井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・ミツバ2

2019年04月30日 | 日記


ミツバの花序1.セリ科ミツバ属。
ミツバもセリ科に多い複散形花序ということになっているが、小花は小さく、花序の形も崩れ気味なものが多い。



ミツバの花序2.
もともと複散形花序であったものが、枝の数が2~3本にまで減り、花柄の長さも不規則に違いがあり、他のセリ科とはまるで違った形になっている。



ミツバの果実。
果実は長さ4~5mmの長楕円形で2個の種子(分果)を入れる。分果の面円形に近く、隆条は低い脈状。
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北海道の花・ミツバ1

2019年04月29日 | 日記


ミツバの群落。セリ科ミツバ属。
山野の湿り気のある林縁、林内に生える多年草。太い根茎を伸ばして群落をつくることも。
特有の香気があり、江戸時代から栽培されてきた。



ミツバの芽出し。
野生のミツバ、栽培ものより香りが強く、歯ざわりもよく美味しいというので山菜として人気が高い。野生のという意味で「野ミツバ」の別名もある。



ミツバの葉。
ミツバの葉は文字通り「3出複葉」、小葉は卵形で先がとがり、縁には重鋸歯がある。
3出複葉の植物は草本にも木本にもいろいろある。「ミツバ○○」と呼ばれるもの(ミツバフウロ、ミツバアケビなど)と、「○○ミツバ」と呼ばれるもの(イワミツバなど)とがある。
キアゲハはセリ科を食草とし、ミツバの葉も食べる。
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北海道の花・ヤブジラミ2

2019年04月28日 | 日記


ヤブジラミの葉。セリ科ヤブジラミ属。
葉は普通2回羽状複葉で、先端部分は尾状に伸びる。
シャクやミヤマセンキュウの葉も似ているが、ヤビジラミのようには先端が尾状に伸びない。



ヤブジラミの果実1.
果実は卵状楕円形で先が鉤状(フック)になった剛刺毛が密生する。その毛で、動物の毛などに付着して種子が運ばれ、付着動物散布という。一般名は「ひっつき虫」、ズボンやスカートなど、衣服によくくっつくからである。



ヤブジラミ2.
小花序柄は長さが異なる。小花序が重ならないように平面上に並ぶ。
剛刺毛が密生する果実を「しらみ(虱:戦後多くの日本人が悩まされた吸血性の昆虫)」に見立てて、「やぶ虱」と呼ばれるようになる。
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北海道の花・ヤブジラミ1

2019年04月27日 | 日記


ヤブジラミの群落。セリ科ヤブジラミ属。
林縁や明るめの林内に生える越年草。「やぶ(藪)」に生えるということで「藪じらみ」の名がつく。
大きいものだと100cmほどになる。



ヤブジラミの花序。
複散形花序。散形花序の花軸の上に更に散形に花をつける。セリ科に多い花序。
小花序の数は数個程度で多くなく、複散形花序全体もまばらな印象となる。



ミヤマセンキュウの花序。セリ科ミヤマセンキュウ属。
ミヤマセンキュウの葉はヤブジラミの葉に似るが、花序全体の様子が異なる。
小花序の数が多く、花序全体もヤブジラミよりずっと密な印象となる。
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北海道の花・シャク2

2019年04月26日 | 日記


シャくの花序。セリ科シャク属。
複散形花序で、総苞片、小総苞片はないことが多いが、三角形の総苞片がつくこともある。



シャくの花。
近縁のヤブニンジンの花は放射相称(5枚の花弁が殆ど同形)であるが、シャくの花は外側の花弁が大きく不揃いで、概ね左右相称となる。



シャクの幼果実。
細長く伸びる果実は近縁のヤブニンジンに似るが、ヤブニンジンの果実では上部が膨れて下部が細まるのに対して、シャくの果実は逆に下部が膨らんで上部が細くなる。この写真では円柱形になっているが、この後下部が膨らんでくる。
また、ヤブニンジンの果実には逆向きの刺があるが、シャくの果実には刺はない。
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