井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

樹木ウォッチング冬から夏へ149カエデ科の仲間

2017年04月30日 | 日記


ヤマモミジの葉。カエデ科カエデ属。
カエデ科で日本に自生するのはカエデ属のみ。
カエデの語源は「蛙手(かえるで)」で、手のひら状の葉が由来とされる。
確かにカエデ科の多くは掌状に裂ける葉が多く、写真はヤマモミジの葉で掌状葉の代表ともいえる。



チドリノキの葉。カエデ科カエデ属。
チドリノキの葉は同じカエデ属ながら掌状葉にならず、単葉である。
チドリノキは北海道には自生せず、この写真は富士山中腹で撮ったもの。



メグスリノキ。カエデ科カエデ属。
カエデ科の中には、メグスリノキのような3出複葉のものもあり、緑化樹ではあるがネグンドカエデのように羽状複葉(普通5小葉)のものもある。



イタヤカエデの葉。
イタヤカエデの葉は掌状に裂ける葉でヤマモミジに似ているが、ヤマモミジの葉には鋸歯があるのに対してイタヤカエデの葉には鋸歯がなく、分類上一つのポイントにもなっている。
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樹木ウォッチング冬から夏へ148コシアブラ3

2017年04月29日 | 日記


コシアブラの果実。ウコギ科ウコギ属。
果実は液果,4~5mmのややつぶれた球形で紫黒色に熟す。
落葉痕の上に冬芽も覗いている。



コシアブラの種子。
種子は扁平な半球形、鳥散布。



コシアブラの白葉。
落葉広葉樹の葉は落葉する前に葉緑素を分解して窒素分などを回収する(窒素分は不足しがちだから・・)。
葉緑素が抜けて黄色の色素カロチノイドが現れて黄色になるのが黄葉のメカニズム。
コシアブラの葉はカロチノイドなど黄色の色素がすくないことで、葉は全体的に白っぽくなる。
コシアブラの樹脂を漉したものは「金漆(ごんぜつ)」と呼び、金属の錆止めの塗料として利用された。
「漉し油(こしあぶら)」の名はそこから名付けられたという。
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樹木ウォッチング冬から夏へ147コシアブラ2

2017年04月28日 | 日記


コシアブラの葉。ウコギ科ウコギ属。
ウコギ属の仲間、5小葉の掌状複葉がつく。
コシアブラは高木になるだけに葉もケヤマウコギなどより大きい。
大きいだけでなく、コシアブラの場合明瞭な小葉柄があって、ケヤマウコギやエゾウコギなどと見分けられる。小葉柄の先は細くなり尖る。



コシアブラの花序。
本年枝の先に長い柄のある散形花序をだし、黄緑色の小さな花を多数つける。



コシアブラの花。
雄花と両性花に別れることが多い。
花序の上部には雌性の両性花がつき、周辺部には雄性の花序がつく。
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樹木ウォッチング冬から夏へ146コシアブラ1

2017年04月27日 | 日記


コシアブラの冬芽1.ウコギ科ウコギ属
冬芽は円錐形で、1年生枝は太い。
頂芽は大きく、側芽は小さい。葉痕はV字型で維管束痕は11~16個。  



コシアブラの冬芽2.
同じウコギ属のケヤマウコギやエゾウコギの小枝には刺がつくが、コシアブラの小枝には刺がつかない。
ケヤマウコギやエゾウコギが低木であるのに対してコシアブラは高木になるし、刺の有無の違いもあって、分類の考え方でコシアブラ属と別属にすることもある。
コシアブラには側生枝が少なく、短枝ができやすい。この写真のような芋虫状の短枝の冬芽が多くなる。



コシアブラの開葉。
ウコギ科の樹には特有な香りを持つものが多く、若葉が山菜として利用される。
北海道では仲間のタラノキに人気が集まるが、東北ではコシアブラの芽に軍配があがるという。
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樹木ウォッチング冬から夏へ145エゾウコギ2

2017年04月26日 | 日記


エゾウコギの蕾。ウコギ科ウコギ属。
枝先に球状の散形花序を2~4個つける。



エゾウコギの花序。
淡黄白色の小さな花を多数つける。
頂生の花序には両性花がつき、側生の花序には雄花をつける。花弁も雄しべも5個。



エゾウコギの果実。
果実は液果で黒紫色に熟す。鳥散布。
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