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小松基地航空祭2015 JASDF Komatsu Airbase (2015.09.21)

2015-09-22 23:46:38 | 航空自衛隊 装備名鑑
■小松航空祭2015
 月曜日、小松基地航空祭2015へ展開しました、本日はその様子を紹介しましょう。

 小松基地航空祭は昨日、南雲憲一郎基地司令、谷本正憲石川県知事、和田慎司小松市長らが出席し盛大に執り行われました、来場者は14万7000名と陸上自衛隊の定員に匹敵する規模で、例年雨天予報でも晴れるとの小松マジックと親しまれる航空祭は晴天と薄雲のもと活況を響かせました。

 その歴史は1944年に海軍小松飛行場として創設、1945年の敗戦後は進駐軍小松補助飛行場として維持され、1955年に民間空港として全日空の前身日本ヘリコプター輸送が不定期路線を設定、1956年には創設間もない航空自衛隊が基地化を開始、1958年に進駐軍区画を自衛隊が継承する形で決定し、1961年に千歳基地第4飛行隊と松島基地第8飛行隊の移駐を受け第6航空団が創設、50機のF-86を以て防空にあたり、これが小松基地のはじまり。。

 小松空港として北陸空の玄関という重責を担う空港と航空自衛隊は飛行場を共用していますが2700m滑走路と隣接して2700m予備滑走路が維持されており、国際貨物便物流拠点化を見越し400t級貨物機の離発着にも対応する飛行場は、有事の際の防空拠点は勿論、南海トラフ地震に際しての太平洋岸飛行場への重要な予備空港としての位置づけにもある。

 1964年に小松基地はF-104戦闘機運用開始へ滑走路補強延長工事を開始、同じころ全日空が不定期路線の定期路線化を行い、1965年よりF-104運用を開始、今日の小松空港の礎が築かれることとなりました。即ち本年は超音速戦闘機小松運用開始50周年、ともなります。

 日本海唯一の戦闘機部隊基地でもある小松基地は、対岸にロシア空軍と北朝鮮を睨み、精鋭第6航空団がF-15戦闘機40機を以て防空任務に当たっています。第6航空団は、司令部、飛行群、整備補給群、基地業務群より編成されており、飛行群は共にF-15戦闘機を装備する第303飛行隊と第306飛行隊を基幹として編成されています。

 第303飛行隊は第4飛行隊をF-4EJ戦闘機導入に伴い改編し1976年に創設された部隊で、ドラゴンを象った飛行隊マークを記し、1987年より装備航空機をF-15Jへ機種改編しています。第306飛行隊はF-4EJ運用部隊として1981年に創設、同年にF-15Jの日本配備が開始され最後のF-4飛行隊新編となっていまして、1997年にはF-15Jへ機種改編を実施しました。

 小松航空祭ですが、近年他の航空自衛隊航空祭や自衛隊行事全般の傾向と並び、やはり物凄い混雑となります、その昔は10万名もの来場者は考えられないほどだったのですが、今年の航空祭は14万7000名、と冒頭にも記しましたが、広大な基地の一般開放区画が満員となり、さらに基地周辺の公園や田園にも万単位の航空愛好家や家族連れが空を見上げます。

 小松基地ですが、まず本年は十年に一度という大型連休に重なっていますし、小松空港に隣接していますので小松空港から撮影する、また航空祭へ空路で足を運ぶ方も居ます、そして本年あ北陸新幹線金沢開業により足を運びやすくなったという事情も、来場者増大に拍車を掛けたかたち。

 基地への展開は、空港にて空路を利用する、そして小松駅からJR北陸本線を利用しシャトルバスかタクシーもしくは徒歩で移動する、北陸自動車道から直接小松基地を目指す、等が挙げられます。小松駅からは北陸鉄道はじめ多くのバス会社がシャトルバスでピストン輸送を行いますが、それ以上、人数が富士総合火力演習の五倍弱ですので当然ですが、かなり時間を要します、しかし、小松駅から基地まで徒歩で45分ほど、当方は昨年こちらを利用しました。

 航空祭は、一般エリアと脚立エリアに招待席と別れていまして、先進的な試みとして小松基地では他の航空祭の様に脚立を一律禁止するのではなく、脚立愛好家向けの特別区画を用意し、その他区画と分けています、そして毎年ですがプログラムの最後にブルーインパルスが設定されていますので、予定を計画的に行動すればかなり気楽に航空祭を愉しめる、という。

 ブルーインパルスは航空祭の華ですが、同時に一番航空祭へ来場者が集中する時間帯とブルーインパルスは重なります、ですから航空祭の最後に飛行する場合、混雑を避けたい方がたは基地周辺か駅周辺から撮影を行うので、帰宅ラッシュの時間帯を二分化できるのです、そして今年の小松航空祭もその通り。

 本年の航空祭は、0745~0820オープニングフライト、0855~0930機動飛行、0930~1020救難飛行、0955~1105編隊飛行、1045~1100F-2機動飛行&VADS射撃展示、1220~1350ブルーインパルス、という時間設定でした。そこで当方一行は車両にて深夜に小松へ展開、黎明前に駐車場バス乗り場へ、最大限早い時間帯でシャトルバスにより基地へ、編隊飛行撮影後駐車場へ、と。

 機動飛行が朝の一本のみ、となっていましたので時間帯に間違いのないように展開する事が留意事項でしたが、この点幸い予定通り展開できました。撮影機材は、EOS-7DとEOS-7DmarkⅡに予備のEOS-KissX7、レンズはEF40mmにEF-18-200mmISとEF-28-300mmISとEF300mmF2.8、PowershotG-12/16という、即ち、すごく重い。

 航空祭全般ですが、編隊飛行は8機が離陸したものの303飛行隊4機と306飛行隊4機が別々に二群に分かれて展開し、期待した8機編隊飛行は行われませんでした、機動飛行も少々大人しいといいますか、ゆったりとした航空祭という印象でした。なお、保安に関しては本年より全来場者手荷物検査が実施されています。しかし、来場者の期待は大きく、実は本年、一泊を予定して早めに宿泊先を探したのですが、本年は満室が小松市内とその周辺まで、早かったという印象ですね。

 撮影機材が重かったのですが、カメラバックを二つに分けて携行したので、最上級の重量装備で展開しましたが、気持ち身軽に行動できました、雨天予報が無かったということで防滴器具を、一泊しない日帰り予定でしたので着換えを、それぞれ携行せずにしみましたので、その分良かったのかもしれません。

 当方一行は、最前線部隊と後方部隊に分かれ、当方は最前線物語、と前に進みましたが、幸い数か所でよい撮影位置に恵まれ、地元小松の貴重なお話や全国の航空祭の面白いお話を聴くことが出来ました、最後になりましたが、当日ご一緒頂きました皆様、ありがとうございました。

北大路機関:はるな くらま
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コメント (5)
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