芭屋框組(はなや かまちぐみ)

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千賀氏の研ぎ

2009-11-03 17:09:26 | 道具、砥ぎの話
毎年7月に行われている、信州鉋楽会のミニ削ろう会に今年は名古屋の千賀さんに来てもらい、天然砥石の解説や研ぎの実演を見ることができた。
以下千賀さんが、使用して切れやんだ鉋刃を順を追って研ぎなおす工程

1.ダイヤ砥石6000♯で刃裏研ぎなおし(レジンボンドタイプ)

2.巣板での研ぎ(刃裏)

3.合わせ砥での研ぎ(刃裏)

4.表刃の研ぎ 1と同じ粒度のダイヤ砥石6000♯で中研ぎ(※1と同じ砥石をもう一つ別に用意してある)粒度は6000♯だが、千賀さんはあくまでも1000♯程度の中砥石と同等に扱われている。

5.刃返りが出たら、2で使った巣板で返りを取り、表刃を砥ぐ

6.3で使ったあわせ砥で、最終仕上げ(※5で終わってもよい)

各工程のストロークの回数は、2~30往復くらい。所要時間はせいぜい30秒~1分程(とにかく早い)

砥面の修正はアトマの800♯と言われていたが、中目の400♯だと思う。中砥までは平らに直し、仕上げ砥は少し真ん中が低い状態にし、耳が立たないようにするとのこと。
どの程度中低にするかの加減はアトマでこすり過ぎて平らにならない内にやめる。あくまでも手加減「使っていればわかる」らしい。

ダイヤ砥石の修正はグリーンカーボンで部分的にこすって直す。


実演をする千賀さん。たくさん砥石があるが、実際使うのは2丁と、ダイヤ砥石のみ



食入るように砥石のチェックをしている梨屋さん



来場者に試し研ぎをさせてくれた。一体何丁持ってきたのだろうか。どの砥石もきちんと手入れがなされている。
一番手前の厚い砥石が、「米山砥」砥石屋が売れ残りなので格安で譲ってくれた物らしいが、目もきれいで、中砥だが、十分仕上げで使える細かさがある。


好きな砥石の層は?の質問に「巣板かなー、昔は硬いのがいいと思ってカチカチのを集めていたが、今は少し柔らか目がいい。大工の場合は鑿をしょっ中砥ぐから早く研ぎあがらないと、いつまで研いでいるのかと笑われてまうわ」と、笑っていられたのが印象的だった。

後で試し研ぎをさせてもらったが、本人が言っているほど柔らかめの砥石は無く、どちらかというと、しまり気味の物が多かったように感じた。




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