集合場所の駅には集合時間18時の1時間半前についた。
すでになんか緊張している。
でもこの駅は毎回自分を楽しくしてくれる。バスがたくさんいるのだ。ちょうど羽田空港行きバスが出るところだったが、乗客はゼロで発車していった。逆に羽田空港からの到着便は30名以上の乗客を吐き出した。昨日で終わったゴールデンウィークの余波だろうか、小さな子供も何人か見受けた。
さあ、下見。この駅は年に数回訪れるが、気づいてみると飲み屋はあまり使ったことなく、事前にパソコンで調べておいた店の正確な場所を知るには一度その場所へ訪れる必要があった。
それでも迷うことなく発見。このエリアなら来るたびに通るからよく知っている。少し安心。場所って大事だなとつくづく思う。これが知らない場所だとそれだけでまた緊張してしまっただろう。この店は妹に聞いて決めた。以前、横浜店を訪れたときはよかったから、と。お勧めのメニューをさっきメールで聞いておいた。その一番下にあった「がんばれ~」の文字。妹が自分を応援してくれるなんて珍しいな。ってか、昨夜のちょっとした会話で、今日の趣旨をちゃんと把握していたんだ
。少しびっくり。いつもは僕のこと、気にかけないのに。
帰りの道もちゃんと調べておく。その途中の喫茶店も。自分の計画では、飲み屋で2時間、酔い覚ましの喫茶店で1時間、計3時間ほどで、21:30には解散する予定であった。終バスを逃すと大変だし、まあこれくらいの長さが適切だろうと勝手に決めておいた。幸い、駅までの短い距離の間にも喫茶店はいくつも存在し、中には利用したこともある店もあった。これなら問題ない。
一通り下見は終了。こういう準備は念入りにしないと気がすまない。というか落ち着かない。初めてのことだ、できることは全てやっておくに越したことはない。
まだ時間があったので、駅前のマックで100円のフレーバーティーを頼む。しかし、やはりまだ緊張しており、ほとんど口をつけることはできなかった。それでもなんとか気を落ち着かせようと、静かに思いをはせた。
この日が実現するのは、自分にとってはそう簡単なことではなかった。就職活動終了、同じ血液型という共通項を理由に誘いのメールをしたのはよく覚えている、先月下旬の火曜日だ。サークルの中で、これに該当する人は自分と、もう一人だけだった。しかし、メールはなかなか返ってこなかった。
やっぱり、だめか。逆に、こんな誘いをして相手を悩ませてしまったなら、それは、申し訳ないことをしたな。これって自分の都合だけしか考えていないんじゃないか。相手のことを本当に考えるなら、そもそもこんな誘いをするのはNGではないか。そんなことを考えていると3日後に返信が来たりする。
うれしかったな。3日待たされても。そして、そのメールに対して返信するとまた3日来なかったりする。だから、自分もその日に返信したい気持ちを抑えて、わざと1日置いて返信をする。
長く待ったメールを受け取っても、すぐには読めなかった。怖かったのだ。なにかうまい理由をつけて、断られるんじゃないか、と。そのあたりは長けていそうな人だと踏んでいた。受信ボックスの名前のところまで来て、そのまま5分10分と固まった。いくら待っても、内容は変わらないのに・・・。開ける瞬間は、まるで受験の結果を見る、そんな心境だった。
結局、集合場所が決まったのは、当日だった。最後の最後まで、返信は遅く、自分は最後の最後まで心配だった。急用ができた、風邪をひいた。当日でも断る理由はいくらでもある。しかし、自分は最後に「気をつけて来てね」と送ることができたのだ。集合日時も、場所も決まった。大学の授業中のことだった。授業の内容などまったく耳に入って来なかった。
さて、集合時間まであと少し。マックを出て、集合場所に向かう。しかし、早く出すぎたためにそのまま行っては17分前には着いてしまいそうだった。仕方ないから駅前をぐるっと一周し、10分前ちょうどに待ち合わせ場所に行く。集合場所に行くのは10分前から、という自分の要らぬお決まりは今日も不滅だった。
アナログの時計の針は少しずつ確実に、18時に向かっていく。それまでの間も、ずっと考えた。
今日の目的は?
