
イワヒゲの群落。ツツジ科イワヒゲ属。
高山帯の礫地~岩場、それも風あたりの強い岩場の隙間に垂れ下がるようにして生育する常緑小低木。
イワヒゲも仲間の少ない植物で、寒帯~亜寒帯に数種分布するが、日本ではイワヒゲ1種のみ。
この株は大雪山・赤岳のもの。

イワヒゲの葉。
イワヒゲ属はジムカデ属と近縁で、茎が細く岩を這う点など共通する。相違点、ジムカデ属の葉は線形で互生するのに対して、イワヒゲ属の葉は鱗片状で対生する。その様子は針葉樹のビャクシン類を連想させる。伸長する茎が岩に生えた「ヒゲ」のように見えるというので「岩ヒゲ」の名がある。

イワヒゲの花。
イワヒゲは前年枝の先から花柄を伸ばし、白い釣り鐘状の花を1個ずつ下向きにつける。
この株は大雪山・旭岳姿見平のもの。
イワヒゲは花の形から「ヒメシャクナゲ属」に分類されていたこともあり、ジムカデ同様分類学者を悩ませたという。