羽生結弦・公式おすすめ演技・その26は、
「Hope &Legacy」(ホープ・アンド・レガシー)(=希望と遺産、の意味)です。
この演技は、特に2017年のヘルシンキ世界選手権での演技が、この当時、歴代最高得点をマークした演技となり、
現在に至るまでの、すべての歴代の選手たちの全フリー演技を通しても、史上最高得点として記録され、君臨し続けているという、極めて貴重な演技です。
採点制度が当時からすでに何度か変更になっているので、直接比較はできませんが、それだけの
スコアをたたき出して、今もその記録が塗り替えられていないのは、
当時の最難関技術をことごとくとりいれたうえで、羽生結弦が高い集中力で、
ノーミス・パーフェクトで演技を行ったからでもあります。
スポーツ報知・プロ3周年記念インタビューでも、この時の演技のことに触れて語っていますので、ぜひご覧ください。羽生結弦さん 「記憶より記録」の競技時代 ロンドンへの憧れ プロ3周年特別インタビュー2 - スポーツ報知
2017年 ヘルシンキ(フィンランド)世界選手権 フリープログラム・羽生結弦
このフリープログラム「Hope&Legacy」は、羽生結弦の強い希望で、原曲は、日本を代表する、久石譲(Joe Hisaishi)さんの、「View of Silence」と「Asian Dream Song」の二曲を編曲されて作られています。
「Hope&Legacy」というのは 羽生結弦が演技に込める思いを考えて、自分で考えて新たにつけたタイトルです。
「Hope &Legacy」の元の曲は、久石譲さん作曲の「View of Silence」VIEW OF SILENCE と
「Asian Dream Song」です。Joe Hisaishi - Asian Dream Song
そのうちの、「Asian Dream Song」は「旅立ちの時~Asian Dream Song」というタイトルで、歌詞付きの合唱として 1998年の長野パラリンピック当時開会式で「歌」として歌われていて、今も合唱曲になっています。
(歌:宮沢和史 with 久石譲 作詞:ドリアン助川 作曲・編曲:久石譲 )
【合唱曲】旅立ちの時~Asian Dream Song~ / 歌詞付き【高音質】
その歌詞の中で「あなた(君)だけの花を咲かせよう」という言葉が、繰り返し歌われて訴えられています。
アイスジュエルズVol.5 という雑誌で、羽生結弦は、(NHK杯の後の時点にとったインタビュー)
このフリーのプログラムについて、以下のように答えました。
「今回使用している久石さんの『Asian Dream Song』は曲がメインではなく、歌がメインの曲です。
いってみれば伴奏なので、あまり主張する曲ではありません。
オーサーコーチとシェイリンさん(振付師)には、僕の考えを話したのですが、今回のこのプログラムは僕が主人公ではありません。」
羽生選手は、平昌五輪と同じ会場となる、韓国・江陵(カンヌン)で行われた4大陸選手権2017の時、ISUのインタビューで、「生命」のことをずっと考え、演技に生かしていると、次のように答えました。
(管理人が翻訳)
「この曲は日本人作曲家によるものなので、昨年のプログラム「SEIMEI」で学び得たようなものを、継続して活かせるかな、と思ったのです。」
「最近、僕は「人間の生命倫理」に凄くハマっています。これまでの人生で、僕は「生命」についてすごく沢山考えてきましたし、フリーの「ホープ&レガシー」を演じる時にも僕は「生命」について考えています。だから、「人間の生命倫理」について学ぶことは、スケートの助けにもなっているんです。」
なお、この「Hope&Legacy」の衣装は、羽生結弦が、このプログラムに込めた大自然や雄大な景色、地球のイメージなどから、
かつて非常にお気に入りだった 海をイメージした「悲愴」の衣装をデザイン&製作してくださった
折原志津子さんに頼んで、同じイメージで作ってもらったものです。
「Hope &Legacy」公式データ
・振付・シェイ=リーン・ボーン &羽生結弦
Choreography:Shae-Lynn Bourne & Yuzuru Hanyu
・演技・スケート パフォーマンス 羽生結弦
Skating Performance: Yuzuru Hanyu
・音楽: 作曲・ピアノ演奏 久石譲 「View of Silence」+「Asian Dream Song」
Original Music : Composer &Pianist : Joe Hisaishi
・編曲・音響デザイナー:矢野桂一
Music Arrangement & Acoustic design: Keiichi Yano
・衣装デザイン&製作: 折原志津子 (「悲愴」も折原さんのデザイン&製作です)
Costume : Designed and created by SHIZUKO ORIHARA