昨日の仏生山公園で見た紫陽花。
紫陽花の季節にはこんなに柔らかい薄桃色の紫陽花は無い。
桃色でも、もっとはっきりした色の主張をしている。紫しかり藍色しかり七色、七変化の色をもっともっとはっきりと誇る。
このやさしい紫陽花。いかにもひと夏を過ごし、それでも身にそった温度に恵まれたのか、しずかに咲いていた。
紫陽花の好きな私でなければ、振り向いてもくれないような場所でひっそりと咲いていた。
仏生山公園は高松市の南部、仏生山町にある。高松藩侯の松平さまの菩提寺の法然寺に隣接をした、市民の憩いの公園だ。
昨日も小学生が秋の遠足に来ていた。
鳰の池をしばらく見、大きな掛け声が公園狭しと聞こえてくる。何の声か興味をそそられて体育館に近づく。
体育館の裏に狭い河が流れている。春は枝垂れ桜が美しいらしい。その陰と、体育館の陰に挟まれて紫陽花が咲いていた。
決して日当たりの良い場所ではない。何が紫陽花のお気に召したのか?思わず目を奪われた。勿論
☆ 紫陽花に秋冷いたる信濃かな
久女の句が浮かぶ。何度も、私の好きな句だからブログにも書いた。
秋冷の信濃ならこのような、優しいピンクは想像ができぬ。濃い紫、深い藍色。
大きな声の正体は体育館で、中高年の人々に指導者が掛けている声だった。指導者の声に合わせて、身体に負担の無いように身体を動かしている生徒たち。
高い窓から、体育館が覗ける。 荷物を置いて、指導者の身振りに合わせ、少しの時間、私も体操に興じた。
簡単な中高年向きの体操。ここ仏生山公園は近ければ、私も会員になり参加をしたいと思う体操教室のようだ。家からは小一時間かかる。たまに、暇つぶしに遊びにくるのはよいが、例え一週間に一度でも無理な距離だ。
鳰に接し、紫陽花に接し、満足をした。これくらいで良いではないかと自分に云い聞かす。
帰り、公園の端っこで逢った猫ちゃん。
美しい黒猫だ。公園にはたくさんの野良ちゃんがいる。
「ニャアンー」と話かけると、じっと私を見ていたが、近づくと離れて行った。
野良にしては気品がある。貴婦人に抱かれるとなぞと想像をした。
外に出ると何かに出会える。気分転換のできた昨日。楽しんだ。
🐈 黒猫の明眸美しき律の風
🐈 一枝手折り法然さまに秋紫陽花