1年の7月の前期試験の最終日の部室。たぶんそこが始まりだったんじゃないか。はっきり覚えていないが。2人しかいない部室で小1時間ほど話をした。惹きこまれた。共通点がなんか多かったからか。理由はよくわからない。でも、そのときの笑顔が今でも忘れられない。
その気持ちを確かめたかった。最近ずっと会っていなかったから。話をして、確かめたかった。
もう1つ確かめたかったのは、まだ続いているのかということ。自分の楽観的かつ利己的予想では、ひょっとしたらもう終わっているのではないか、と。
そう、今日は第1段階であり、ひょっとしたら1段上がって、次の段はもう下がっているかもしれない。そして、今日は純粋に友達として、ともに就職活動の終了を祝いに来たんだ、と。上記目的は二次的なものであり、本来の目的ではないんだ、と。
そうして、時計の針はもうすぐで18時をさそうとした。と、震える携帯電話。電話番号の表示は、今待っている相手だ。名前は表示されない。昔あきらめて、忘れようとして、アドレスを消したから。
出てみると、15分ほど遅れるとの事。どきっとした。3分前に断れたんでは、この先3年間は引きずっただろう。
ゆっくり来て大丈夫だから、と伝えた。バスをみてるから、と。相手は自分の趣味を知っている。先ほどの空港バスが発着する乗り場にまた戻ったが、あいにく一台も現れず、代わりに、自分の時計を何度も見た。
15分後、確かに来た。確かにやってきた。最初、何を話していいのか分からなかったが、すぐになんとか軌道にのせた。自分も相手もO型、沈黙を作らず、和やかな雰囲気を保つよう努力することは怠らない。基本的に1対1は苦手だが、この人と会話を持続させることには自信があった。
連休明けの平日、店は混んでるはずもなかった。
そして自信は確信へと変わる。飲み屋で2時間、の予定はあざ笑われるかのように予定でしかなくなり、結局4時間同じ店に居座ることになったのだ。
何を話した?
就職活動のこと、アルバイトのこと、弟妹のこと、・・・。
「まだ続いてる?」
聞かなかった。聞けなかった。聞くまでもなかった。
予定時刻を大幅にオーバーし、退店。店から駅までの短い道。まだまだ続けばいいと思った。改札まで見送る。改札の中に入り、どんどん小さくなっていくその人を最後まで見届ける・・・その人も振り返り手を振ってくれた。笑顔だった。
で?
分からなくなった。結局、どういう気持ちなの?次の日の早朝のバイト中も、授業中も、頭に上ってくる。
そう、確かなのは、自分は友達でありそれ以上でもそれ以下でもない。これを抜け出すことは不可能なのだ。まだ続いていた。
どうしても、(言い方は悪いが)手に入れられない。これをどうしても得たい。独占欲?これが、その人への気持ちを助長させている気がする。よって、もし、手に入れることができれば、それだけで満足し、気持ちは冷め、もうどうでもよいと思うようになってしまうおそれがある。
そして、その人の相手に自分は納得できてない。ふさわしくない。自分の勝手な、本当に身勝手なその人への偶像にあてはまならいその人の相手、それをどうにかしていなくし、その人を自分の抱いている像へと近づけたい。その手段として、自分が介入する。自分の気持ちはその人を本当に好き、というものではないのかもしれない。その可能性が高い。
折りしも、翌日、その人について友人と話した。友人のその人についての考えを聞いて、また考えさせられた。
自分には、人には見せない、家でしか見せないような自分がいる。それは、とてもじゃないけど友人には見せられない。黒い自分がいる。
外面は悪くはないほうだと自負している。友人の前では楽しく話す。それは自然な自分。最近気づいたが、別に作っている自分ではなく、これもまた自然な自分だろう、と。その一方でいる、ブログという匿名性が高い表現の場でも書くのを躊躇するような黒い自分。それもまた、自然な自分だ。
この表裏のある自分を受け入れてくれることができる人だと思っていた。しかし、友人と話していて、ひょっとして、それは間違いなのかもしれないと思うようになった。それなら、この人とのことは、やはり断ち切らなくてはならない。もし、万が一、友達の領域を抜ければ、その人に、もう一方の自分を見せることになるだろう。その人は耐えられないかもしれない。それは自分にとっても相手にとっても、不幸なことだ。
ここまで思って、いや、ひょっとしたら、それならそれで、その人のためなら黒い自分を消す事だってできるんじゃないか、という気持ちも湧き出てきた。
なんだ、結局わからないんじゃないの。
だから、もう、やめようじゃないか。あの4時間を作り出すのに、君はどれだけ苦労したんだよ。なら、やっぱりやめようじゃないか。このまま進むのはよくない。そのほうが相手のためでもあるんじゃないの。
でも、4時間、楽しかったのは事実だよね。まだ時間が足りない、と感じた。これって、正直にそのまま従ってもいいんじゃないの?
じゃあ、まだ、次誘う?
