はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.105 ノルウェイの森

2011-01-29 07:51:18 | 映画
「ノルウェイの森」を観てしまった。

自らは何も目指していない若者が、自分の身の回りに起こる事に狭い視野の中で振り回されるだけの内容の小説なので好きではないのだけれど、映画も同内容でなんだかどんより暗い。

僕は高校が男子校で、大学に行けば彼女とかできたり、ナンパして女の子にもてる、とか勝手に妄想していた。でも全然違ってさっぱりした青春だったので、努力もせず、がっついてもいなくて、ただもてる登場人物に共感が持てないということでもあるんだろう。
映画では主役が松山くんなので、もてても仕方がないかと思ったけど。

村上春樹はこの作品で何を表現したかったのか。
モラトリアム?背景となっている時代では、大学生時代をモラトリアムと言っていた時代だっただろうか(そう呼んだのは80~90年代かな)。

あるいは生。身近な人の死によってストーリーが進み、登場人物は死に影響を受けていくが、その影響はポジティブなものではなくて、何も目指さないし、どこにも進まない。ただ流れていくだけ。

むしろ性。村上春樹はわざと若い女性に下品ないやらしい言葉を言わせる。90年代のトレンデイドラマでは登場人物の女の子が「抱いて」ではなくて「セックスしよう」とあからさまな表現をしたことで話題になった。若い女性の口から下品な表現が出るのを喜ぶ時代だったんだろう。でもそういうのって今考えるとセクハラじゃないだろうか。

YMOの細野晴臣、高橋幸宏が出演している。坂本龍一も出てくるかなと期待したけど、そういう意図ではなかったようだ。

予告編で観た西原理恵子の映画。小泉今日子と永瀬正敏が共演するのでおどろいた。