井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

樹木ウォッチング冬から夏へ208ヌルデ3

2017年06月30日 | 日記


ヌルデの雌花。ウルシ科ウルシ属。
雌花の花弁は5個、雄しべ5個はで退化している。
柱頭は3裂し、受粉すると柱頭が黒っぽく変色する。



ヌルデの果実。
ヌルデの果実は核果.核果であるが果肉は少なく、乾果に近い。
黄赤色に熟し、白い物質を分泌する。この物質はリンゴ酸カルシウムで塩味がし、昔、山国では塩の代用にしたという。「シオノキ」の別名はそこからつけられた。



ヌルデの実生。
液果のような糖分はないが、塩分を含めミネラル分に富み、これを好んで食べる鳥も少なくない。
種子は鳥によって散布される。
ヌルデは典型的な陽樹で、土砂崩れ跡とか山火事跡などいわゆる撹乱地に実生をつくる。
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樹木ウォッチング冬から夏へ207ヌルデ2

2017年06月29日 | 日記


ヌルデの葉。ウルシ科ウルシ属。
ウルシ属の中でツタウルシは3出複葉で、それ以外はみな羽状複葉となる。
ただ、ヌルデの場合は葉軸に明瞭な翼がつくので容易に見分けがつく。



ヌルデの樹皮。
ヌルデの樹皮は白っぽい平滑型、橙色を帯びたいぼ状の皮目が目立つ。
ウルシ同様樹皮に傷をつければ白い樹液が浸み出し、器具に塗る塗料として利用されたという。
「塗るで」の名もそこから。



ヌルデの雄花。
ツタウルシ、ヤマウルシ同様雌雄異株。花序は円錐状花序に白い小さな花を多数つける。
雄花の花弁は5個で反り返る。雄しべは花から突き出る。
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樹木ウォッチング冬から夏へ206ヌルデ1

2017年06月28日 | 日記


ヌルデの冬芽。ウルシ科ウルシ属。
ウルシ属でツタウルシヤマウルシは裸芽だが、ヌルデの冬芽は芽鱗をもつ。
芽鱗は半球形で帯褐黄色の軟毛が密生する。葉痕は馬蹄形。



ヌルデの小枝と果穂。
一年生枝は太く、果穂が残っていることでヌルデは容易に判別できるケースがある。
雄株には勿論果穂は付かないが、それでも馬蹄形の葉痕を見ることでヌルデを見分けることが出来る。



ヌルデの芽吹き。
ヌルデは芽鱗をもつ鱗芽だが、芽鱗をもたないツタウルシやヤマウルシと同様芽吹きは赤くなり、よく似ている。
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樹木ウォッチング冬から夏へ205ヤマウルシ3

2017年06月27日 | 日記


ヤマウルシの雌花。ウルシ科ウルシ属。
雄しべ5個は退化している。
雌しべの柱頭は3裂。



ヤマウルシの果実。
果実は核果で黄緑色に熟す。
外果皮は刺毛に覆われるが剥がれやすく、外果皮が剥がれると縦筋のあるロウ質の中果皮が現れる。



ヤマウルシの紅葉。
ヤマウルシもツタウルシ同様見事な紅葉を見せる。
ウルシ塗りもウルシの樹も中国から伝わり、その樹に似たものが山にあるとして「山ウルシ」と名付けられてと言われる。
しかし、縄文遺跡からウルシ塗りの器が出土していることから、漆器も一部は元々日本にもあった事が分ってきている。
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樹木ウォッチング冬から夏へ204ヤマウルシ2

2017年06月26日 | 日記


ヤマウルシの葉2.ウルシ科ウルシ属。
羽状複葉の葉軸は赤褐色を帯びる。葉が大きい分、葉柄基部は膨らみかなり大きくなる。
枝につく部分が大きくなるから、当然のことながら葉が落ちた時にできる葉痕も大きくなる。



ヤマウルシの花序。
ヤマウルシは雌雄異株。
葉腋に円錐花序をつけ、黄緑色の小さな花を多数つける。



ヤマウルシの雄花。
花弁は5個で反り返る。
5個の雄蕊が花の外につきでる。
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