます。バートレップ輸送、ドライカーゴは食糧や弾薬に予備部品等、コンテナ化し補給艦と水上戦闘艦間の輸送は意外と重要です。
現在艦艇用液体燃料の空輸は実用化した事例がありませんが、その他の物資を輸送し、場合によっては交代要員の空輸などを行うことで相当長期間にわたる任務が可能でしょう。現実的に考え、掃海輸送ヘリコプターMCH-101やCH-101が適当ですが、例えばPSI拡散防止イニシアチヴ臨検など強襲任務等別の用途にも充てる可能性があるならば、まったく新しい機種の可能性もあるでしょう。
SH-X,新哨戒ヘリコプターの開発、295億円が投じられる来年度予算の目玉事業の一つとなります。特に外洋だけでなく沿岸海域の浅海域も含め我が国周辺海域での対潜任務での優位性確保に資する新型航空機を開発するというものですが、大きな注目はSH-60JとSH-60KとUH-60系統のヘリコプターを原型としてきましたが、例えばMCH-101やS-92にNH-90といった新型機を原型とする新型となるか、と。
概算要求に示された新哨戒ヘリコプターはSH-60系統の形状をイメージ図として掲載していますが、SH-Hは完成が2020年頃が見込まれ、相当長期間に渡り運用される航空機となりますので原型機がそろそろ、例えばHSS-2系統がHSS-2をHSS-2AをへてHSS-2BからSH-60Jに展開したような世代交代を視野に含めるか、大きな関心事です。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
今回から来年度予算概算要求の重要施策を順次見てゆきましょう、まずは各種事態における実効的な抑止及び対処について。
武力紛争を抑止する手段として、先ず第一に緊張への徴候をいち早く察知し、周辺国が軍事的手段を制作決定の選択肢の延長線上に盛り込むことを抑制する事にあり、この為に警戒監視体制、特に仮に軍事行動が行われたとしても初動の段階で阻止できる体制を示しておくことが非常に重要です。
そのための周辺海空域における安全確保の具体的施策としまして“広域において常続監視を行い、各種兆候を早期に察知するため、周辺海空域の情報収集・警戒監視態勢を強化する”この為の施策が来年度も継続して実施されます。まず、海洋監視能力の強化として哨戒機と哨戒ヘリコプターの近代化とともに勢力維持が施策として盛り込まれました。
P-1哨戒機、海洋監視における重要器材はこの最新鋭国産哨戒機ですが、今年度予算により一括調達を行っている為、来年度予算においては固定翼哨戒機について既存のP-3C哨戒機を近代化改修する事を盛り込みました。探知識別能力を向上させるためのレーダーの性能向上に必要な器材の取得及び改修を実施予算が12億円分盛り込まれています。
最新型への近代化と共に勢力維持は重要な施策です、このため固定翼哨戒機P-3Cについてその機齢延伸措置予算に3機分12億円が盛り込まれ、固定翼哨戒機の体制を維持する施策を実施します、P-1哨戒機の生産が当初計画よりも遅れている為の措置ですが、機体の構造部分を補強乃至換装することで数年程度の延命が実現しましょう。
一方、哨戒ヘリコプターは一挙に近代化が図られます、哨戒ヘリコプターSH-60Kが17機取得され、特に航空自衛隊が新たに導入するUH-60J改良型の救難ヘリコプターと機体構造に共通部分が多いSH-60を一括取得する事で調達費用の圧縮を図ります。他方、P-3Cと同様に機数の維持が課題であるため、従来のSH-60Jについて2機分10億円の延命改修が行われるとのこと。
海上自衛隊は新しい機種体系を各種事態における実効的な抑止及び対処の具体化に盛り込みます、これは多用途ヘリコプター艦載型の取得で現在はまだ機種選定中ですが、護衛艦部隊が想定される長期の事態に応じた活動を持続的に行うため各種支援と輸送任務に従事する多用途ヘリコプター艦載型を新たに導入する、というもの。
多用途ヘリコプターと云いますと米海軍のHH-60のような空中機動による強襲任務や空対艦ミサイルを搭載しての哨戒任務にあたる航空機を一瞬連想しますが、ヘリコプターによる物資輸送、所謂バートレップ任務にあてる輸送用の航空機を想定していると考えられます。バートレップ輸送、ドライカーゴは食糧や弾薬に予備部品等、コンテナ化し補給艦と水上戦闘艦間の輸送は意外と重要です。
現在艦艇用液体燃料の空輸は実用化した事例がありませんが、その他の物資を輸送し、場合によっては交代要員の空輸などを行うことで相当長期間にわたる任務が可能でしょう。現実的に考え、掃海輸送ヘリコプターMCH-101やCH-101が適当ですが、例えばPSI拡散防止イニシアチヴ臨検など強襲任務等別の用途にも充てる可能性があるならば、まったく新しい機種の可能性もあるでしょう。
SH-X,新哨戒ヘリコプターの開発、295億円が投じられる来年度予算の目玉事業の一つとなります。特に外洋だけでなく沿岸海域の浅海域も含め我が国周辺海域での対潜任務での優位性確保に資する新型航空機を開発するというものですが、大きな注目はSH-60JとSH-60KとUH-60系統のヘリコプターを原型としてきましたが、例えばMCH-101やS-92にNH-90といった新型機を原型とする新型となるか、と。
概算要求に示された新哨戒ヘリコプターはSH-60系統の形状をイメージ図として掲載していますが、SH-Hは完成が2020年頃が見込まれ、相当長期間に渡り運用される航空機となりますので原型機がそろそろ、例えばHSS-2系統がHSS-2をHSS-2AをへてHSS-2BからSH-60Jに展開したような世代交代を視野に含めるか、大きな関心事です。
北大路機関:はるな くらま
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