いや、もう、やめようよ。これ以上、もがいたって仕方ないよ。
いや、やっぱり・・・
※人生の中でもかなり印象的なイベントだと思われたので、直截的に書き込んでみた。おそらく、一連全てを後悔することになるでしょう。でも、このブログは自分の記録の場であるから、恐れず、恥じず・・・。
すでになんか緊張している。
でもこの駅は毎回自分を楽しくしてくれる。バスがたくさんいるのだ。ちょうど羽田空港行きバスが出るところだったが、乗客はゼロで発車していった。逆に羽田空港からの到着便は30名以上の乗客を吐き出した。昨日で終わったゴールデンウィークの余波だろうか、小さな子供も何人か見受けた。
さあ、下見。この駅は年に数回訪れるが、気づいてみると飲み屋はあまり使ったことなく、事前にパソコンで調べておいた店の正確な場所を知るには一度その場所へ訪れる必要があった。
それでも迷うことなく発見。このエリアなら来るたびに通るからよく知っている。少し安心。場所って大事だなとつくづく思う。これが知らない場所だとそれだけでまた緊張してしまっただろう。この店は妹に聞いて決めた。以前、横浜店を訪れたときはよかったから、と。お勧めのメニューをさっきメールで聞いておいた。その一番下にあった「がんばれ~」の文字。妹が自分を応援してくれるなんて珍しいな。ってか、昨夜のちょっとした会話で、今日の趣旨をちゃんと把握していたんだ
。少しびっくり。いつもは僕のこと、気にかけないのに。
帰りの道もちゃんと調べておく。その途中の喫茶店も。自分の計画では、飲み屋で2時間、酔い覚ましの喫茶店で1時間、計3時間ほどで、21:30には解散する予定であった。終バスを逃すと大変だし、まあこれくらいの長さが適切だろうと勝手に決めておいた。幸い、駅までの短い距離の間にも喫茶店はいくつも存在し、中には利用したこともある店もあった。これなら問題ない。
一通り下見は終了。こういう準備は念入りにしないと気がすまない。というか落ち着かない。初めてのことだ、できることは全てやっておくに越したことはない。
まだ時間があったので、駅前のマックで100円のフレーバーティーを頼む。しかし、やはりまだ緊張しており、ほとんど口をつけることはできなかった。それでもなんとか気を落ち着かせようと、静かに思いをはせた。
この日が実現するのは、自分にとってはそう簡単なことではなかった。就職活動終了、同じ血液型という共通項を理由に誘いのメールをしたのはよく覚えている、先月下旬の火曜日だ。サークルの中で、これに該当する人は自分と、もう一人だけだった。しかし、メールはなかなか返ってこなかった。
やっぱり、だめか。逆に、こんな誘いをして相手を悩ませてしまったなら、それは、申し訳ないことをしたな。これって自分の都合だけしか考えていないんじゃないか。相手のことを本当に考えるなら、そもそもこんな誘いをするのはNGではないか。そんなことを考えていると3日後に返信が来たりする。
うれしかったな。3日待たされても。そして、そのメールに対して返信するとまた3日来なかったりする。だから、自分もその日に返信したい気持ちを抑えて、わざと1日置いて返信をする。
長く待ったメールを受け取っても、すぐには読めなかった。怖かったのだ。なにかうまい理由をつけて、断られるんじゃないか、と。そのあたりは長けていそうな人だと踏んでいた。受信ボックスの名前のところまで来て、そのまま5分10分と固まった。いくら待っても、内容は変わらないのに・・・。開ける瞬間は、まるで受験の結果を見る、そんな心境だった。
結局、集合場所が決まったのは、当日だった。最後の最後まで、返信は遅く、自分は最後の最後まで心配だった。急用ができた、風邪をひいた。当日でも断る理由はいくらでもある。しかし、自分は最後に「気をつけて来てね」と送ることができたのだ。集合日時も、場所も決まった。大学の授業中のことだった。授業の内容などまったく耳に入って来なかった。
さて、集合時間まであと少し。マックを出て、集合場所に向かう。しかし、早く出すぎたためにそのまま行っては17分前には着いてしまいそうだった。仕方ないから駅前をぐるっと一周し、10分前ちょうどに待ち合わせ場所に行く。集合場所に行くのは10分前から、という自分の要らぬお決まりは今日も不滅だった。
アナログの時計の針は少しずつ確実に、18時に向かっていく。それまでの間も、ずっと考えた。
今日の目的は?
