せろふえ

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「つまらない」の思い出

2021年02月28日 | 音楽
 チェロは1浪のすえ大学に入学してから始めた。全然ものにならなくて、でもあきらめの悪い性格で、仕事が順調になってから遠い知り合いに無理やりに先生を紹介してもらってレッスンについた。わりと有名な先生で、きびしかった。最初ともかく一度おいでと言ってくださって、音階でも弾けと言われ、こういうときはともかくゆっくりひとつひとつの音をちゃんと思いながら弾き、そうしたらすぐさま途中で「そうやって習ったの?」と言われて、全否定された。いや、本当の基礎から習った。実は仕事は忙しく、数えたら1年ほど、10数回しかレッスンに行ってない。でもそのときの基礎の上というか、ほとんどその1年で習ったことだけで、いまだに弾いている気がする。
 ともかくきびしい先生で、いつも1小節も弾かせてくれなかった。「いやそうじゃなくて、このあいだ言ったけれど…」と妥協を許さない。いま思い返しても本当にありがたいことだった。
 ある日、レッスンを終えて、次の子は音高を受けるんだ、とおっしゃるので厚かましくも、少し聴かせてもらっていいでしょうか?と言うと、どうぞどうぞと言ってくれた。バッハの無伴奏、1番のプレリュードだったと思う。僕には1小節も弾かせてくれないのに、さすが音高をうける子は違う。最後まで黙って聴いていて、終わった途端に
「つまんないね。」
 他人事ながら血が凍るかと思った。怖い。

 それより数年前だろうか、花岡和夫(リコーダー奏者としては日本で完全にトップ。)がテレビのリコーダー講座をやっていて、教育、啓蒙も見据えている人じゃなくて、もう、完全に奏者、プロなのだ、テレビとはいえ講座をやるなんてすごい。それを見ていた人が「こわいんですよー、つまんない、とか言うんですよ。僕ならテレビであんなこと言われたら二度と立ち直れない。シロートにあんなこと言います?」とか言っていた。

 リコーダーも吹いていた。第一回都留古楽音楽祭のサマースクールに3泊だったか4泊だったか参加した。ほとんどグループレッスンだったが、ともかくルネッサンスリコーダーの純正の響きがすばらしくて打ちのめされた。長三度はこんなに狭いのか。それから、アルトはG菅で、実音を吹かされるのだ。個人レッスンも30分だけあった。せっかくなのでそのG菅のアルトでデュエットをやってもらった。曲がなんだったかおぼえていない。ポリフォニックなルネッサンスのもので、落ちないように、音を間違えないようにしか頭になく、でも響きの美しさに感動して曲の最後まで行ったら先生は「……つまらないね。」
 まいった。いや、実を言えばうれしかったのだ。そこまでのレベルまでには行ったのかな。
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