井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

冬芽の観察89アカナラ1

2017年02月28日 | 日記


アカナラの冬芽。ブナ属コナラ属。
アカナラは自生種ではなく、緑化樹として北米から持ち込まれた外来種。
外来種であるがニセアカシアのように野生化の例は見られない。
アカナラの冬芽、頂芽に頂生側芽が伴いコナラ属の特徴を見せる。葉痕が丸く目立つなどミズナラやカシワなどと異なる点もある。



アカナラの小枝。
3~5叉の枝振りを見せてコナラ属の特徴を示す。
小枝の枝振りだけでアカナラを特定することは難しいが、この樹のように枯葉が残っていて同定できるケースもある。



アカナラの樹形。
道庁前のアカナラの並木や北大キャンパス・クラーク像脇のアカナラの木がよく知られている。
育てやすく、管理しやすいからか、札幌市内の公園などに多く植えられている。
ミズナラやカシワと比べて若干スリムな印象がある。
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冬芽の観察88コナラ3

2017年02月27日 | 日記


コナラの葉と果実。ブナ科コナラ属。
北海道に自生するコナラ属の中で、コナラの葉の一番の特徴ははっきりした葉柄をもつ点。ミズナラやカシワの葉には殆ど葉柄がない。
コナラ属の果実は殻斗付きの堅果。殻斗のタイプはミズナラと同じ屋根瓦タイプ。ミズナラ、カシワと比べて小さい。



コナラ属の葉の比較。
左:ミズナラ  中:コナラ  右:カシワ
・ミズナラ:倒卵状長楕円形で大型、大きな鋸歯縁、基部は耳状で葉柄はごく短い。
・カシワ:倒卵状長楕円形で更に大型、波状鈍鋸歯縁、基部は耳状で葉柄はごく短い。
・コナラ:長楕円形(細長い)で先端が尖る。鋭鋸歯縁、基部はくさび形ではっきりした葉柄がある。
交雑が起こり、見分けのつきにくいものも少なくない。



コナラ属の葉の比較。
左:カシワ  中:ミズナラ  右:コナラ
・カシワ:殻斗はアフロヘア・タイプ
・ミズナラ:殻斗は屋根瓦・タイプ
・コナラ:殻斗は屋根瓦・タイプ
写真での大きさは、カシワ>ミズナラ>コナラ となっているが、必ずしもそうならないケースもある。
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冬芽の観察87コナラ2

2017年02月26日 | 日記


コナラの小枝。ブナ科コナラ属。
コナラ属の冬芽、頂芽に頂生側芽がつき4~5叉の枝を作る。
コナラはミズナラと比べて樹高も小さいが、1年生枝もミズナラ、カシワと比べてずっと細い。



コナラの芽ぶき。
コナラの芽ぶきは銀白色に輝き、イヌエンジュの芽吹きに似た雰囲気がある。
イヌエンジュの場合は、芽ぶきが赤みを帯びる事はないが、コナラの芽ぶきは帯びることもある。



北限地帯のコナラ林。
コナラの北限地帯と言われる岩見沢に展望台のある小山をもつ公園がある。
その小山はコナラに埋め尽くされていて、全山赤みを帯びた芽吹きを見せる。
コナラは典型的な陽樹で、山火事跡などの撹乱地に分布域を拡げると言われる。シラカンバのように風で種子が散布されることはないが、リスやネズミなどが地中に埋めた果実が山火事跡への進出を助ける。
ただし、シラカンバのように親木から離れた撹乱地に実生をつくる能力はなく、以前からあったコナラの分布域拡大するというもの。
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冬芽の観察86コナラ1

2017年02月25日 | 日記


コナラの冬芽。ブナ科コナラ属。
左:コナラ 中:ミズナラ 右:カシワ
冬芽は2/5のラセン生で5稜があり、先が尖って多数の芽鱗に覆芽状に包まれる、これはコナラ属に共通の特徴。
コナラの冬芽は「小ナラ」の名前のように、ミズナラ、カシワと比べて小さい。



コナラの樹形。
コナラ属には常緑樹と落葉樹とがあり、常緑性のものを「カシ」と呼び落葉性のものを「ナラ」と呼ぶ。
ミズナラの別名は「オオナラ」で、ミズナラと比べて小型だということで「小ナラ」と呼ばれる。



コナラの樹皮。
コナラの樹皮はミズナラなどと同じで縦裂け型、幼木は平滑であるが、樹齢が高まるにつれて裂け方が大きくなる。
ミズナラは寒地型であるのに対してコナラは暖地形で、本州の雑木林、里山の代表樹種である。
コナラの北限は石狩湾と太平洋側勇払原野を結ぶ石狩低地帯であるとされる。
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冬芽の観察85カシワ4

2017年02月24日 | 日記


カシワの雌花。ブナ科コナラ属。
カシワの雄花序はミズナラなどと同じで新枝の下部からひも状に下垂する。雌花序は枝先につく。
風媒花である。



カシワの果実。左:ミズナラ  右:カシワ
ブナ科の果実はドングリと呼ばれる。堅果で「袴」とか「帽子」とか呼ばれる付属物がつく。
この付属物、雌花を保護していた総苞が変化したもので「殻斗(かくと)」と呼ばれる。
ミズナラの殻斗は粒粒が並んでいて「屋根瓦タイプ」といい、カシワの殻斗はもじゃもじゃで「アフロヘア・タイプ」と呼ばれる。



カシワの虫こぶ。
タマバチの仲間が新枝の芽に形成する虫こぶ。
ミズナラの場合には「ミズナラメコガタニセハナフシ」と呼ぶが、カシワの場合、形成者がミズナラと同じかどうか不明。
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