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残酷な神が支配する 萩尾望都 やっぱり心揺さぶられた

2022年08月31日 | 漫画
 やっと読み終えた。
 もちろん雑誌掲載のときから少しは読んでいたのだが、つらくてねえ、はっきりいって飛ばし読みしていた。今回漫画同好会の同僚が貸してくれて、勇気を出して読んだ。もちろん読んで良かった。だがやっぱり心揺さぶられ、つらくて、通読できず、何日もに渡って読んだ。うーん。
「残酷な神」というのは、もちろんいわゆる神というか運命というかあらがえないものだとばくぜんと思っていたのだが、いやそうではない。「残酷な神」というのは親のことなのだと確かな確信と共に読み進めていった。ジェルミを支配しているのはもちろん養父のグレッグではけっしてない、サンドラなのだ。グレッグが支配しているのはむしろイアンだし、グレッグも「支配されて」いるのだ。
 萩尾望都のおりにふれて語られる家族との葛藤も根深いものだが、僕自身だって深く支配されている。ともかく重くつらい、こころ揺さぶられる話だった。著者=クリエーター=創造主=神=親、というのも、なんと残酷なのだろう。