大雪山・赤岳の雪田。
北海道は高緯度で平均気温が低いことから、低山でも高山植物が見られる。
大雪山は最高峰・旭岳でも標高2290mだが本州の3000m峰に匹敵する。日本一長く雪が残る山と言われ、日本一遅くまで高山植物が見られるとも言われる。
このように雪田が多く残り、雪田の周囲に多くの高山植物が見られる。エゾノツガザクラもその一つ。
エゾノツガザクラの葉と花。ツツジ科ツガザクラ属。
東北~北海道の高山帯で適度に湿り気のある岩場や草地に生える常緑小低木。
「ツガザクラ」は「栂桜」と書く。ツガは福島県以南に分布するマツ科ツガ属の針葉樹で、ツガザクラは葉がそのツガに似ていて、花がサクラ色であることからの名であるという。
エゾノツガザクラは北海道産のツガザクラ、花はツボ形で下向きに咲く。
エゾノツガザクラの幼果実。
花後、うなだれていた花柄を起こして幼果実を上向きに変える。花柱が上向きに残っている。
果実は蒴果で、種が熟せば裂開して種子をこぼす。下向きの花から果実を上向きにするのは、種子散布状必要があるということ。