はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.289 ヒトハヒトダネ~Switch2014~

2014-12-08 07:53:46 | 芝居


僕が勤務する聖学院大学の卒業生で、広報課でアルバイトをしてくれているリンちゃんの、本業のお芝居を観てきた。

ちびまるこちゃんのTARAKOさんが作・演出でもちろん出演もしている。

八重歯がトレードマークで金八先生にも登場したの80年代のアイドル伊藤つかささん、気象予報士としても著名な木原実さん他、実力派揃いの豪華なキャストで楽しいお芝居だった。

すでに公演が終了しているので、内容を少し書くと、

「ロボットをつくる」「アンドロイドをつくる」という言い方は違えど同じ夢を抱いた仲良し同級生。
時を経て、その夢をかなえた二人。
一人は ピヨゾーハッピーカムカムというロボット販売会社の社長に、そしてもう一人は ショーゾーラッキーゴーゴーというアンドロイド販売会社の社長になっている。
しかし、「初恋の人との恋愛を成就させる」という本当の夢を叶えられなかった小三(ショーゾー)は、比良三(ピヨゾー)に初恋のじゅんちゃんそっくりのロボットをつくってもらう。

TARAKOさん演じる独身で中年の寂しい女性、角田さん。
角田さんの経営するお店の従業員で密かに想いをよせていたリンタくんが結婚することになり、自分も家族がいて幸せなんだというところを、リンタと花嫁に見せようとアンドロイドをレンタル。
それが小三のつくったアンドロイド。
だんなさんを演じさせようとした くれるくん は「◯◯してくれる?」と語尾に「くれる?」をつけると言うことを聞く。
息子の役 見下ろすくん は背の高いアンドロイドでずっと下を向いて、人をバカにしたセリフを言う。
首をあげると壊れてしまうらしい。
そして娘役 悲しい女かなさん は不自然な和服姿でののしられるとスイッチが入る家政婦アンドロイド。
とても出来がいいとは言えないアンドロイド達だが一緒に生活しているうちに心が通じ合い、本当の家族へとなっていく。

リンタは実は小三の弟。
大吉、小三、中二、高一、そしてリンタの男5人の兄弟。
両親はすでに二人とも他界している。
すぐ上の兄、高一は自分のせいで母親が死んでしまったと思い込み、後悔の気持ちを抱えて生きているマザコン。
長男の大吉は結婚に失敗した経験があり、もう二度と結婚なんかしないと思っている。
そしてそんな大吉に想いを寄せ続ける小三の同級生のみどり。
そんな相川家に比良三のつくった人の心を読む不思議なロボット イーオ がやってくる。
そして、家族の中の誤解やわだかまりが解決されていき、さらに家族の絆が深まる、
そんなお話。
ロボットやアンドロイドが登場するけれど、
SFではなくて家族や愛や友情のお話でした。

僕は芝居を観ながら、
高校生の時に、自分がどんな夢を抱いていたのかな、ぼんやりと思い出していた。

大学生になって、東京に出ることが楽しみだったけれど、
将来何をつくりたいとか、どんな職業につきたいとか、
そんな具体的なものはなかったなあ。

根拠も何にもないけれど、自分には才能とか素質とか言うものがあって、
それを誰かがきっと見つけてくれるはず、と思っていた。
夢は誰かが叶えてくれるものだと。

家族もそう。
僕の家は父親が家族が大好きで、
家に帰ってくると、「ただいま」という前に、
「お母さんは?」「子どもたちは?」と言うような人だった。
僕の中では家族は温かいもので、
いつもあるものだった。

やがてできる自分の家族だって、
きっと自然にできるんだろうと思っていた。

でも手を挙げなきゃダメだとだいぶ年をとってからわかった。
手を挙げなきゃ誰も気づいてくれない。
自分も自分で何をすべきか気づかない。

将来も夢も何も見えないなら、
見えるところまで歩けばいい。

歩いていったらいろんなものを見つけた。
いろんなものの中には夢や幸せも含まれていた。


芝居の中で、登場人物の心の傷を癒してくれて前を向かせてくれるのが、じゅんちゃんや、くれるくんや見下ろすくん、そしてイーオといったロボットたち。
彼らを通して見えてくる友情や愛。
それはドラえもん的でもありちびまるこちゃん的でもある。
くれるくんはまさしく藤子不二雄のマンガのキャラクターのようだった。

そうそう、リンちゃんはリンタの花嫁さんの役で、ウエディングドレスを着るシーンもあり素敵でした。






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