井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

巻きヒゲ・タイプのツタ1

2015年11月30日 | 日記


ツタの長枝につく葉。ブドウ科ツタ属。
ツタには異形葉性(同じ個体の中に形などの異なる葉が存在する)がある。
このような長枝には、切れ込みのない葉に3裂する葉、3出複葉が混じる。一般に短枝につく葉より葉柄が長い。



短枝につく葉は長い葉柄があり、3裂する。



ツタウルシ、幼木の葉。
ツタウルシにも異形葉性があり、普通の葉が全縁(鋸歯がない)であるのに対して、幼木の葉には鋸歯があり、これがツタの長枝につく3小葉の葉に似るところから「ツタウルシ」の名がついたと言われる。
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巻きヒゲ・タイプのエビヅル

2015年11月29日 | 日記


エビヅルの冬芽。ブドウ科ブドウ属。
「葡萄」と書いてブドウと読むが「エビ」とも読み、ヤマブドウの果実の色を「エビ色」という。
「葡萄かずら」はブドウ科植物の古名で「エビヅル」の名はそこからつけられたものだという。
冬芽はヤマブドウによく似ていて、冬芽だけで見分けるのは難しい。
ブドウ属の仲間、北海道にはヤマブドウが圧倒的に多く、エビヅルは少ない。



エビヅルの葉。
ヤマブドウの葉は五角状心円形で、エビヅルの葉はヤマブドウより小型で3~5裂に切れ込む。
葉裏にクモ毛が密生する点はヤマブドウと同じ。
北海道のブドウ属、ヤマブドウ、エビヅルの他に葉が三角形の「サンカクヅル」も自生するが、エビヅルより更に少ない。



エビヅルの花序。
ヤマブドウと同じで、雌雄異株で花序は葉と対生する。5個の花弁が合着して開花と同時に脱落する点もヤマブドウと同じ。
ただ、花序はヤマブドウと比べて小さい。
果実はヤマブドウより甘味が強い。
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巻きヒゲ・タイプのヤマブドウ3

2015年11月28日 | 日記


ヤマブドウの果実。
液果で黒紫色に熟し、北海道ではヒグマが好んで食べる。
現在栽培されるブドウの約7割はワイン用で、約3割が生食用、これにレーズン用が若干混じる。
ワイン用の品種はヨーロッパ系と北米系に大別されるが、近年、ヤマブドウが新品種づくりに利用され、ヤマブドウ自体で個性的なワインづくりされる例もあるという。



ヤマブドウの紅葉。
葉が大きく、変化に富んだ紅葉を見せる。



ヤマブドウの虫こぶ。
ブドウトックリタマバエというタマバエの1種が卵を産みつけてできた虫こぶ。
孵った幼虫が虫こぶの中で樹液を吸い成長していく。虫こぶ名:ヤマブドウハトックリフシ。
ブドウは「葡萄」と書き、中国では「プータオ」と読むというが、元々はペルシャ語の「Budaw」からきていて、日本語読みのブドウは原語に近いともいう。
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巻きヒゲ・タイプのヤマブドウ2

2015年11月27日 | 日記


ヤマブドウの雄花序。
ヤマブドウは雌雄異株。
花弁5個は合着したまま開花時に帽子を脱ぐようにして脱落する。雄花の雄しべ(花糸)は長い。
ブドウは人類が最も早く栽培を始めた果樹で、近年までは生産量が全果実の半分ほどあったという。



ヤマブドウの雌花序。
短い雄しべがあって形としては両性花だが、雄しべは退化していて機能的に雌花である。
5個の花弁が合着したまま開花時に帽子を脱ぐようにして脱落する点は雄花と同じである。
野生種のヤマブドウは雌雄異株だが、栽培種のブドウは両性花をつけ、自家受粉もする。人間に都合のいいように品種改良されたもの。



ヤマブドウの樹皮。
ヤマブドウの樹皮には皮目はなく、縦に剥がれる。
剥がした皮は丈夫で、アイヌは靴や籠、袋に加工したという。強度もあるので、チセの骨組みを結び、固定するのに利用する。
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巻きヒゲ・タイプのヤマブドウ1

2015年11月26日 | 日記


ヤマブドウの冬芽。ブドウ科ブドウ属。
1年生枝は割と太く、冬芽は巻きヒゲと対生するものと、巻きヒゲを欠くものとがある。



ヤマブドウのツル。
ブドウ属の巻きヒゲは2節だして1節休むということを繰り返す。
巻きヒゲの出ている2節では巻きヒゲと葉は対生し、出ない節では葉だけとなる。(葉は互生)
ブドウ属の巻きヒゲの起源は枝(茎)とされる。



ヤマブドウの葉と蕾。
ヤマブドウの葉は5角状心円形、基部は深いハート型。葉裏にはクモ毛が密生していて白っぽく見える。
蕾(花序)は葉と対生してでる。
アイヌはヤマブドウの葉とオオイタドリの葉を混ぜてタバコの代用にしたという。
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