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株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

保有バイアスを理解して破るのが仕事です

2014年12月20日 | 不動産業界
行動経済学に出て来る言葉に 
 
“保有バイアス”と言う言葉がありますが 
 
不動産の仕事をするのであれば 
 
この言葉を理解すると 
 
顧客の行動が理解でき 
 
また自らの不合理な行動も抑制できます。 
 
どんな意味かと言うと 
 
“手放す物は得る物より価値がある” 
 
って話です。 
 
相変わらず経済の話しは分かりにくいですが 
 
具体的には自分の所有物は高く評価するのが人間の性質だって事です。 
 
例えば中古車を所有する人が 
 
その車を売るために査定させたとします。 
 
で業者が100万円の値段をつけた 
 
すると所有者は 
 
“そんなに安いんじゃ売らない” 
 
って商談を断る訳です。 
 
が 
 
同じ人が 
 
その同じ中古車を100万で買うかと言うと 
 
逆に 
 
“そんなに高いのであれば買わない” 
 
って事になります。 
 
この心理が 
 
所有バイアスって事です。 
 
なぜこれが不動産の仕事で大切かと言うと 
 
私達の仕事成否がそれに大きく影響されるからです。 
 
例えば 
 
自宅を売りたいと言う相談を受けて査定って事になると 
 
私たちは成約事例やなんかを集めて 
 
そして値段を提示する事になりますが 
 
売主はその時に所有バイアスの心理が働きますから 
 
大抵は 
 
その評価額に不満を示します。 
 
“お宅そんなに安いんじゃ他に頼む” 
 
なんて言葉が出る事もよくある話です。 
 
しかしそんな時に 
 
この顧客の一般的な心理である“所有バイアス”を理解してないと 
 
あの客は相場を理解しようとしないとか何とか 
 
幼稚な結論を出してしまって 
 
せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいます。 
 
ですから 
 
私たちは 
 
市場価格より売主は自分の物件を高く評価してる 
 
この事を理解して 
 
そのバイアスをいかに取り去るか 
 
そこがまさに営業マンの腕の見せ所でもある訳です。 
 
また顧客の立場に立てば 
 
この所有バイアスが強い内は 
 
物件は晒し物になりますので 
 
本当に売りたいのであれば 
 
その心理を取り去る必要があります。 
 
またこれは売買だけではなく賃貸でもよくある話です。 
 
家主が自分の物件の客観的評価を受け入れられないと 
 
アパートは空室だらけになり 
 
結果ビジネスとして考えれば大きなマイナスとなります。 
 
ですから 
 
この所有バイアス 
 
売主も家主も克服する必要がある訳ですが 
 
実はこれ簡単ではありません 
 
実際私達不動産屋にもプロでありながら 
 
この所有バイアスが強すぎる人がいます。 
 
お客様が少し指値を入れただけで 
 
気分を害し 
 
“その客は断ってくれ” 
 
なんて言い出す買い取り業者 
 
私は何人も見てきました。 
 
それだけならまだしも 
 
信じられない話しですが 
 
アットーホームで回ってる物件に客付したら 
 
売主である不動産屋が 
 
“やっぱりその値段は安すぎたから200万高く買って貰って” 
 
なんて言った例ありました。 
 
まあそれで商売が出来る訳ありませんよね。 
 
ほどなく消え去りましたが 
 
この所有バイアス 
 
プロであっても取り去るのは難しいって事です。 
 
ですから 
 
お客様に対しては 
 
単純な話法で攻めるのではなく 
 
高度な戦略が必要だって事です。 
 
 
単純に査定して 
 
売りましょうなんて話になるのであれば 
 
不動産屋は誰でも出来ます。 
 
この所有バイアスが存在するから 
 
営業マンがふるいにかけられ 
 
生き残る者と 
 
はじかれる者に分かれる訳です。 
 
ですから 
 
ライバルを排除すると言う意味では 
 
この所有バイアス 
 
出来る営業マンにとっては有難い存在とも言える訳です 
 
 

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