井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

樹木ウォッチング冬から夏へ414ドロノキ3

2018年01月31日 | 日記


ドロノキの雌花序アップ。ヤナギ科ヤマナラシ属。
子房は緑色で花柱は3個、柱頭は黄色。



ドロノキの果実。
果実は蒴果で熟すと果皮が4個に裂けて白い綿毛のついた種子を多く出す。



ドロノキの種子。
左程大きくない蒴果からビックリするくらい大量の綿毛のついた種子をだす。
ヤナギの仲間は綿毛のついた種子を風に乗せて飛ばす。これを一般に「柳絮(りゅうじょ)」という。
絮の字は一般には余り使われていないが、「わた」とも呼び、「柳絮」は春の季語にもなっている。
中国では細葉の「柳」と、広葉の「楊」と使い分けていて、ドロノキの綿毛の方は「楊絮(ようじょ)」と使い分けることもある。
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樹木ウォッチング冬から夏へ413ドロノキ2

2018年01月30日 | 日記


ドロノキの芽ぶき(雄株)。ヤナギ科ヤマナラシ属。
ドロノキは開花が開葉より先行する。
この株は雄株、上向きの冬芽から雄花序が伸び出し、開花当初は朱紅色の葯が目立つ。雄花序はやがて下垂する。



ドロノキの雄花序(花後)。
ドロノキの雄花、雄しべは30~40個で開花直後は朱紅色の葯が目立つが、花粉を出し終えると苞につく長い毛が目立つようになる。



ドロノキの雌花序。
雌花序も円筒形で、少し湾曲し下垂する。
葉は開花より少し遅れて展開する。
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樹木ウォッチング冬から夏へ412ドロノキ1

2018年01月29日 | 日記


ドロノキの樹皮、ヤナギ科ヤマナラシ属。
淡褐色に緑色を帯びてヤマナラシによく似ている。
菱形の皮目もあって、樹皮だけでヤマナラシと見分けるのは大変難しい。
ヤマナラシ属の学名はポプルス、ポプラの仲間を示す。参考書によっては「ハコヤナギ属」と呼ぶのもある。
ドロノキは、樹皮が泥のようだからとか、材が泥のように柔らかいからという語源説もあるが、松前藩の時代から「デロ」と呼ばれていたというから、それが一番説得力のある語源説といえる。



ドロノキの冬芽。
ヤマナラシの冬芽が長卵形であるのに対してドロノキの冬芽は紡錘形、細長くスリム。
ヤナギ属の冬芽は芽鱗が1枚だが、ドロノキの冬芽、芽鱗は3~4枚。
冬の樹木ウォッチングでは、ヤマナラシと見分けるポイントは冬芽となる。



ドロノキの葉。
ドロノキの葉は広楕円形でスペード形のヤマナラシとははっきり異なる。春~夏の樹木ウォッチングでのヤマナラシと見分けるポイントとなる。葉脈は表面側では凹み、裏面側では突出する。葉裏は白っぽくなる。
ヤマナラシとの違いは葉柄にもある。ヤマナラシの葉柄が扁平であるのに対して、ドロノキの葉柄は円柱形で上面に溝がある。
 
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樹木ウォッチング冬から夏へ411ヤマナラシ3

2018年01月28日 | 日記


ヤマナラシの雌花序。ヤナギ科ハコヤナギ属。
ヤナギ属の花穂は雄花序の場合も雌花序の場合も直立する(上向きにつく)が、ヤマナラシの花序は雄、雌何れも下垂する。
側芽から雌花序が出て、頂芽からは葉が展開している。



ヤマナラシの幼果実。
果実は蒴果で熟すと裂開して綿毛のついた種子を風に乗せて飛ばす。



ヤマナラシ類の種子。
風で運ばれる種子、芽出し適地に着地するとは限らず、道路脇などに吹き寄せられることも生じる。
ヤナギ類の種子は寿命が短く、芽出し不適地に着地した種子は枯れ死してしまう。
ヤナギの仲間に対して日本語では「柳」の字が当てられるが、中国では細葉のヤナギ属に対して「柳」をあて、広葉のハコヤナギ属に対しては「楊」の字をあて使い分けている。
風に乗って飛ぶヤナギの種子、ヤナギ属に対しては「柳絮(りゅうじょ)」といい、ハコヤナギ属のに対しては「楊絮(ようじょ)」と呼ぶ。ちなみに絮(じょ)の字は「わた」の意味。
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樹木ウォッチング冬から夏へ410ヤマナラシ2

2018年01月27日 | 日記


ヤマナラシの芽吹き。ヤナギ科ヤマナラシ属。
ヤナギ科の仲間は雌雄異株。
ヤマナラシは葉の展開前に開花する。側芽から下垂しているのは先に開花した雌花、受粉後と考えられる。
展開したばかりの葉は赤みを帯びている。幼い葉・芽を保護するUV対策。



ヤマナラシの葉。
左:ヤマナラシ 右:ドロノキ
ヤマナラシの葉は広卵形~スペード形、楕円形のドロノキとははっきり異なる。
ヤマナラシの葉柄、左右から押しつぶされた形で扁平になっている。そのため僅かな風でも葉が揺れて「さわさわ」と音をたてるので「山鳴らし」の名がついたと言われる。



ヤマナラシの蜜腺。
ヤマナラシの葉、葉身の基部に蜜腺があり、アリを誘い寄せる。
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