井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

野幌森林公園の花2シャクジョウソウなど

2014年08月21日 | 日記


シャクジョウソウ。イチヤクソウ科シャクジョウソウ属。
初夏に花をつける葉緑素をもたないギンリョウソウと同じイチヤクソウ科だが、属が異なる。
ギンリョウソウは1本の茎に1花しかつけないが、シャクジョウソウでは数個の花(総状花序)をつける。修験者などが持ち歩く「錫杖(しゃくじょう)」に見たてての命名である。
腐生植物と呼ばれることもあるが、生物の死骸を分解する能力はなく、菌根菌を介して樹木から栄養を得て生きる。菌寄生とも呼ばれる。



オオキヌタソウ。アカネ科アカネ属。
キヌタは「砧」と書き、昔布を柔らかくするのに使った道具。普通のイメージでは円筒形の
木に柄がついたものだが、球形の果実に柄のついた形を砧に見立てて「オオキヌタソウ」と呼ぶ。
ヤエムグラ属のエゾキヌタソウやミヤマキヌタソウは花冠が4個で葉に柄がないが、アカネ属のオオキヌタソウは花冠が5個で4輪生の葉には柄がある。
ヤエムグラ属は乾果だが、アカネ属のオオキヌタソウは液果である。



エビガライチゴ。バラ科キイチゴ属。
茎、花序、葉柄などに紅色の腺毛が密生し、これを「エビの殻」に見立てて「エビガライチゴ」と呼ぶ。
キイチゴの仲間は低木とされるが、茎の寿命は1年半ほどしかなく木本と草本の中間的な存在である。
1年目の枝は葉をつけるだけで、2年目に花をつけ結実しその枝は枯れる。
果実はいわゆる「キイチゴ果」で多数の雌しべがそれぞれに小さな果実(核果)を作り花托の上に集まる。
イチゴ果も似ているが集まる小果実が核果ではなく「痩果」である。
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