井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ニセコアヌプリの花2

2013年06月30日 | 日記


ツルシキミ。ミカン科ミヤマシキミ属。
シキミはシキミ科の花で、仏前の供える仏花として知られる。「梻」とか「樒」と書く。
ツルシキミはミカン科の花だが、葉がシキミに似ていて、茎が地を這うところから「つるシキミ」と呼ばれる。茎が地を這うのは多雪地域に適応するため。
雌雄異株で写真の花は雌花、柱頭は平たく、雄しべは退化している。果実は赤く熟すが有毒、誤食すると嘔吐や手足のしびれがでる。



コヨウラクツツジ。ツツジ科ヨウラクツツジ属。
ツツジ科の落葉低木。葉は互生だが枝先にまとまってつき、輪生状となる。軟毛が多い。
花は少しゆがんだ壷形で、長い柄でぶら下がる。
「ヨウラク」は仏像の首飾りで形が似ているとされる。



ウスノキ。ツツジ科スノキ属。
属名の「スノキ」は「酢の木」で、葉に酸味があるから。ただし、スノキ属すべてが同じように酸っぱいとは限らない。
「ウスノキ」は「ウ酢の木」」ではなく「臼の木」、果実の先端が凹んで臼のように見えるところからの命名。ウスノキの萼筒には稜がある。
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ニセコアヌプリの花1

2013年06月29日 | 日記


ノウゴウイチゴ。バラ科オランダイチゴ属。
オランダイチゴ属であるということは、栽培されているイチゴに近いということ。北海道で良く見かけるのはエゾノクサイチゴとこのノウゴウイチゴ、ノウゴウイチゴの花弁は7~8枚。
「ノウゴウ」は「能郷」、岐阜県能郷山で発見されたことからの命名。普通のオランダイチゴより酸味が強いという。イチゴ類の多くは走出枝(ランナー)をだして先端の芽から小株をつくる。



ゴゼンタチバナ。ミズキ科ゴゼンタチバナ属。
茎頂に4枚の葉を輪生状につけるが、花をつける茎には6枚の葉をつける。白く花弁状に見えるのは苞で、これに包まれるようにして10~20個の花をつける。果実は赤熟する。
ミズキ科の殆どは木本で草本は稀である。
白山・御前岳で発見されたことから「ゴゼン」の名がつく。



ハクサンチドリ。ラン科ハクサンチドリ属。
葉は数枚が互生し、倒披針形で基部で茎を抱く。
「ハクサン」は「白山」。富士山、立山と並んで三大霊山の一つ。古くから修験者が修行に利用した山で、「ハクサン」の名のつくものはおおよそ高山植物である。
花は紅紫色、多数の花を総状につける。
花1個1個を「千鳥」に見立て、白山で発見されたとして「白山千鳥」と呼ばれる。
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野幌森林公園の花3

2013年06月28日 | 日記


ヤブニンジンに絡むツルニンジン。
(セリ科ヤブニンジン属)(キキョウ科ツルニンジン属)
ヤブニンジンの「人参」は葉が人参に似るから。ツルニンジンの「人参」は、根が朝鮮人参に似るからだという。
ヤブニンジンの果実には刺があり「ひっつき虫」になり、ツルニンジンの種子には翼があって風散布になる。



ヤマグワとオヒョウ。
(クワ科クワ属)(ニレ科ニレ属)
左下の不規則な切れ込みのある葉がヤマグワ、上と右の、葉先が噛み切られたような形の葉がオヒョウ。
同じ樹で、葉形の変化が大きい場合、「異形葉性」が大きいという。
ある物理学者が、ヤマグワなどの異形葉性の生じる原因を突き止める試みに挑戦したという話を聞いた事があるが、解明に成功したという話はまだ聞いていない。



ウマノミツバとミツバ。
(セリ科ウマノミツバ属)(セリ科ミツバ属)
右、葉が3枚に切れ込むのがミツバ、左、ウマノミツバは左右の2枚が更に二つに切れ込んで五つ葉に見える。
野生のミツバは栽培ものより香りは強いが筋ばっているという。
葉の縁に見える水玉は、「水孔(すいこう)」からの水分排出である。夜間にミネラルを吸い上げて余分な水分を水孔から放出する。
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野幌森林公園の花2

2013年06月27日 | 日記


ワニグチソウ。ユリ科ナルコユリ属。
ナルコユリ属の中で、オオアマドコロやナルコユリと違って花柄に苞がつく。
2枚の苞の間に2個の花が下向きにつく。その姿を、神社の軒下に吊るされる「鰐口(わにぐち)」に見立てて「鰐口草」と呼ばれる。



コケイラン。ラン科コケイラン属。
サイハイランとともに、ラン科の中で札幌周辺で割とよく見かける花である。
偽球茎(バルブ)から葉を2枚だし、枯れずに越冬する。サイハイランよりずっと細い葉で、花が無くても見分けられる。



ハナニガナ。キク科ニガナ属。
ニガナ属は舌状花のみの花。基準種のニガナは舌状花が普通5枚だが、ハナニガナの場合は舌状花が7~10枚である。
茎葉は無柄で基部は茎を抱く。
白花のものはシロバナニガナといい、ハナニガナとともにニガナの変種とされる。
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野幌森林公園の花1

2013年06月26日 | 日記


チシマアザミ。キク科アザミ属。
キク科の頭花には3タイプあるが、アザミの仲間は筒状花のみのタイプである。
アザミの仲間には、上向きに咲くタイプと下向きに咲くタイプとがあり、チシマアザミは後者、北海道を代表するアザミである。
茎葉は下部のもの程切れ込みが多く、上部の葉には切れ込まないものが多い。



フタリシズカ。センリョウ科チャラン属。
フタリシズカの花は変わっている。花弁も萼片も持たない裸花はいろいろあるが、フタリシズカの花で白く見えているのは雄しべの花糸で、花粉を入れる葯も雌しべも、その内側になって普通外からは見えない。
「二人シズカ」の名をもつが、花序の数は2本に限らず、多いものでは4~5本のものもある。
葉は一見輪生状に見えるが、十字対生で上下の節の間はヒトリシズカより離れている。



ヤナギトラノオ。サクラソウ科オカトラノオ属。
ヤナギトラノオは「柳虎の尾」、葉が柳に似るのと、花序が虎の尾のように長く伸びるというので「柳虎の尾」と呼ばれる訳だが、あまり虎の尾らしくない。
サクラソウ科の多くは5数性(花弁5、雄しべ5など)であるのに対して、ヤナギトラノオは6数性、長い雄しべが飛び出して見えるなど、サクラソウ科らしくない。
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