井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

オタネ浜の花33ツルウメモドキ1

2016年10月31日 | 日記


ツルウメモドキの果実。ニシキギ科ツルウメモドキ属。
ツルウメモドキは「つる性のウメモドキ」の意味。
葉腋に赤い果実がかたまってつく所がモチノキ科のウメモドキに似てつる性であるところからの命名。
「ウメモドキ」は「梅擬」で葉が梅の葉に似るからだという。ツルウメモドキには梅の名が含まれるが梅とのつながりは全くない。
果実は蒴果で熟すと黄色い果皮が割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が現われる。
その彩りが美しいので生け花やリースによく使われる。



ツルウメモドキの果実2.
果実は黄色く熟す。黄色い果皮が裂開した状態になると果皮は落ちやすくなってしまう。
そこで生け花などに使う場合は、黄色く色づいたところで採取するという。



ツルウメモドキの幼果実。
幼果実は緑色。花屋がツルウメモドキを扱う場合には、果皮が色づき、裂開する時期をコントロールするために緑色の状態で採取するのだという。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オタネ浜の花32キンギンボク

2016年10月30日 | 日記


キンギンボク。スイカズラ科スイカズラ属。
高さ1~2mの低木、よく分枝して茂る。
分布は北海道西南部~本州の日本海側とされるが、オタネ浜や石狩浜でも見られる。
山地にも生育するが海岸にも生育するということ。



キンギンボクの花。
スイカズラ属の花には2唇形で左右相称のものもあるが、キンギンボクの花は花冠が5裂で放射相称。
葉腋から花柄をだし、2個ずつ花をつける。
開花したては白く、後に黄色く変化するので「金銀木(きんぎんぼく)」と名付けられる。
同じスイカズラ科にはハコネウツギやウコンウツギなど受粉後色を変えるものがある。キンギンボクも同様の形で変色するものと考えられる。
葉は対生し両面に毛がある。表面の脈はやや凹む。



キンギンボクの果実。
2個の花が2個並んだ果実をつくり、基部が合着してヒョウタン形になり、そこから「瓢箪木(ひょうたんぼく)」の別名で呼ばれる。
果実は液果で赤く熟す。美味しそうに見えるが有毒だという。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オタネ浜の花31ママコノシリヌグイ2

2016年10月29日 | 日記



ママコノシリヌグイの花。
花は茎頂に数個~十数個、頭状につく。
花冠は5裂し、上部は赤く下部は白っぽくなる。遠目にはミゾソバによく似ていて、「刺ソバ」の別名もある。よく比較されるイシミカワの花は白が普通。



ママコノシリヌグイの托葉。
托葉鞘は筒状で短く、上部は腎円形の葉状となり、葉と対生する。
イシミカワの托葉は円形の葉状で大きくなる。



ママコノシリヌグイの果実と種子。
イシミカワの果実は熟すと萼が果実を包み(宿存萼)、美しいルリ色になる。宝石のようでもあり大変印象的である。
これに対してママコノシリヌグイの果実では、萼が果実を包む点は同じだが、枯れ色になる。種子は黒い球形で先が少しとがる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オタネ浜の花30ママコノシリヌグイ1

2016年10月28日 | 日記


ママコノシリヌグイの群落。タデ科イヌタデ属。
イヌタデ属の仲間、茎に下向きの刺があるタイプ(ミゾソバなど)とないタイプ(イヌタデなど)
ママコノシリヌグイは刺のあるタイプで、刺の強力さは最強クラス。道端だけでなく畑などにも浸入してきて「大変てこずる」という話も聞くが、札幌周辺ではあまり見かけない。



ママコノシリヌグイの刺。
刺の強力さは仲間のイシミカワと双壁、ミゾソバなどとは比べ物にならない。
その刺の鋭さから「継子の尻ぬぐい」の名がついた訳で、差別的な呼び方であり、酷いネーミングの筆頭とも言われる。
ちなみに、イシミカワには「蛙の面掻き」の別名がある。



ママコノシリヌグイの葉。
左:ママコノシリヌグイ 右:イシミカワ
ママコノシリヌグイとイシミカワとは同じイヌタデ属で良く似た点がありよく間違われる。
どちらも刺が強力で、葉の形は三角形。ただ、葉柄の葉身へのつき方が違う。イシミカワの葉柄は葉身の基部から内側に入ったところに楯状につくが、ママコノシリヌグイの葉柄は葉身基部に普通に近い形でつく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オタネ浜の花29イガオナモミ2

2016年10月27日 | 日記


イガオナモミの雌花序。
雌花序は雄花序の下につく。または下部の葉腋につく。
総苞片は合着して壷状になり、中に2個の雌花を入れる。花冠はなく、裸状態の雌しべが総苞の中に包まれ、柱頭だけが頂部からのぞかせる。



イガオナモミの果実。
総苞は果苞となり2個の果実をつつむ。
果苞には鱗片状の毛が密生した刺が多数つき「ひっつき虫」となる。



イガオナモミの果実の断面。
果苞の中に2個の種子を入れる。
2個の種子には上下の位置にズレがあり、上部のものを「上位種子」といい、下部のものを「下位種子」と呼ぶ。下位種子の大部分は翌春に発芽するが、上位種子はすぐには発芽せず、普通1年後になるという。発芽時期をずらすことで、より確実に子孫を残すのだという。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする