井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

前田森林公園の春3

2014年05月31日 | 日記


ミズナラの芽吹き。ブナ科コナラ属。
冬芽の芽鱗が落ちて葉と雄花序が姿をみせている。
全体が伸びだして葉を拡げ雄花序が下垂した後、雌花序が姿を見せる。



アカナラの芽吹き。ブナ科コナラ属。
同じコナラ属で共通点もいろいろあるが相違点もある。幼葉が赤く色づく点が一つ。
ミズナラのドングリは1年型で春につけた花が秋にはドングリになるのに対して、アカナラのドングリは2年型。
前年枝に昨年の未熟なドングリ(ドングリ小僧という)がついている。葉と雄花序は見えているが雌花序はまだ見えていない。



シナノキの芽吹き。シナノキ科シナノキ属。
シナノキの芽吹きで目立つのは托葉の鮮やかな赤色。
赤い托葉は長くはついておらず、やがて落ちる。芽吹き後の樹の下には赤い托葉が目立つことになる。
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前田森林公園の春2

2014年05月30日 | 日記


オオバクロモジの芽吹き。クスノキ科クロモジ属。
クスノキ科の仲間は熱帯から温帯にかけて分布し、オオバクロモジも図鑑には「渡島半島以南」と書かれている。ただ余市・然別林道には自生種が見られる。この辺が北限なのかもしれない。



オオバクロモジの雄花序。
基本種のクロモジより葉が大きいので「大葉クロモジ」と呼ばれる。
雌雄異株で葉の展開と同時に開花する。
花被片は6個、雄しべは9個。この雄株は然別林道のもの。



オオバクロモジの雌花序。
雌花の花被片は雄花より少し大きい。子房の周りを黄色い腺体が囲む。
クスノキ科の仲間には茎や葉に芳香のある揮発成分を含む精油細胞がある。基本種のクロモジは枝に独特の香気があるので削って楊枝がつくられる。クロモジの楊枝は人気が高く、「クロモジ」が爪楊枝の」別称にもなっている。
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前田森林公園の春1

2014年05月29日 | 日記


イタヤカエデの芽吹き。カエデ科カエデ属。
開葉とほぼ同時に開花。葉も花も黄色で樹全体が黄色く見える。
イタヤカエデの仲間には変異が多く、狭義のイタヤカエデの他にエゾイタヤ、アカイタヤ、オニイタヤ、イトマキイタヤなどがあり変種扱いされる。
イタヤカエデとエゾイタヤの違いは小さく、北海道だからエゾイタヤとする向きもある。



アカイタヤの芽吹き。カエデ科カエデ属。
アカイタヤも開葉とほぼ同時に開花する。
花はイタヤカエデと同じで黄色だが、芽吹きの葉は赤く色づく。タイミングにもよるが全体に赤く見え、春紅葉を演出する。



サトウカエデの芽吹き。カエデ科カエデ属。
緑化樹として北米から移入されたカエデ。樹液の糖度が高くメープルシロップがつくられる。
サトウカエデの芽吹きはイタヤカエデに近く、全体として黄色く見える。
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日高・富川公園の春3

2014年05月28日 | 日記


サクラソウ。サクラソウ科サクラソウ属。
十数種あるサクラソウの仲間の基準種。サクラソウ属の学名はプリムラで園芸の世界で多く見かける。
種名の方にはシーボルトの名がついているがその理由は良くわからない。2型柱花といわれ、長花柱花と短花柱花とがあって異なるタイプ花同士でないと種子生産がなされない。
自家受粉を回避するシステムである。



ヒメアマナ。ユリ科キバナノアマナ属。
キバナノアマナによく似るが全体に小型。
地下の鱗茎から細い葉1枚と花茎1本を立ち上げる。



ムラサキケマン。ケシ科キケマン属。
軟弱な2年草。同属に黄花のエゾキケマン、青花のエゾエンゴサクがあり独特な筒状の花をつける。
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日高・富川公園の春2

2014年05月27日 | 日記


タチツボスミレ。スミレ科スミレ属。
地上茎をもつスミレで托葉が櫛の歯状に裂ける。
オオタチツボスミレに似るが、根元からも花茎を出す点と距が白くならない点が異なる。
茎などに毛があるタイプをケオオタチツボスミレとして区別する考え方もあるが区別しない人もいる。



ヒナスミレ。スミレ科スミレ属。
地上茎をもたないスミレで、葉の基部ははっきりした心形になる。
可愛らしいスミレで「スミレのプリンセス」とも呼ばれる。



アカネスミレ。スミレ科スミレ属。
地上茎をもたないスミレで、全体に毛が多い。葉は三角状長卵形が標準だが変異も多い。
花の色はアカネスミレの名の通り「茜色」が標準だが青みの強いのや淡い色など変化が多いという。
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