井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・チョウセンゴミシ3

2021年08月31日 | 日記

チョウセンゴミシの幼果実。マツブサ科マツブサ属。
子房の付く花托(花床)は花後に長く伸び出す。
長野県のある地方では、チョウセンゴミシのツルを健康用の入浴剤代わりに利用するという。個体数がそれだけ多いという事だろう。
チョウセンゴミシの果実。
果実は液果、大きさは不揃いになることが多く、ブドウの房状の集合果を作り赤く熟す。
生食用にもなるが、「五味子茶」「五味子酒」として利用されることが多い。
「五味子」の名は、甘味、酸味、塩味、苦み、辛味の五つの味がするところからの命名。
五味子は生薬にもなり、鎮咳・去痰に効くという。

チョウセンゴミシの果実。
果実は液果、大きさは不揃いになることが多く、ブドウの房状の集合果を作り赤く熟す。
生食用にもなるが、「五味子茶」「五味子酒」として利用されることが多い。
「五味子」の名は、甘味、酸味、塩味、苦み、辛味の五つの味がするところからの命名。
五味子は生薬にもなり、鎮咳・去痰に効くという。

チョウセンゴミシの種子。
果実は大きさが不揃いになりやすいが中に1~2個、腎臓形の種子を入れる。
学名(種名)のチネンシスは「中国の」の意味だが、和名は何故か「朝鮮」で、その理由は良く分らない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の樹木ウォッチング・チョウセンゴミシ2

2021年08月30日 | 日記

チョウセンゴミシの葉。マツブサ科マツブサ属。
葉は倒卵形~楕円形で、葉縁には波状の鋸歯がつき、鋸歯の先は凸点状になる。
表面の葉脈部分は凹み、裏面では突出する。陽のあたる葉の柄は赤みを帯びることが多い。
長枝では互生に離れてつき、短枝ではまとまってつく。

チョウセンゴミシの雄花。
チョウセンゴミシは雌雄異株とされるが、中には両性花の混じることもあって、1個体で結実することもあるらしい。
チョウセンゴミシの雄花、太い花糸に葯はやや外側に向いてつく。

チョウセンゴミシの雌花。
淡緑色の子房に白い花柱がつく。
雌しべをつくる心皮(花葉)は合着することなく、離生した子房が15~40個がつく。(離生心皮という)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の樹木ウォッチング・チョウセンゴミシ1

2021年08月29日 | 日記


チョウセンゴミシの樹形。マツブサ科マツブサ属。
山林の林縁等に生える落葉性ツル植物、他の樹木などに絡みついて成長する。

チョウセンゴミシの冬芽。
同じツル植物でも、マタタビ科のマタタビやサルナシの場合は葉痕や葉枕(ようちん:葉痕部分が隆起した組織)に埋もれて目立たないものが多いが、チョウセンゴミシの冬芽は立派な姿で通常木と変わらない。

チョウセンゴミシの芽吹き。
葉の展開後に開花するタイプだが、展葉時に既に蕾を用意していて、早めに開花する個体もある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の樹木ウォッチング・ユリノキ4

2021年08月28日 | 日記

ユリノキの幼果実。モクレン科ユリノキ属。
花弁は落ちかけているが、とっくに役割を終えている筈の雄しべもまだ残っている。雄しべはやがて落ちるが、その形は何故か熟した果穂の形に似ている。
中央の円錐状の雌しべ群は少し伸び出している。

ユリノキの果実。
果実は翼果の集合果(モクレン属の場合は袋果の集合果)。
円錐形の雌しべ群は翼果が熟すにつれて上部が開いてカップ状になる。翼果が風に乗って飛び出す順番、常識的には外側からと考えるが、実際には内側から始まり外側は遅くまで残り、カップ状となる。

ユリノキの翼果。
キセル状に曲がった部分が種子、そこから伸びる翼は花柱が変化したもの。
ヤチダモの種子に似て、種子を中心にして回転しながら落下し、風に乗って運ばれる。
東京国立博物館前庭のユリノキ、明治初年に取り寄せた30粒の種子からやっと育った1本だという。
種子の発芽率は低い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の樹木ウォッチング・ユリノキ3・修正

2021年08月27日 | 日記

ユリノキの花1。
ユリノキは枝先にチューリップに似た直径6cmhほどの花をつける。
花被は萼と花冠とがはっきりとした違いを見せる。萼片3枚は楕円形で、緑色で反曲する。
花弁は6枚、卵状楕円形で淡い黄緑色で下部は橙色を帯びる。
属名のリリオデンドロンは「ユリ・木」を意味し。和名はそこから。種名のチューリッピフェラは文字通りチューリップの花に似るところから。英名も「チュリップ・ツリー」となっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする