カタクリの群落。ユリ科カタクリ属。
カタクリは春植物の代表。
落葉広葉樹林の林床で雪融けのあと上層の樹々が開葉しきるまでに、開花・結実など1年分の作業をやってしまう。スプリング・エフェメラル(春の短命植物)と呼ばれる所以である。
同じ春植物のエゾエンゴサクと群落をつくることが多い。
カタクリ全開。
開花直後は午前の気温上昇で開花し、午後の気温低下で閉花する。
しばらくはそういう開閉を繰り返し、昆虫たちが活発に動き出す18℃ほどに気温が上昇すると花被片を反り返らせて閉花しなくなる。
花被片基部の濃紫色のM字型は昆虫を誘う蜜標である。
カタクリの実生。
カタクリの実生は細長い線状で見分けにくいが、先端に茶褐色の種皮を被っていることでカタクリと判別できる。
種子の発芽は前年の晩秋には始まっていて、雪融けを待って伸びだす。実生が地上に姿を見せる期間は2週間ほどだという。