井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

鳥散布33・ナナカマド2

2014年02月28日 | 日記


ナナカマドの果実。
ナカカマドの果実は径6mm程のナシ状果で果序に密につける。
赤く熟すが冬になってもそのまま残ることが多い。強い寒気にあたらないとアクが消えないので早い時期には鳥も食べないといわれる。



ナナカマドの実をたべるスズメ。
ナナカマドの実は2月末から3月にキレンジャク・ヒレンジャクが集団で食べる姿はよく見かける。
スズメがナナカマドの実をつつく姿などまず見ないが、昨年の暮れそれを見た。このナナカマドの実が普通ではないのか、つついているスズメ達の方が普通ではないのか、その辺はよく分からない。



白実のナナカマド。
手稲の街路樹の中に白い果実をつけるナナカマドの樹がある。
この樹一代の異常なのか、白い果実をつける1品種と考えていいのか、まだ分からない。
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鳥散布32・ナナカマド1

2014年02月27日 | 日記


ナナカマドの冬芽。バラ科ナナカマド属。
ナナカマドの冬芽は長楕円形で先がとがり、色は紅紫で先が少し曲がる。
樹脂をつけて粘ることがある。



ナナカマドの芽吹き。
ナナカマドの芽吹きは大変ダイナミックで、混芽が葉と花序とを一気に拡げる。
ナナカマドの名前は、「七度燃やしても燃え残る」という燃えにくさからつけられたという語源説もあるが、それ程燃えにくい樹ではない。
堅い木で備長炭の極上品ができるが、七日かけて炭焼きするので「七日カマド」からナナカマドになったという説がある。



ナナカマドの花序。
枝先に複散房花序をだし、花を密につける。
紅葉の美しさからか北海道では大変大事にされ、旭川市や江別市など26市町の「市の木」「町の木」に指定されている。札幌市の木はナナカマドではないが、街路樹№1はナナカマドである。
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鳥散布31・ヤマシャクヤク

2014年02月26日 | 日記


ヤマシャクヤク。ボタン科ボタン属。
かつてキンポウゲ科とされていたが、重要な相違点があることからボタン科として独立させることとなった。
園芸種のシャクヤクと比べて花は小さいが、一重で半開きの花は気品を備えて美しい。
盗掘されることも多く個体数は減少し、準絶滅危惧種に指定されている。



ヤマシャクヤクの花。
蕚片は3枚、花弁が5枚(ときに6~7枚)、完全には開き切らず縁は互いに重なる。
黄色の葯を持つ雄しべが多数、バナナ状の雌しべは普通3個。
半開きの花の中にハナカマキリが入り込み花粉を媒介する。



ヤマシャクヤクの果実。
果実は袋果で熟すと縫合線から開いていく。
黒い成熟種子と赤い不稔の種子とが並び、2色効果で鳥たちに存在をアピールする。
赤い不稔種子のことを「疑似種子」ともいう。
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鳥散布30・クサギ

2014年02月25日 | 日記


クサギの冬芽。クマツヅラ科クサギ属。
クマツヅラ科は熱帯を中心に分布する被子植物で、北海道にはクサギの他にムラサキシキブなどがある。北国への進出は比較的遅いようで何れも冬芽は裸芽である。
葉痕は楕円形ハート形で維管束痕はU字型に並ぶ。



クサギの花。
長い花筒の先で白い花冠は5裂する。
雄性先熟で、開花したての時は雄しべをピンと立て雌しべは畳んでいる(雄性期)。やがて雄しべを畳み雌しべをピンと立てて柱頭を開く(雌性期)。
自家受粉を避ける仕組みである。



クサギの果実。
開花期に花筒を包んでいた咢はやがてピンク色を帯び、果期には赤く色づいて星形に開く。
中央の果実は青紫色に熟し、赤い咢とのコントラストで鳥たちにアピールする。これを「2色効果」と呼ぶが、これほど鮮やかな「2色」はあまり例がない。
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鳥散布29・ヒメリンゴ

2014年02月24日 | 日記


ヒメリンゴの冬芽。バラ科リンゴ属。
長枝の冬芽は葉芽で、短枝の冬芽は混芽(葉と花)である。小枝には軟毛が密生する。



ヒメリンゴの花
リンゴ属の花は大体において蕾は赤く、開花すると白色となる。
ヒメリンゴは中国から移入されたイヌリンゴと同じものとする説と、イヌリンゴとエゾノコリンゴとの雑種とする説がある。



ヒメリンゴの果実。
径20~25mmの球形、姫(小さい)リンゴと呼ばれる。
中国から移入したものに「ワリンゴ」もあって、こちらは径35~40mmでヒメリンゴより大きい。
食用に栽培されているセイヨウリンンゴは江戸末期に渡来して多くの品種が作られている。
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