井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・オニグルミ3

2021年04月10日 | 日記

オニグルミの芽吹き2.クルミ科クルミ属。

芽吹き直後の枝先、太い1年生枝の先が膨らんだような芽吹きを見せる。特徴的な姿で、この時期のオニグルミはひと目で見分けられる。

オニグルミの雄花序。

オニグルミは雌雄同株(雌雄異花)、同じ個体に雄花序と雌花序をつけ、こちらは雄花序。

葉の展開と同時に開花。雄花序は前年枝の葉腋から垂れ下がり、開花は雌花序より若干早い。紐状に垂れ下がる花序は尾状花序とか穂状花序と呼ばれ、小さな雄花を密につける。

花粉を出し終えた雄花序は樹の周りに落ちる。

オニグルミの雌花序。

雌花序は新枝の先端に直立する。雌花は苞葉、小苞葉、花被片などが合着して袋状になって1個の子房とも合着する。袋状の上部から2本の花柱を拡げ他花からの花粉を待つ。

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北海道の樹木ウォッチング・オニグルミ2

2021年04月09日 | 日記

オニグルミの葉。クルミ科クルミ属。

オニグルミの葉は奇数羽状複葉、小葉の花は広く、小葉と小葉とが重なりあう位になる。小葉は11~19枚。葉の裏や枝には、星状毛や腺毛が密生するが、花後には落ちてしまうことが多い。

オニグルミの樹皮。

オニグルミの樹皮は「縦裂け型」、縦に裂け目が入るが間に平滑面も残る。平滑面は若い樹程多く、老木では少なくなる。ところどころに横向きの切れ目が入り、隠芽の膨らみも点在する。

オニグルミの芽吹き。

冬芽が大きい分、オニグルミの芽吹きは非常にダイナミック。

オニグルミの学名(種名)は、スミレ科のスミレと同じ「マンシュリカ」が普通(「日本の野生植物(平凡社)」、「樹に咲く花(山と渓谷社)」など)だが、「エイランチフォリア(読み方に自信なし)」とする参考書(「落葉広葉樹図譜(共立出版)」、「植物に世界(週刊朝日)」など)がある。そうなった理由は分からない。

 

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北海道の樹木ウォッチング・オニグルミ1

2021年04月08日 | 日記

オニグルミの冬芽1。クルミ科クルミ属。

オニグルミの冬芽は太くて大きい。それで1年生枝も太くなる。

オニグルミは芽鱗をもたない裸芽、葉脈が見えている。落葉痕はT字形で「猿面形」とも言われるが、羊の顔も見える。

オニグルミの冬芽2。

葉痕の上に見えている網目模様に見えているのは雄花序の冬芽で裸出している。雌花序は冬芽の中に保護されていて、雄花序の方が先に開花する。雄花序が裸出する樹木は概ねこのタイプ。

オニグルミの冬芽は裸芽であるが、最外側の葉は芽鱗の働きをし内部の芽を乾燥、寒気から守る。そのまま開葉するのが普通だが、条件により芽鱗と同じように落ちることもある。

冬芽には鱗芽と裸芽があり、その中間に「半裸芽」(芽鱗をもつが、冬の間に落ちてしまい裸芽状態になる)があるが、オニグルミの場合は半裸芽より裸芽に近い。

オニグルミの樹形。

樹高の半分から上の部分では主幹がはっきりしなくなる。

一番の特徴は1年生枝が太くてストレートに伸びるところ。

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「北海道の花」から「北海道の樹木ウォッチング」へ

2021年04月07日 | 日記

「井伊影男の植物観察」も昨年10年を超えた。昨日(4月6日)時点で開設から4017日、その間のアップ回数が3858回、アップ率が0、9604、内容はともかく、アップ率においては我ながらよく頑張ったと思う。以前は北海道のあっちこっちに赴き、写真を撮り、ブログの方も自然情報的なものも結構あった。

年を重ね、歳をとり最近はフィールドワークがめっきり減った。ブログの方も自然情報的な形ではもたなくなっている。

新しい写真が撮れていないから、これまでに撮り貯めた写真の整理にかかる。自分の植物観察にかんする知識の整理もかねて、3年程前から「北海道の花」シリーズで草本の紹介をしてきた。自分なりの「観察図鑑」をつくるつもりで、写真と知識の整理をしてきた。科・属ごとに整理を進める。知識を整理するといっても、あやふやな知識だからアップする前に図鑑や参考書でいろいろチェックした。そうすることで自分自身の勉強になるからだ。アマチュアだから不十分なところもあるが、アマチュアだからこそ言えるようなことも言ってきたつもり。

もっと早く今の心境になれていたら、北海道各地で撮ってきた写真も、もっともっとポイントを押さえたいい写真が撮れたはずだが、アマチュアの悲しさで撮り貯めた写真には不満も少なくないし、撮ることの出来た種も限られている。

「北海道の花シリーズ」は私が写真を撮ることの出来た範囲での観察図鑑である。3年続けてきて、草本ではもう紹介すべきものは残っていない。

それで、次は木本の紹介で、「北海道の樹木ウォッチング」ということにする。期待が大き過ぎればがっかりするから、程々の期待で見守って頂けたらと思う。

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北海道の花・ヤブガラシ3

2021年04月06日 | 日記

ヤブガラシの雄性期の花。ブドウ科ヤブガラシ属。

赤橙色の花盤があって子房はその中に埋まっていて、中央に柱頭が見えている。

外側に緑色の花弁が4枚、雄しべ4本は活性化して花粉を出すが、雌しべは活性化してなくて、雄花の働きをする雄性期の花ということになる。

ヤブガラシの雌性期の花。

雄性期の花は花盤の色は赤橙で花弁も雄しべも残っているが、やがて花弁と雄しべを落とし、花盤の色も淡紅色に変化する。柱頭は伸び出して活性化し、雌花の役割をする雌性期の花となる。

雌性期になると花盤は蜜をより多く出すようになるという。写真のようにアリも蜜を舐めにくるが、花粉媒介に結び付かない。

ヤブガラシの果実。

「新北海道の花」では「道内では殆ど結実しない」としているが、結実する個体も稀ではない。

ヤブガラシは雌雄異熟(雄性期と雌性期をずらす)で、自家不和合性があるので近くに仲間が合ってポリネーター(花粉媒介者)がないと結実しない。本州と比べると個体数が少ないので「結実は稀」ということになるのだろう。一旦根づけば、地下茎を伸ばして無性生殖で繁殖する。

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