1年の7月の前期試験の最終日の部室。たぶんそこが始まりだったんじゃないか。はっきり覚えていないが。2人しかいない部室で小1時間ほど話をした。惹きこまれた。共通点がなんか多かったからか。理由はよくわからない。でも、そのときの笑顔が今でも忘れられない。
その気持ちを確かめたかった。最近ずっと会っていなかったから。話をして、確かめたかった。
もう1つ確かめたかったのは、まだ続いているのかということ。自分の楽観的かつ利己的予想では、ひょっとしたらもう終わっているのではないか、と。
そう、今日は第1段階であり、ひょっとしたら1段上がって、次の段はもう下がっているかもしれない。そして、今日は純粋に友達として、ともに就職活動の終了を祝いに来たんだ、と。上記目的は二次的なものであり、本来の目的ではないんだ、と。
そうして、時計の針はもうすぐで18時をさそうとした。と、震える携帯電話。電話番号の表示は、今待っている相手だ。名前は表示されない。昔あきらめて、忘れようとして、アドレスを消したから。
出てみると、15分ほど遅れるとの事。どきっとした。3分前に断れたんでは、この先3年間は引きずっただろう。
ゆっくり来て大丈夫だから、と伝えた。バスをみてるから、と。相手は自分の趣味を知っている。先ほどの空港バスが発着する乗り場にまた戻ったが、あいにく一台も現れず、代わりに、自分の時計を何度も見た。
15分後、確かに来た。確かにやってきた。最初、何を話していいのか分からなかったが、すぐになんとか軌道にのせた。自分も相手もO型、沈黙を作らず、和やかな雰囲気を保つよう努力することは怠らない。基本的に1対1は苦手だが、この人と会話を持続させることには自信があった。
連休明けの平日、店は混んでるはずもなかった。
そして自信は確信へと変わる。飲み屋で2時間、の予定はあざ笑われるかのように予定でしかなくなり、結局4時間同じ店に居座ることになったのだ。
何を話した?
就職活動のこと、アルバイトのこと、弟妹のこと、・・・。
「まだ続いてる?」
聞かなかった。聞けなかった。聞くまでもなかった。
予定時刻を大幅にオーバーし、退店。店から駅までの短い道。まだまだ続けばいいと思った。改札まで見送る。改札の中に入り、どんどん小さくなっていくその人を最後まで見届ける・・・その人も振り返り手を振ってくれた。笑顔だった。
で?
分からなくなった。結局、どういう気持ちなの?次の日の早朝のバイト中も、授業中も、頭に上ってくる。
そう、確かなのは、自分は友達でありそれ以上でもそれ以下でもない。これを抜け出すことは不可能なのだ。まだ続いていた。
どうしても、(言い方は悪いが)手に入れられない。これをどうしても得たい。独占欲?これが、その人への気持ちを助長させている気がする。よって、もし、手に入れることができれば、それだけで満足し、気持ちは冷め、もうどうでもよいと思うようになってしまうおそれがある。
そして、その人の相手に自分は納得できてない。ふさわしくない。自分の勝手な、本当に身勝手なその人への偶像にあてはまならいその人の相手、それをどうにかしていなくし、その人を自分の抱いている像へと近づけたい。その手段として、自分が介入する。自分の気持ちはその人を本当に好き、というものではないのかもしれない。その可能性が高い。
折りしも、翌日、その人について友人と話した。友人のその人についての考えを聞いて、また考えさせられた。
自分には、人には見せない、家でしか見せないような自分がいる。それは、とてもじゃないけど友人には見せられない。黒い自分がいる。
外面は悪くはないほうだと自負している。友人の前では楽しく話す。それは自然な自分。最近気づいたが、別に作っている自分ではなく、これもまた自然な自分だろう、と。その一方でいる、ブログという匿名性が高い表現の場でも書くのを躊躇するような黒い自分。それもまた、自然な自分だ。
この表裏のある自分を受け入れてくれることができる人だと思っていた。しかし、友人と話していて、ひょっとして、それは間違いなのかもしれないと思うようになった。それなら、この人とのことは、やはり断ち切らなくてはならない。もし、万が一、友達の領域を抜ければ、その人に、もう一方の自分を見せることになるだろう。その人は耐えられないかもしれない。それは自分にとっても相手にとっても、不幸なことだ。
ここまで思って、いや、ひょっとしたら、それならそれで、その人のためなら黒い自分を消す事だってできるんじゃないか、という気持ちも湧き出てきた。
なんだ、結局わからないんじゃないの。
だから、もう、やめようじゃないか。あの4時間を作り出すのに、君はどれだけ苦労したんだよ。なら、やっぱりやめようじゃないか。このまま進むのはよくない。そのほうが相手のためでもあるんじゃないの。
でも、4時間、楽しかったのは事実だよね。まだ時間が足りない、と感じた。これって、正直にそのまま従ってもいいんじゃないの?
じゃあ、まだ、次誘う?
いや、もう、やめようよ。これ以上、もがいたって仕方ないよ。
いや、やっぱり・・・
※人生の中でもかなり印象的なイベントだと思われたので、直截的に書き込んでみた。おそらく、一連全てを後悔することになるでしょう。でも、このブログは自分の記録の場であるから、恐れず、恥じず・・・。